管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問41

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

食物アレルギーに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • Ⅱ型アレルギーによって発症する。
  • 乳糖不耐症は、食物アレルギーである。
  • 口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの特殊型である。
  • 食物経口負荷試験は、自宅で行う。
  • アナフィラキシーショックでは、抗ヒスタミン薬の投与が第一選択である。

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この過去問の解説 (3件)

01

食物アレルギーとは食物によって、皮膚、粘膜、消火器および呼吸器症状、アナフィラキシーなどが起こることです。

食物アレルギーの分類やアレルギーのメカニズムを理解しておきましょう。

選択肢1. Ⅱ型アレルギーによって発症する。

食物アレルギーはⅠ型アレルギーによって発症します。

アレルギーはⅠ型~Ⅳ型の4種類の分類されており、Ⅰ型アレルギーはIgE抗体を介して発症します。

選択肢2. 乳糖不耐症は、食物アレルギーである。

乳糖不耐症は、食物アレルギーではありません

乳糖不耐症では消化器で乳糖分解酵素(ラクターゼ)が減少や欠乏することにより、牛乳を飲むと消化不良や下痢を引き起こします。

このように、免疫反応を介さず、食品中に含まれる化学物質でアレルギー様反応を呈する症状を仮性アレルギーといいます。

選択肢3. 口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの特殊型である。

正しいです。

口腔アレルギー症候群の頻度の高い食物として、果物や野菜などがあります。

選択肢4. 食物経口負荷試験は、自宅で行う。

食物経口負荷試験は、ショック症状の危険性をともなうため、入院設備のある施設で専門の医師が行うことが望ましいです。

選択肢5. アナフィラキシーショックでは、抗ヒスタミン薬の投与が第一選択である。

アナフィラキシーショックでは、エピペン(アドレナリン自己注射薬)の投与が第一選択です。

アナフィラキシーショックでは、アレルゲンの摂取、接触などにより血圧の低下や意識状態の低下が起きます。

まとめ

食物アレルギーは卵、牛乳、小麦の患者が多く、三大アレルゲンとされています。

さらに、そば、ピーナッツ(落花生)、えび、かに、くるみはアナフィラキシーショックの原因となるため、三大アレルゲンと併せて8品目については食品衛生法により表示が義務付けられています。

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02

食物アレルギーに関する問題です。

食物アレルギーは、原因となる食物を摂取することで、皮膚症状や粘膜症状、呼吸器症状、消化器症状、神経症状、循環器症状などを引き起こします。

原因となる食品や発症機序、症状の種類、ショック時の対応などを抑えておくと解答を絞ることができます。

選択肢1. Ⅱ型アレルギーによって発症する。

食物アレルギーはⅠ型アレルギーによって発症します。

Ⅰ型アレルギーは肥満細胞上に存在するIgE抗体に抗原が結合し、肥満細胞からヒスタミンが放出されることで発症します。

Ⅰ型アレルギーには食物アレルギーの他に、アレルギー性鼻炎、花粉症などが該当します。

選択肢2. 乳糖不耐症は、食物アレルギーである。

乳糖不耐症は食物アレルギーではありません

生まれつき乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が不足していることなどが原因で発症します。

身体が乳糖を消化できず、下痢などを引き起こします。

選択肢3. 口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの特殊型である。

正しいです。

口腔アレルギー症候群とは、口腔内の粘膜に原因食物が接触することでかゆみなどのアレルギー反応を引き起こす、特殊型の食物アレルギーです。

選択肢4. 食物経口負荷試験は、自宅で行う。

食物負荷試験は医療機関で実施します。

食物負荷試験とは、アレルギーの原因となる食品を1回、または複数回に分割して摂取させることで症状の有無などを確認する検査です。

原因食物の確定診断や、安全に摂取できる量の決定、耐性獲得の診断などを目的として実施されます。

食物負荷試験はアナフィラキシーなどを誘発する恐れがあるため、医療機関で行います。

選択肢5. アナフィラキシーショックでは、抗ヒスタミン薬の投与が第一選択である。

アナフィラキシーショック時はアドレナリン自己注射薬(エピペン)の投与が第一選択となります。

その後救急車が到着するまで安静にさせ、可能ならば抗ヒスタミン薬(内服薬)を投与します。

まとめ

アナフィラキシーショック時の対応は表やフローチャートとしてまとまっているものもあります。一度目を通して確認しておきましょう。

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03

食物アレルギーに関する問題です。

アレルギー発症のしくみを確認しましょう。

選択肢1. Ⅱ型アレルギーによって発症する。

×

Ⅰ型アレルギーによって発症します。

Ⅰ型アレルギーは即時型で、アレルゲンによってIgE抗体が産生され、

これが肥満細胞に結合することにより脂肪細胞からヒスタミンなどの

化学物質が放出されることにより起こります。

選択肢2. 乳糖不耐症は、食物アレルギーである。

×

乳糖不耐症は、食物アレルギーではありません。

乳糖不耐症は、乳糖を分解するラクターゼ活性が低下していることにより

消化吸収ができず、下痢などの症状をきたすものです。

選択肢3. 口腔アレルギー症候群は、食物アレルギーの特殊型である。

口腔アレルギー症候群とは、果物や生野菜を摂取して数分後に、

唇や下、口の中、喉にかゆみ、しびれ、むくみなどはあらわれるものです。

選択肢4. 食物経口負荷試験は、自宅で行う。

×

食物経口負荷試験は、医療機関で行います。

アレルギー症状を起こす可能性があるため、医師管理のもと実施します。

選択肢5. アナフィラキシーショックでは、抗ヒスタミン薬の投与が第一選択である。

×

アナフィラキシーショックでは、エピペン(アドレナリン自己注射薬)が第一選択です。

アナフィラキシーショクが起こると呼吸困難、手足のしびれ、腹痛、嘔吐などの

症状が出てきますが、エピペンを注射すると気管支拡張と血圧低下し、アナフィラキシー症状を緩和します。

まとめ

食物アレルギーは頻出問題です。

蕁麻疹などの皮膚症状、下痢嘔吐などの消化器症状、めまい冷や汗などの全身症状や、

血圧低下や呼吸困難などショック状態に陥るアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。

アレルギー発症のしくみも併せておさえておきましょう。

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