管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問43

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

人間と食品に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 人間は、食物連鎖の二次消費者に位置している。
  • 個人の食嗜好は、幼児期から高齢期に至るまで変化しない。
  • わが国の生産額ベースの総合食料自給率は、2000年以降約60~70%で推移している。
  • フードマイレージは、地産地消が進むと大きくなる。
  • 食品ロスは、生産された食料のうち不可食部の廃棄を示している。

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この過去問の解説 (3件)

01

人間と食品の問題です。

食品の消費を様々な角度からとらえることで解答を絞ることができます。

選択肢1. 人間は、食物連鎖の二次消費者に位置している。

食物連鎖のピラミッドでは一番下に分解者、その上に生産者、消費者と並びます。

消費者の中でも生産者(植物など)を主に捕食する生き物を一次消費者とよび、一次消費者はさらに高次元の二次、三次(高次)消費者に捕食されます。

人間は高次消費者に位置しています。

選択肢2. 個人の食嗜好は、幼児期から高齢期に至るまで変化しない。

食嗜好は年齢によって変化します。

選択肢3. わが国の生産額ベースの総合食料自給率は、2000年以降約60~70%で推移している。

正しいです。

我が国の総合食料自給率は生産額ベースでは60〜70%カロリーベースでは30〜40%にとどまっています。

選択肢4. フードマイレージは、地産地消が進むと大きくなる。

フードマイレージとは食品輸送にかかる環境負荷を数値化して表したもので、食材総輸送量(t)と輸送距離(km)の積で求められます。

地産地消が進むと輸送距離が大幅に縮まるため、フードマイレージは小さくなると言えます。

選択肢5. 食品ロスは、生産された食料のうち不可食部の廃棄を示している。

食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食材のことです。

まとめ

近年の時事問題、SDGsなどと関連付けて理解しておくことが望ましいです。

参考になった数17

02

この問題では、食品、環境との関わりについての用語を理解しておく必要があります。

選択肢1. 人間は、食物連鎖の二次消費者に位置している。

人間は、食物連鎖の二次消費者には位置していません。

食物連鎖の一次消費者は、植物を食べる昆虫・草食動物、

二次消費者は、他の動物を捕食する肉食動物と動物と植物の両方を食べる雑食動物、

三次消費者は、二次消費者と一次消費者の両方を食べる頂点捕食者です。

食物連鎖はピラミッドで表され、上位になるほど個体数が少なく、栄養素と有害物質が濃縮されています。

選択肢2. 個人の食嗜好は、幼児期から高齢期に至るまで変化しない。

個人の食嗜好は、幼児期から高齢期に至るまでに変化します

年齢、性別、食習慣、経験、食環境によって大きく変化します。

選択肢3. わが国の生産額ベースの総合食料自給率は、2000年以降約60~70%で推移している。

正しいです。

設問のとおりです。

選択肢4. フードマイレージは、地産地消が進むと大きくなる。

フードマイレージは、地産地消が進むと小さくなります。

フードマイレージとは食料輸送による環境負荷の指標であり、

 食料の重量(t)× 食料の輸送距離(km)

で表されます。

選択肢5. 食品ロスは、生産された食料のうち不可食部の廃棄を示している。

食品ロスは、生産された食料のうち可食部の廃棄を示しています。

食品ロスとは本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことをいいます。

参考になった数3

03

食料と環境問題に関する問題です。

選択肢のキーワードを確認し覚えておきましょう。

選択肢1. 人間は、食物連鎖の二次消費者に位置している。

×

食物連鎖は分解者(土壌動物)、生産者(植物)、一次消費者(植食性動物)高次消費者(肉食動物)に分けられます。

人間は高次消費者に分類されます。

選択肢2. 個人の食嗜好は、幼児期から高齢期に至るまで変化しない。

×

食嗜好は年齢により変化していきます。

選択肢3. わが国の生産額ベースの総合食料自給率は、2000年以降約60~70%で推移している。

我が国の食料自給率は生産額ベースで60~70%カロリーベースで30~40%で推移しています。

選択肢4. フードマイレージは、地産地消が進むと大きくなる。

×

フードマイレージとは、食料輸送量(t)と輸送距離(km)をかけ合わせた指標のことをいいます。

食料輸入が地球環境に与える負荷がわかります。

そのため、地産地消が進むと輸送距離が短くなり、フードマイレージは小さくなります。

選択肢5. 食品ロスは、生産された食料のうち不可食部の廃棄を示している。

×

食品ロスとは、本来食べることができる可食部を廃棄することをいいます。

食べ残しや売れ残り、賞味期限切れ商品など、年間523万tに及びます(令和3年時点)。

まとめ

フードマイレージに関しては日本は世界第一位であり、

フードマイレージの増加は地球温暖化の促進にもつながります。

地産地消などフードマイレージが少なく地元でとれた食材は、地元で消費しようという

取り組みはSDGsの目標ともつながっています。

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