管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問47
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問47 (訂正依頼・報告はこちら)
鶏卵に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- オボトランスフェリンは、起泡性に優れる。
- アビジンは、ナイアシンと強く結合する。
- ホスビチンは、たんぱく質分解酵素である。
- 脂溶性ビタミンは、卵黄より卵白に多く含まれる。
- 卵白は古くなると、pHが低下する。
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この過去問の解説 (3件)
01
鶏卵は卵殻に接して卵殻膜があり、その内側に卵白、さらに内側に卵黄膜に包まれた卵黄があります。
卵殻:卵白:卵黄 = 約1:6:3となっています。
鶏卵には多くのタンパク質が含まれています。タンパク質の種類と特徴を理解しておくことが大切になります。
正しいです。
起泡性に優れている卵白のタンパク質には、他にオボグロブリンがあり、安定性には主にオボムシンが関与しています。
アビジンは、ビオチンと強く結合します。
アビジンは卵白に存在するタンパク質です。
ビオチンはビタミンB群に分類される水溶性ビタミンであり、アビジンと結合することにより体内への吸収を阻害します。
ホスビチンは卵黄に含まれているリンタンパク質であり、たんぱく質分解酵素ではありません。
ユビキチンは、たんぱく質分解酵素です。
脂溶性ビタミンは、卵白より卵黄に多く含まれます。
脂溶性ビタミンとは、ビタミンD、A、K、Eであり、卵黄に多く含まれています。
卵白は古くなると、pHが上昇します。
鶏卵の化学変化には温度が大きく影響しており、産卵直後から始まっています。
産卵前は卵白中に溶け込んでいたCO2が、産卵と同時に気孔を通して逸散し始めるため、卵白のpHが上昇します。
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02
鶏卵に関する問題です。
卵黄と卵白で栄養成分や調理性が大きく異なります。
卵白の栄養素は
85~90%が水分で、10.5%がたんぱく質、とその他栄養素で構成されています。
それに対し卵黄の栄養素は
50%が水分、33.5%が脂質、16.5%がたんぱく質とその他栄養素で構成されています。
それらを意識しながら、成分特性や調理性、栄養について確認しておきましょう。
正しいです。
卵白に含まれるたんぱく質のうち、オボトランスフェリンとグロブリンは特に大きな起泡性を持ちます。
また、オボトランスフェリンは鉄結合性が高いことでも知られています。
アビジンは卵白に含まれるたんぱく質で、ビオチンと強く結合します。
ビオチンと結合することで吸収阻害がおこります。
ホスビジンは卵黄中の約80%を占めるリンタンパク質です。
脂溶性ビタミンは卵黄に多く含まれます。
卵白は古くなるとpHが上昇します。
産卵後、卵白に溶解していたCO₂が卵殻の気孔を通って空気中に出ていくため、pHが上昇します。
卵黄と卵白の成分組成それぞれの特徴を区別して覚えておきましょう。
また、卵黄、卵白に共通して鶏卵にはビタミンCが含まれません。このポイントも抑えておきましょう。
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03
卵に関する問題です。
卵白に含まれるたんぱく質と卵黄に含まれる脂質など成分を確認しましょう。
〇
オボトランスフェリンは卵白に含まれるたんぱく質で起泡性があり、鉄結合性があります。
卵白中、オボアルブミン(54%)に次いで2番目に多いたんぱく質(12~13%)です。
×
アビジンはビオチンと結合するたんぱく質です。
微生物の増殖抑制などの効果があります。
×
ホスビチンは卵黄中に含まれるリンたんぱく質です。
消化酵素に対しては消化抵抗性を示します。
×
脂溶性ビタミンは卵黄に多く含まれます。
特にビタミンA、Dが多く含まれます。
×
pHが上昇します。
新鮮な卵白のpHは7.5~8.0で、9.0は古い卵とされています。
pHの上昇とともに濃厚卵白が減少し、水様卵白の割合が増加します。
【卵白のたんぱく質】
オボアルブミン54%(熱凝固性、起泡性あり)>オボトランスフェリン12~13%(鉄結合性)>オボムコイド11%(アレルゲン物質、微生物増殖抑制)>リゾリーム3.5%(抗菌作用)>アビシン0.05%(ビオチンと結合)
【卵黄の脂質】
トリアシグルリセロール62~63%>リン脂質33%>コレステロール4%>カロテノイド色素など
コレステロールについては卵に多く含まれていますが、食品から摂取するよりも
体内で合成されることが多いため1日1、2個程度卵を食べても健康上問題ないとされています。
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