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管理栄養士の過去問 第37回 午前の部 問51

問題

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食品の変質に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
   1 .
細菌による食品の腐敗は、水分活性の低下により促進される。
   2 .
揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると減少する。
   3 .
K値は、ATP関連物質中におけるイノシンの割合が増加すると低下する。
   4 .
酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると低下する。
   5 .
過酸化物価は、油脂の自動酸化の初期に上昇する。
( 第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問51 )
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この過去問の解説 (3件)

6

食品中のたんぱく質や窒素化合物が、食品自体の自己消化と微生物の作用によって分解され、悪臭や有害物質を生じて可食性が失われることを「腐敗」といいます。

つまり、腐敗とは食品を汚染した微生物が増殖し、食品の鮮度が低下することです。

脂質が微生物などによって分解される場合は「変敗」といいます。

変質に関する指標を理解しておきましょう。

選択肢1. 細菌による食品の腐敗は、水分活性の低下により促進される。

細菌による食品の腐敗は、水分活性の上昇により促進されます。

食品に含まれる水分には微生物が利用できる自由水と、利用できない結合水があり、水分における自由水の割合を水分活性といいます。

微生物は水分活性が高いほど増殖しやすく、低いほど増殖しにくいです。

しかし、微生物の増殖pH、含まれる栄養素の種類と量、酸素量によっても影響されます。

食品の保存法である塩蔵、砂糖漬け、乾燥、冷凍は水分活性値を低下させて微生物の発育を抑制する原理を応用したものです。

選択肢2. 揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると減少する。

揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると増加します。

揮発性塩基性窒素とはアンモニア、トリメチルアミン、ジメチルアミンなどのアミノ酸が分解されてできたアルカリ性窒素化合物を測定したもので、鮮度の指標1つです。

30~40mg%で「初期腐敗」、50mg%以上になると「腐敗」と判断されます。

選択肢3. K値は、ATP関連物質中におけるイノシンの割合が増加すると低下する。

K値は、ATP関連物質中のイノシンの割合がすると上昇します。

K値とは、魚肉の鮮度の指標です。

魚の筋肉中のATPは、死後急速にADPに分解し、AMP → IMP(イノシン酸)→ イノシン → ヒポキサンチンへと変化します。

ATPとその分解物の総量に対するイノシンとヒポキサンチンの合計量の割合(%)をK値といい、60~80%になると初期腐敗と判定されます。

選択肢4. 酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると低下する。

酸価は、油脂中の遊離脂肪酸が増加すると上昇します。

酸価とは、油脂の劣化の指標となり、

油脂1g中の遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カルシウム量(mg)のことです。

油脂の変敗が進行すると加水分解などによって遊離脂肪酸が増加し、酸価が上昇します。

選択肢5. 過酸化物価は、油脂の自動酸化の初期に上昇する。

正しいです。

過酸化物価とは、油脂1kg中のヒドロペルオキシドの量(mg)です。

初期段階の自動酸化の程度を評価できます。

初期酸化を示し、分解が始まると低下します。

付箋メモを残すことが出来ます。
1

油脂やたんぱく質の変性についての問題です。

選択肢1. 細菌による食品の腐敗は、水分活性の低下により促進される。

食品中の自由水(=微生物が利用できる水分)の割合を表す数値のことを、水分活性といいます。

水分活性が低下すると、微生物が増殖しにくく、食品の腐敗は抑制されます。

選択肢2. 揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると減少する。

アンモニアやトリメチルアミン等の揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質により増加します。

魚肉の初期腐敗の指標となります。

選択肢3. K値は、ATP関連物質中におけるイノシンの割合が増加すると低下する。

K値とは、ATP分解によって生成されるイノシンやヒポキサンチンの割合です。

鮮度の低下に伴ってイノシンやヒポキサンチンは増加し、K値は上昇します。

選択肢4. 酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると低下する。

酸価とは、油脂1g中に存在する遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数です。

遊離脂肪酸量が増加すると、酸価は上昇します。

選択肢5. 過酸化物価は、油脂の自動酸化の初期に上昇する。

正しいです。

過酸化物価は、油脂の自動酸化の初期に上昇します。

0

細菌類の増殖に適した水分活性は

・細菌類:0.90以上

・酵母類:0.80以上

・カビ類:0.75以上

とされています。

細菌類の増殖が比較的少ない水分活性0.65~0.85の水分活性をもつ食品を中間水分食品といいます。

選択肢1. 細菌による食品の腐敗は、水分活性の低下により促進される。

水分活性の低下により抑制されます。

水分活性とは微生物が利用できる水の程度を示した数値です。

水分活性が0.85以下の場合食中毒細菌の増殖が起こらなくなります。

選択肢2. 揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると減少する。

揮発性塩基窒素は、たんぱく質の変質が進行すると増加します。

揮発性塩基窒素は魚介類の腐敗を評価する指標として用いられます。

100g中30mg以上で初期腐敗とされています。

選択肢3. K値は、ATP関連物質中におけるイノシンの割合が増加すると低下する。

K値は、ATP関連物質中におけるイノシンの割合が増加すると上昇します。

K値とは、ATPとその分解生成物全量に対するイノシン(HxR) + ヒポキサンチン(Hx) 量の百分率です。

K値は低いほど食品の鮮度は良いとされます。

選択肢4. 酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると低下する。

酸価は、油脂中の遊離脂肪酸量が増加すると上昇します。

酸化とは試料1g中に含まれている遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数と定義されています。

選択肢5. 過酸化物価は、油脂の自動酸化の初期に上昇する。

正しいです。

過酸化物価とは油脂中の過酸化脂質量をいいます。

油脂1kg中の過酸化物によりヨウ化カリウムから遊離されるヨウ素量の㎎当量数と定義されています。

まとめ

食品の変質について理解しておきましょう。

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