管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問63
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問63 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の保存法と保存性を高めるための加工法に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 冷凍食品では、冷却時に−1~−5℃の温度帯を緩慢に通過させて−20℃にすることで品質が良好に保持される。
- パーシャルフリージングでは、一般的にたんぱく質の変性が急速に進む。
- ショ糖を用いる糖蔵では、浸透圧が低下する。
- 冷燻法による燻製食品は、熱燻法で製造された製品に比べて保存性が劣る。
- 容器包装に密封した常温流通食品のうち、pHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超えるものは、120℃4分間以上の加熱により殺菌する。
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この過去問の解説 (3件)
01
食品の保存・加工についての問題です。
−1~−5℃の温度帯(最大氷結晶生成温度帯)を30分以内に通過させることを急速冷凍といい、品質が良好に保持されます。
パーシャルフリージングでは細胞の周りだけを凍結させるため、通常の冷凍と比べてたんぱく質の変性は少ない方法です。
糖蔵や塩蔵では、浸透圧は上昇します。
燻製法には、大きく分けて熱燻法、温燻法、冷燻法の3種類があります。
冷燻法は、熱燻法・温燻法よりも低い温度で長時間燻製するため、食品中の水分量が減り保存性が高くなります。
正しいです。
ボツリヌス菌芽胞を殺菌する目的で行われる方法で、食品衛生法で定められています。
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02
この問題では加工品の保存方法について理解しておく必要があります。
冷凍食品では、冷却時に−1~−5℃の温度帯を急速に通過させて−20℃にすることで品質が良好に保持されます。
−1~−5℃の温度帯を最大氷結結晶生成帯といいます。
最大氷結結晶生成帯の通過時間が短いほど氷の結晶が小さくなるため、この温度帯を速やかに通過させて氷の結晶を成長させないようにすると組織の損傷が少なくなります。
パーシャルフリージングでは、一般的にたんぱく質の変性が抑制されます。
パーシャルフルージングは食品が一部微凍結した状態をいい、−3℃付近で貯蔵されます。
表面が凍る程度でたんぱく質の変性が起こりにくく、食肉や鮮魚の貯蔵に用いられます。
ショ糖を用いる糖蔵では、浸透圧が上昇します。
糖蔵では水分活性の低下と浸透圧の上昇で微生物の増殖を抑制します。
冷燻法による燻製食品は、熱燻法で製造された製品に比べて保存性が優れます。
燻煙では、煙中の殺菌成分、水分活性の低下で微生物増殖の抑制をします。
燻煙には熱燻煙、温燻煙、冷燻煙があり、後者ほど水分が多く残るため、保存性が高くなります。
正しいです。
ボツリヌス菌対策が必要なため、120℃4分間以上の加熱による殺菌か、生産から消費まで10℃以下で管理し、「要冷蔵」と表示することが必要です。
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03
水分活性を用いて自由水を減らしてと結合水を増やすことで食品の保存性が高まります。
それを利用した保存方法として糖蔵や塩蔵などがあります。
冷凍食品では、冷却時に−1~−5℃の温度帯を急速に通過させて−20℃にすることで品質が良好に保持されます。
−1~−5℃の温度帯を最大氷結晶生成温度帯といい食品を冷凍する過程で、氷結晶が大きくなりやすい温度帯です。
パーシャルフリージングでは、一般的にたんぱく質の変性が抑制されます。
0~‐3℃で凍結させることで食品の細胞自体を傷付けずに済むため凍結による食品の損傷を減らすことができます。
ショ糖を用いる糖蔵では、浸透圧が上昇します。
浸透圧が上昇することで微生物の生育を抑制し、食品の保存性を高まります。
冷燻法による燻製食品は、熱燻法で製造された製品に比べて保存性が上昇します。
熱燻法は冷蔵庫で1-2日の日持ちですが冷燻法は長期保存が可能になるものもあります。
正しいです。
ボツリヌス菌の殺菌を目的として行われます。
食品の保存法と保存性を高めるための加工法について理解しておきましょう。
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