管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問64
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問64 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の硬さを調整するための調理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- じゃがいもは、軟らかくするために65℃に保ちながらゆでる。
- さつまいもは、軟らかくするためにミョウバン入りの水でゆでる。
- れんこんは、歯ごたえを良くするために重曹入りの水でゆでる。
- だいこんの千切りは、歯ごたえを良くするために塩水に浸す。
- 鯉は、歯ごたえを良くするために、そぎ切りにして氷水に漬ける。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、食品それぞれの特徴と硬さの調整のメカニズムを理解しておく必要があります。
じゃがいもは、煮くずれ防止のため60℃程度を15分保ってから温度を上げて加熱する方法があります。
さつまいもは、煮くずれ防止のためミョウバン入りの水でゆでます。
また、ミョウバン水が酸性であるため、さつまいものフラボノイドを白色化し、
(さつまいもとしては明るくなるため黄色が引き立つ)
ペクチンの分解を抑制するため、さつまいもの色を黄色にし、組織を引き締めます。
れんこんは、歯ごたえをよくするため、酢入りの水でゆでます。
野菜が柔らかくなるのは、細胞壁や中層に存在するペクチン質が加熱により分解し、その結果細胞がやわらかくなると同時に細胞どうしの結着性が失われるからです。
酢を加えpHを下げ、pH4付近にするとアルカリ性下で起こるβ−脱離も酸性下で起こる加水分解も起きにくく、れんこんはシャキシャキしたテクスチャー(食感)になります。
だいこんの千切りは、歯ごたえをよくするために水に浸します。
野菜の細胞壁の浸透圧は約0.85%の食塩水の浸透圧と等しいです。
そのため、野菜を水に浸すと細胞膜を通って水が細胞内に入り込み、細胞壁があるため細胞の膨圧が高まり、野菜はパリっとします。
逆に、0.85%より濃い塩水に浸すと、原形質分離(原形質を包む細胞膜から細胞壁が離れて縮むこと)が起こり、細胞壁から食塩水が入り込み、野菜はやわらかくなります。
正しいです。
魚の筋肉の収縮のエネルギーとなるATPが急激に流出し、筋原線維たんぱく質のミオシンとアクチンが結合してアクトミオシンとなり、筋肉が収縮するためです。
鯉のあらいは、死後硬直前の鯉を用いて人為的に死後硬直を起こしたさしみのことです。
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02
様々な食品の調理方法(歯ごたえを良くする、色を良くする、アク抜きなど)について覚えておくとよいでしょう。
じゃがいもを軟らかくするには、水からゆっくりゆでます。
ミョウバンは、芋や栗の煮崩れを防ぐ効果があります。
れんこんの歯ごたえを良くするには、酢水につけます。
重曹は、山菜のアク抜きや、青菜を色よくゆでる、豆を早くふっくらとゆでる効果があります。
野菜類を塩水に浸すと、浸透圧によって水分が抜けるため、しんなりとやわらかくなります。
正しいです。
鯉の洗いと呼ばれる調理方法です。
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03
使用する調味料によって食品を硬さが調整されます。
じゃがいもは水からゆでることで柔らかくなります。
ミョウバン水は煮くずれ防止やアク抜きなどに利用されます。
れんこんは、歯ごたえを良くするために酢水につけます。
豆を柔らかくするために重曹水が利用されます。
野菜を塩水に浸すとしんなりとした食感になります。
りんごの変色防止などに塩水が利用されます。
正しいです。
鯉洗いといわれます。
食品の硬さを調整するための工夫について理解しておきましょう。
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