管理栄養士の過去問
第37回
午前の部 問77

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午前の部 問77 (訂正依頼・報告はこちら)

ビタミンの消化・吸収および代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • ビタミンAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が低下する。
  • ビタミンKは、腸内細菌により合成される。
  • ビタミンB1は、組織飽和量に達すると尿中排泄量が減少する。
  • 吸収されたビタミンB2は、キロミクロンに取り込まれる。
  • ビタミンB6の吸収には、内因子が必要である。

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この過去問の解説 (3件)

01

ビタミンについての問題です。

選択肢1. ビタミンAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が低下する。

ビタミンAは、脂質と一緒にとることで吸収率が上昇します。

選択肢2. ビタミンKは、腸内細菌により合成される。

正しいです。

ビタミンKのほか、ビタミンB群にも腸内細菌により合成されるものがあります。

選択肢3. ビタミンB1は、組織飽和量に達すると尿中排泄量が減少する。

ビタミンB1の尿中排泄量は、組織飽和量に達すると増加します。

選択肢4. 吸収されたビタミンB2は、キロミクロンに取り込まれる。

キロミクロンに取り込まれるのは、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)です。

選択肢5. ビタミンB6の吸収には、内因子が必要である。

内因子が必要になるのはビタミンB12です。

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02

ビタミンの消化、吸収についてポイントを押さえておきましょう。

選択肢1. ビタミンAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が低下する。

ビタミンAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が上昇します。

ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、油に溶けやすく脂質と共に吸収されます。

その他ビタミンD、K、Eが脂溶性ビタミンに分類されます。

選択肢2. ビタミンKは、腸内細菌により合成される。

正しいです。

成人では、腸内細菌によっても合成されるため、抗生物質等を服用していない限りビタミンK欠乏症はみられません。

しかし、母乳栄養新生児においては、ビタミンKが母乳中に少なく、腸内細菌がまだ不十分ではないため合成されず、ビタミンK欠乏症の頭蓋内出血がみられる場合があります。

選択肢3. ビタミンB1は、組織飽和量に達すると尿中排泄量が減少する。

ビタミンB1は、組織飽和量に達すると尿中排泄量が増加します。

水溶性ビタミンは、多く摂取しても尿中に排泄されるため、過剰症になりにくいです。

選択肢4. 吸収されたビタミンB2は、キロミクロンに取り込まれる。

吸収されたビタミンB2は、キロミクロンには取り込まれません

キロミクロンは脂肪を運ぶリポタンパク質であり、脂溶性ビタミンがキロミクロンに取り込まれます。

脂溶性ビタミンは、ビタミンD、A、K、Eです。

選択肢5. ビタミンB6の吸収には、内因子が必要である。

ビタミンB12の吸収には、内因子が必要です。

ビタミンB12の吸収には胃の粘膜から分泌される糖タンパク質の内因子が必要です。

そのため、胃を切除した場合や胃の粘膜が破壊する疾病時には、内因子がないため、欠乏状態が起こります。

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03

脂溶性ビタミンは小腸上皮細胞に吸収され、キロミクロンに取り込まれリンパ管を経て肝臓に運ばれます。

水溶性ビタミンはほとんどが能動輸送によって小腸上皮細胞に吸収され、肝臓につながる門脈血に入ります。

選択肢1. ビタミンAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が低下する。

ビタミンAは、脂質と一緒に摂取すると吸収率が上昇します。

選択肢2. ビタミンKは、腸内細菌により合成される。

正しいです。

腸内細菌は、腸内でビタミンK2を生成する役割があります。

選択肢3. ビタミンB1は、組織飽和量に達すると尿中排泄量が減少する。

ビタミンB1は、組織飽和量に達すると尿中排泄量が増加します。

ビタミンB1などの水溶性ビタミンは尿から排泄され、脂溶性ビタミンよりも早く尿へ排出されます。

選択肢4. 吸収されたビタミンB2は、キロミクロンに取り込まれる。

脂溶性ビタミンは小腸上皮細胞に吸収されたにちキロミクロンに取り込まれ、リンパ管を経て肝臓に運ばれます。 

選択肢5. ビタミンB6の吸収には、内因子が必要である。

ビタミンB12の吸収には、内因子が必要です。

まとめ

ビタミンの消化・吸収、代謝について理解しておきましょう。

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