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管理栄養士の過去問 第37回 午後の部 問16

問題

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空腸瘻にて1.0kcal/mLの成分栄養剤(常温)を100mL/時で300mL投与したところ、下痢を生じた。その対策に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
   1 .
成分栄養剤の濃度を、2.0kcal/mLに変更する。
   2 .
成分栄養剤を、脂肪含量の多い経腸栄養剤に変更する。
   3 .
成分栄養剤の温度を、4℃にして投与する。
   4 .
成分栄養剤の投与速度を、20mL/時に変更する。
   5 .
成分栄養剤を、1時間で300mL投与する。
( 第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問16 )
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この過去問の解説 (3件)

6

成分栄養剤は、消化を必要とせずそのまま吸収される製剤です。

窒素源は結晶アミノ酸やジペプチド、トリペプチド、

炭水化物は浸透圧が高くならないようにデキストリンや二糖類が用いられ、

脂肪の含有量が少ないのが特徴です。

長期間使用することで、必須脂肪酸欠乏が起こることがあります。

経腸栄養の投与方法、注意点を理解しておきましょう。

選択肢1. 成分栄養剤の濃度を、2.0kcal/mLに変更する。

不適当です。

濃度を下げることで下痢症状改善の対策になります。

選択肢2. 成分栄養剤を、脂肪含量の多い経腸栄養剤に変更する。

不適当です。

脂肪含量が少ないほうが下痢は起こしにくいです。

選択肢3. 成分栄養剤の温度を、4℃にして投与する。

不適当です。

低温では下痢を起こしやすくなります。

また、高温では細菌が増えやすくなるため常温が望ましいです。

選択肢4. 成分栄養剤の投与速度を、20mL/時に変更する。

適当です。

20~30ml/時から開始し、便の回数や腹部症状を観察しながら

徐々に速度をあげていくことが望ましいです。

選択肢5. 成分栄養剤を、1時間で300mL投与する。

不適当です。

投与速度を速めることは、下痢改善にはつながりまぜん。

付箋メモを残すことが出来ます。
3

経管栄養による腹部症状については、濃度、投与速度、温度、成分組成がポイントになります。

選択肢1. 成分栄養剤の濃度を、2.0kcal/mLに変更する。

1.0kcalmlの濃度で下痢を生じているため、さらに濃度を高めることは対策にはなりません。

選択肢2. 成分栄養剤を、脂肪含量の多い経腸栄養剤に変更する。

脂肪含有量が多い栄養剤は消化する際に負担がかかり、下痢の悪化の原因となります。

選択肢3. 成分栄養剤の温度を、4℃にして投与する。

栄養剤は基本的に常温で投与します。

4℃は体温に比べてかなり低い温度であり、下痢を誘発する原因になります。

選択肢4. 成分栄養剤の投与速度を、20mL/時に変更する。

正しいです。

投与速度を落とすことは下痢の対策として有効と考えられます。

選択肢5. 成分栄養剤を、1時間で300mL投与する。

100mL/時で下痢を生じているため、投与速度を速めることは対策にはなりません。

2

経腸栄養法において、下痢の原因となるのは以下になります。

・消化に負担がかかる

 (濃度が高い、脂肪含量が多い)

・経腸栄養剤の温度が低い

・投与速度が速い

この原因への対策ができている選択肢を選んでいきましょう。

選択肢1. 成分栄養剤の濃度を、2.0kcal/mLに変更する。

適当ではありません。

現在の濃度である1.0kcal/mLから2.0kcal/mLに変更してしまうと、より腸に負担がかかってしまいます。

選択肢2. 成分栄養剤を、脂肪含量の多い経腸栄養剤に変更する。

適当ではありません。

脂肪含量の多い経腸栄養剤に変更すると、より腸に負担がかかってしまいます。

選択肢3. 成分栄養剤の温度を、4℃にして投与する。

適当ではありません。

成分栄養剤の温度は室温や人肌がよく、4℃という低い温度での投与は下痢につながります。

選択肢4. 成分栄養剤の投与速度を、20mL/時に変更する。

正しいです。

現在100mL/時で投与しているため、速度を20mL/時に変更することは下痢の対策として適当です。

選択肢5. 成分栄養剤を、1時間で300mL投与する。

適当ではありません。

成分栄養剤を1時間で300mL投与すると、速度は300mL/時となってしまいます。

現在の速度である100mL/時よりも速くなってしまうため、下痢の対策として適当とは言えません。

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