管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問23
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
50歳、男性。事務職。標準体重60kgの高LDLコレステロール血症の患者である。初回の外来栄養食事指導の翌月、2回目の指導の前に1日当たりの摂取量の評価を行った。改善が必要な項目として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- エネルギー 1,600kcal
- たんぱく質 80g
- 飽和脂肪酸 8g
- コレステロール 150mg
- 食物繊維 10g
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この過去問の解説 (3件)
01
病態ごとの栄養食事管理と管理目標量を理解しておきましょう。
エネルギーは、標準体重×25 ~ 30kcal が望ましいです。
60kg × 25 ~ 30kcal
= 1500kcal 〜 1800kcal
となるため適正と考えられます。
たんぱく質は、エネルギー比 15 ~ 20% が望ましいです。
エネルギー1600kcalとして考えると、
1600kcal × 0.15 ~ 0.20 = 240 ~ 320kcal
240 ~ 320kcal ÷ 4kcal = 60 ~ 80g
(※たんぱく質1g = 4kcal)
となるため適正と考えられます。
脂質は、エネルギー比20 ~ 25% が望ましく、
飽和脂肪酸は、4.5%以上7%未満 とします。
エネルギーを1600kcalとして考えると、
飽和脂肪酸は
1600kcal × 0.045 ~ 0.070 = 72 ~112kcal
72 ~ 112kcal ÷ 9kcal = 8〜12g
(※脂質1g = 9kcal)
となるため適正と考えられます。
脂質異常症の重症化予防の目的より、
200mg/日未満とすることが望ましいとされているため、
適正と考えられます。
食物繊維は 25g以上 摂取することが望ましいです。
よって、改善が必要です。
食物繊維にはコレステロールや中性脂肪の吸収を抑える働きがあります。
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02
・50歳男性
・事務職
・標準体重60kg
・高LDLコレステロール血症の患者
以上の情報と「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに、改善が必要な項目を考えていきましょう。
問題文より、職業と標準体重が分かっているので、以下の式を使ってエネルギー量を計算していきます。
エネルギー摂取量(kcal)= 標準体重(kg)× 身体活動量(kcal)
身体活動量は、事務職は「軽労作(デスクワークが中心など)」と考えられるため、25~30kcalとします。
60kg × 25~30kcal = 1500~1800kcal より、
エネルギー「1600kcal」の改善は必要ではないことが分かります。
たんぱく質の目標量は、50~64歳では14~20%エネルギーとなっています。
ここでは、エネルギー量を選択肢にある1600kcalとして計算し、その後たんぱく質のエネルギー換算係数(4kcal/g)を使って値を求めていきます。
1600 × 0.14~0.20 = 224~320kcal
224~320 ÷ 4 = 56~80g
よって、タンパク質「80g」の改善は必要ではないことが分かります。
飽和脂肪酸の目標量は、50~64歳では7%エネルギー以下となっています。
ここでは、エネルギー量を選択肢にある1600kcalとして計算し、その後脂質(飽和脂肪酸含む)のエネルギー換算係数(9kcal/g)を使って値を求めていきます。
1600 × 0.07 = 112kcal
112 ÷ 9 = 12.444…g
よって、飽和脂肪酸「8g」の改善は必要ではないことが分かります。
コレステロールに関しては、日本人の食事摂取基準(2020年版)より新たに「脂質異常症の重症化予防の目的からは、200mg/日未満に留めることが望ましい」という記載が加わりました。
そのため、コレステロール「150mg」の改善は必要ありません。
食物繊維の目標量は、50~64歳では21g/日以上となっています。
よって、食物繊維「10g」は改善が必要であるということになります。
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03
食事摂取量の評価についての問題です。
病態に応じた必要栄養量や目標量をおさえておきましょう。
事務職のため、身体活動レベルはデスクワークなどの「軽い労作」であることが予測されます。
標準体重あたり約27kcalのエネルギー量は適当と考えられます。
標準体重当たり1.3g、エネルギー比20%であり、適当です。
日本人の食事摂取基準によると、飽和脂肪酸の目標量はエネルギー比7%以下です。
1600kcalに対して4.5%のため、問題ないと考えられます。
コレステロールに目標量は設定されていませんが、脂質異常症の重症化予防の目的からは、200 mg/日未満にとどめることが望ましいとされています。
よって、問題ないと考えられます。
食物繊維の目標量は、50歳男性では21g/日以上です。
半分以下の摂取量となっており、改善が必要な項目です。
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