管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問33
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
COPDの病態と栄養管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 呼吸筋の酸素消費量は、減少する。
- 基礎代謝量は、減少する。
- 骨密度は、低下する。
- エネルギー摂取量は、制限する。
- BCAA摂取量は、制限する。
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この過去問の解説 (3件)
01
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、有害な粒子やガスの吸着により生じる肺の疾患で、ガス交換障害を伴い、血液ガスの異常を示します。
呼吸筋の酸素消費量は、増加します。
それに伴い、基礎代謝量も増大します。
基礎代謝量は、増大します。
閉塞性気管障害や肺過膨張のため、安定期においても基礎代謝量が増え、代謝亢進が認められます。
正しいです。
喫煙や慢性炎症は、骨を弱くする原因となります。
エネルギー摂取量は制限せず、増量させます。
呼吸運動増大によってエネルギー消費量が増えます。
安静時の1.5倍を目安とし、体温1℃上昇に対し15%程度エネルギー摂取量を増加することが望ましいです。
BCAA摂取量は、制限せず、増量させます。
BCAAとは分岐鎖アミノ酸で、筋肉のエネルギー源となります。
呼吸筋の損傷を防ぐという観点からも、積極的に摂取する必要があります。
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02
COPD(慢性閉そく性肺疾患)とは、たばこの煙などの有害物質によって肺が炎症(慢性気管支炎や肺気腫)を起こし、呼吸機能が低下する疾患です。
COPDの栄養管理を考える上で重要なのは、「基礎代謝量が増加し、安静時のエネルギー消費が増大」する、という点です。
これは、「炎症によって気管支が狭くなる」「肺胞が破壊される」ことによって体が酸素を取り込みにくい状態にあり、呼吸筋が酷使されるためです。
栄養管理はこれらのことを念頭に置いて考えていきましょう。
(気管支炎:気管や気管支が慢性的に炎症を起こし、咳や痰が続いている状態。
また、痰によって気管支の壁が厚くなり、空気の通り道が狭くなる。
肺気腫 :酸素と炭酸ガスの交換を行っている「肺胞」の組織が壊れている状態。
肺にたまった空気をうまく吐き出せなくなる。)
呼吸筋の酸素消費量は、増加します。
基礎代謝量は、増加します。
正しいです。
喫煙に加え、COPDの症状による運動量の低下、低栄養、低酸素血症が関わっていると考えられています。
「基礎代謝量が増加し、安静時のエネルギー消費が増大」するため、エネルギー摂取量は制限しません。
BCAA摂取量は、制限しません。
BCAAとは、分岐鎖アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
体の中でつくることができない「必須アミノ酸」であり、筋肉のエネルギー源となります。
また、筋肉の分解を抑制し、筋肉の保持や増量にも関わるアミノ酸なので、COPDの栄養管理では重要です。
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03
COPDの病態と栄養管理に関する問題です。
呼吸筋の酸素消費量は増大します。
COPDでは気道閉塞のため、呼気時には肺が収縮し、気道を押しつぶしてしまいます。
空気を吐き出すために、安静時においても呼吸筋を使う必要があり、基礎代謝量は増加します。
正しいです。
喫煙や運動不足などの生活習慣に加え、低栄養や低酸素血症が影響するといわれています。
COPDでは基礎代謝が亢進し、安静時の消費エネルギー量が増大しています。
したがって、エネルギー摂取量は制限せず、十分な摂取が必要です。
PEMの予防、骨格筋の減少抑制のため、1.0~1.2g/kg/日の高たんぱく食とします。
特に筋肉でエネルギー源となるBCAAの投与が行われます。
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