管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問35
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
食物アレルギーに関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- オボムコイドは、加熱により抗原性が低下する。
- オボアルブミンは、加熱により抗原性が増大する。
- ピーナッツは、炒ることで抗原性が低下する。
- 小麦アレルギーでは、米粉を代替食品として用いることができる。
- 鶏肉は、特定原材料として表示が義務づけられている。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、食品ごとのアレルゲン(抗原)やアレルゲン活性(抗原性)について理解していることが重要になります。
オボムコイドは、加熱により抗原性は低下しません。
鶏卵アレルギーのアレルゲン(抗原)はいくつかありますが、卵白に含まれる「オボムコイド」と「オボアルブミン」というタンパク質が主となります。
オボムコイドはアレルゲン活性(抗原性)が強く、熱や消化酵素によって影響を受けにくいタンパク質です。
そのため鶏卵アレルギーのある人でも、オボムコイドに対するアレルギーがなければ、加熱された鶏卵や卵を含む食品でアレルギー症状を起こす可能性は低いと考えられています。
オボアルブミンは、加熱により抗原性が低下します。
鶏卵アレルギーの主なアレルゲン(抗原)である「オボアルブミン」は、熱によってタンパク質の構造が変化し、アレルゲン活性(抗原性)が低下します。
そのため、鶏卵アレルギーのある人でも、主にオボアルブミンのアレルギーの場合は加熱によって鶏卵が食べられるということがあります。
しかし、半熟卵やマヨネーズ、カスタードクリーム、アイスクリーム、マシュマロなどに使われている鶏卵は十分に加熱されていないので、注意が必要です。
ピーナッツは、炒ることで抗原性が増大します。
これはメイラード反応が起こることによって、タンパク質の構造が変化するためと考えられています。
正しいです。
小麦アレルギーのアレルゲン(抗原)には、「グリアジン」「グルテニン」「アルブミン」「グロブリン」などのタンパク質が挙げられます。
米粉は「グルテン(グリアジン、グルテニン)」が含まれていないため、小麦アレルギーのなかでもグルテンがアレルゲンである人には代替食品として利用できます。
しかし、グルテン以外がアレルゲンの人には利用できません。
そのため、小麦アレルギーでは米粉を代替食品として用いることが「できる」という表現になります。
鶏肉は、「特定原材料に準ずるもの」として表示が推奨されています。
令和5年3月、特定原材料へ新たに「くるみ」が追加され、特定原材料は「8品目」に変更となりました。
また、アレルギーを発症する原因なども段々と解明されてきています。
食事摂取基準を含め、改定などで変更のあった部分は、近い年の試験に出題されやすくなります。
最新の変更や情報などは、特に注目して覚えていきましょう。
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02
食物アレルギーに関する問題です。
卵のアレルゲンであるオボムコイドは、加熱しても抗原性は低下しません。
オボアルブミンは、加熱によりたんぱく質の構造が変化し、抗原性が低下します。
ピーナッツ(落花生)は、加熱により抗原性が増大します。
正しいです。
パンや菓子類など、多くの小麦製品で米粉を代用することができます。
特定原材料として表示が義務付けられているのは、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)の8種類です。
2023年3月に、くるみが新たに追加されました。
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03
食物アレルギーの原因物質と特徴について理解しておきましょう。
オボムコイドは加熱によって抗原性は低下しません。
加熱によって抗原性が低下するのはオボアルブミンです。
オボムコイド、オボアルブミンはどちらも卵白中のタンパク質であり、鶏卵アレルゲンの原因となってます。
オボアルブミンは、加熱により抗原性が低下します。
ピーナッツは、炒ることで抗原性が増大します。
生やゆでたものより、高温処理した方がアレルギー活性が上昇します。
正しいです。
小麦のアレルゲンはグルテンです。
米粉はグルテンを含まないため代替食品として用いることができます。
鶏肉は、特定原材料として表示が義務づけられていません。
特定原材料として義務づけられているのは、
患者数の多い三大アレルゲンの卵・乳・小麦、
アナフィラキシーショックの原因となるえび・かに・落花生・そばの計7品目に加え、
2023年3月にくるみも追加になりました。
くるみは、2025年4月から表示義務化の予定となっています。
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