管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問55

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

K市の地図である(図)。A地区は、学生を中心とした若い世代の一人暮らし世帯が多く、中食・外食の利用頻度が高く、野菜摂取量が少ない。B地区は、野菜の生産が盛んである。K市における、A地区の若い世代の野菜摂取量増加に向けた、食物へのアクセスと情報へのアクセスを統合させた効果的な取組に関する記述である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • A地区内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店内に、野菜摂取量の増加を推奨するポスターを掲示する。
  • A地区の駅構内の特設コーナーにおいて、B地区の生産者組合と協働して、地元野菜の直売所を開設し販売するとともに、1日当たりの野菜摂取量の目標として350gの野菜の実物展示を行う。
  • A地区において、各大学食堂や外食店と協働して、月替わりで、B地区産の野菜たっぷりメニューの提供と、野菜料理の簡単レシピ集の配布を行う。
  • A地区の七夕祭りにおいて、B地区の生産者組合と協働して、栄養バランスのとれた食生活に関する講話と地元野菜の無料配布会を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

食物へのアクセスとは、食物の生産から消費に至るまでのシステム全体を意味し、食べ物に反映されます。

情報へのアクセスとは、食生活、栄養、健康に関する情報やその流れを意味し、人に反映されます。

この二つを統合させた取組が正解となります。

選択肢1. A地区内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店内に、野菜摂取量の増加を推奨するポスターを掲示する。

ポスターという情報へのアクセスのみの取り組みです。

選択肢2. A地区の駅構内の特設コーナーにおいて、B地区の生産者組合と協働して、地元野菜の直売所を開設し販売するとともに、1日当たりの野菜摂取量の目標として350gの野菜の実物展示を行う。

実物展示という情報へのアクセスのみの取り組みです。

選択肢3. A地区において、各大学食堂や外食店と協働して、月替わりで、B地区産の野菜たっぷりメニューの提供と、野菜料理の簡単レシピ集の配布を行う。

野菜たっぷりのメニューの提供食物へのアクセスの取り組みです。

簡単レシピ集の配布情報へのアクセスの取り組みとなります。

大学食堂や外食を利用する学生にとって、二つを統合させた効果的な取り組みとなります。

選択肢4. A地区の七夕祭りにおいて、B地区の生産者組合と協働して、栄養バランスのとれた食生活に関する講話と地元野菜の無料配布会を行う。

食生活に関する講話は情報へのアクセスの取り組みです。

地方野菜の無料配布会は食物へのアクセスの取り組みです。

しかし、学生を中心とした若い世代の一人暮らし世帯が多く、中食・外食の利用頻度が高く、野菜摂取量が少ないことを考慮すると、無料配布された野菜を調理する手間があり、野菜摂取量増加に向けた効率的な取り組みとは言えません。

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02

食環境作りに関する問題です。

食環境作りには食物へのアクセス情報へのアクセスという二つの面が重要になります。

食物へのアクセスとは、食物がどこで生産・加工され、流通・販売の過程を経て個人に渡るかという一連の食物生産・提供システムのことを指します。

情報へのアクセスとは教育する対象者に対する食生活関連情報やその情報の流れなどを指します。

この問題ではこれら二つを統合させた効果的な取り組みを判断する必要があります。

食物へのアクセス・情報へのアクセスを念頭に置きながら選択肢を見てみましょう。

選択肢1. A地区内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店内に、野菜摂取量の増加を推奨するポスターを掲示する。

これは情報へのアクセスの取り組みです。

この選択肢では実施している内容は「ポスターの掲示」のみであり、これは情報のアクセスに該当します。

選択肢2. A地区の駅構内の特設コーナーにおいて、B地区の生産者組合と協働して、地元野菜の直売所を開設し販売するとともに、1日当たりの野菜摂取量の目標として350gの野菜の実物展示を行う。

不適です。

「野菜の販売」食物へのアクセス「野菜の実物展示」情報へのアクセスという両方の取り組みを実施しています

しかしこのA地区では若い世代の一人暮らしが多く、中食・外食の利用頻度が多いことが挙げられています。

そのため未加工の野菜の販売はこの対象集団に適した食物へのアクセスではないと考えられます。

選択肢3. A地区において、各大学食堂や外食店と協働して、月替わりで、B地区産の野菜たっぷりメニューの提供と、野菜料理の簡単レシピ集の配布を行う。

正しいです。

「野菜たっぷりメニューの提供」食物へのアクセス「簡単レシピ集の配布」情報へのアクセスで、両方が統合された取り組みになっています。

また、外食が多い対象集団に対し、実際のメニューの提供や“簡単な”レシピの配布は適したより効果的な取り組みであると言えます。

選択肢4. A地区の七夕祭りにおいて、B地区の生産者組合と協働して、栄養バランスのとれた食生活に関する講話と地元野菜の無料配布会を行う。

不適です。

「栄養バランスのとれた食生活に関する講話」情報へのアクセス「地元野菜の無料配布」食物へのアクセスで、両方が統合された取り組みです。

しかし、若い一人暮らしが多く中食・外食が多い対象集団において、野菜の無料配布は最適な食物へのアクセスではないと考えられるため、不適となります。

まとめ

この問題では最も適切なものを選ぶことがポイントとなります。

問題で問われているような食物・情報両方へのアクセスを統合している選択肢は複数存在しますが、「対象となる集団に最適な取り組みはどれか」を判断することが正答を導き出すポイントとなります。

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03

食物へのアクセスとは、食料の生産から消費に至るまでのシステム全体を指し、より健康的な食料の入手可能性を高めることを意味します。

情報へのアクセスとは、栄養や食生活、健康に関する情報やその流れを指します。

 

人々がより健康的な食生活を送れるよう、食物へのアクセスと情報へのアクセスの両方を相互に関連させて整備していくことを食環境づくりと言います。

選択肢1. A地区内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店内に、野菜摂取量の増加を推奨するポスターを掲示する。

不適です。

 

ポスターの掲示は情報へのアクセスの取り組みです。

食物へのアクセスと組み合わせる必要があります。

選択肢2. A地区の駅構内の特設コーナーにおいて、B地区の生産者組合と協働して、地元野菜の直売所を開設し販売するとともに、1日当たりの野菜摂取量の目標として350gの野菜の実物展示を行う。

不適です。

 

野菜摂取量の目標として野菜の実物展示を行うことは情報へのアクセスの取り組みです。

地元野菜の直売所の開設・販売は食物へのアクセスですが、対象が学生を中心とした若い世代の一人暮らし世帯が多く、中食・外食の利用頻度が高いことから適切な食物へのアクセスとはいえません。

選択肢3. A地区において、各大学食堂や外食店と協働して、月替わりで、B地区産の野菜たっぷりメニューの提供と、野菜料理の簡単レシピ集の配布を行う。

適切な取り組みです。

 

野菜たっぷりメニューの提供は食物へのアクセスです。

野菜料理の簡単レシピ集の配布は情報へのアクセスです。

 

選択肢4. A地区の七夕祭りにおいて、B地区の生産者組合と協働して、栄養バランスのとれた食生活に関する講話と地元野菜の無料配布会を行う。

不適です。

 

栄養バランスのとれた食生活に関する講話は、情報へのアクセスです。

地元野菜の無料配布は食物へのアクセスですが、対象が学生を中心とした若い世代の一人暮らし世帯が多く、中食・外食の利用頻度が高いことから適切な食物へのアクセスとはいえません。

まとめ

対象に適した取り組みを行うことが重要です。

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