管理栄養士の過去問 第37回 午後の部 問55
この過去問の解説 (2件)
食物へのアクセスとは、食物の生産から消費に至るまでのシステム全体を意味し、食べ物に反映されます。
情報へのアクセスとは、食生活、栄養、健康に関する情報やその流れを意味し、人に反映されます。
この二つを統合させた取組が正解となります。
ポスターという情報へのアクセスのみの取り組みです。
実物展示という情報へのアクセスのみの取り組みです。
野菜たっぷりのメニューの提供は食物へのアクセスの取り組みです。
簡単レシピ集の配布は情報へのアクセスの取り組みとなります。
大学食堂や外食を利用する学生にとって、二つを統合させた効果的な取り組みとなります。
食生活に関する講話は情報へのアクセスの取り組みです。
地方野菜の無料配布会は食物へのアクセスの取り組みです。
しかし、学生を中心とした若い世代の一人暮らし世帯が多く、中食・外食の利用頻度が高く、野菜摂取量が少ないことを考慮すると、無料配布された野菜を調理する手間があり、野菜摂取量増加に向けた効率的な取り組みとは言えません。
食環境作りに関する問題です。
食環境作りには食物へのアクセスと情報へのアクセスという二つの面が重要になります。
食物へのアクセスとは、食物がどこで生産・加工され、流通・販売の過程を経て個人に渡るかという一連の食物生産・提供システムのことを指します。
情報へのアクセスとは教育する対象者に対する食生活関連情報やその情報の流れなどを指します。
この問題ではこれら二つを統合させた効果的な取り組みを判断する必要があります。
食物へのアクセス・情報へのアクセスを念頭に置きながら選択肢を見てみましょう。
これは情報へのアクセスの取り組みです。
この選択肢では実施している内容は「ポスターの掲示」のみであり、これは情報のアクセスに該当します。
不適です。
「野菜の販売」は食物へのアクセス、「野菜の実物展示」は情報へのアクセスという両方の取り組みを実施しています。
しかしこのA地区では若い世代の一人暮らしが多く、中食・外食の利用頻度が多いことが挙げられています。
そのため未加工の野菜の販売はこの対象集団に適した食物へのアクセスではないと考えられます。
正しいです。
「野菜たっぷりメニューの提供」は食物へのアクセス、「簡単レシピ集の配布」は情報へのアクセスで、両方が統合された取り組みになっています。
また、外食が多い対象集団に対し、実際のメニューの提供や“簡単な”レシピの配布は適したより効果的な取り組みであると言えます。
不適です。
「栄養バランスのとれた食生活に関する講話」は情報へのアクセス、「地元野菜の無料配布」は食物へのアクセスで、両方が統合された取り組みです。
しかし、若い一人暮らしが多く中食・外食が多い対象集団において、野菜の無料配布は最適な食物へのアクセスではないと考えられるため、不適となります。
この問題では最も適切なものを選ぶことがポイントとなります。
問題で問われているような食物・情報両方へのアクセスを統合している選択肢は複数存在しますが、「対象となる集団に最適な取り組みはどれか」を判断することが正答を導き出すポイントとなります。
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