管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問58

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問58 (訂正依頼・報告はこちら)

給食経営管理におけるトータルシステムに関する内容である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 食材料に関する情報をコンピュータ端末から入力し、発注する仕組み
  • 給食経営の管理業務ごとにマネジメントサイクルを回し、それらを連動させて機能させる仕組み
  • 複数の施設に食事を供給するために、1か所の調理施設で集中して調理できる機能をもたせる仕組み
  • 給食を、クックチルとクックサーブを統合させて運営する仕組み
  • 配膳方法に適した配膳設備を活用して、出来上がった食事を利用者に適切な状態で提供する仕組み

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この過去問の解説 (3件)

01

トータルシステムとは、システム構築において全体を網羅するもので、複数のサブシステムより構築されます。

給食施設において、喫食者に最適な食事を提供するための一連のシステムトータルシステムであり、実際に食事を作ってサービスを行うまでに個別の栄養・食事管理、品質管理、生産管理、提供管理、安全・衛生管理およびこれらが円滑に行われるように支援する施設・設備管理、人事・事務管理、原価管理、情報処理管理などがサブシステムとなります。

選択肢1. 食材料に関する情報をコンピュータ端末から入力し、発注する仕組み

食材の発注はサブシステムとなります。

選択肢2. 給食経営の管理業務ごとにマネジメントサイクルを回し、それらを連動させて機能させる仕組み

正しいです。

設問の内容はトータルシステムです。

選択肢3. 複数の施設に食事を供給するために、1か所の調理施設で集中して調理できる機能をもたせる仕組み

サブシステムの生産管理に該当します。

複数の施設に食事を供給するために、1か所の調理施設で集中して調理する施設をセントラルキッチンといいます。

選択肢4. 給食を、クックチルとクックサーブを統合させて運営する仕組み

サブシステムの生産管理に該当します。

クックチルとは、食材を加熱調理後、急速冷却を行い、冷蔵により保管、運搬し、提供時に再加熱する調理方式です。

クックサーブとは、喫食当日に調理、配食を行うことを言います。

選択肢5. 配膳方法に適した配膳設備を活用して、出来上がった食事を利用者に適切な状態で提供する仕組み

サブシステムの提供管理に該当します。

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02

トータルシステムとは給食施設の業務管理システムのことで、給食経営管理における個々の機能別システム(=サブシステム)を関連させて効率よく機能させるシステムのことです。

さらにサブシステムは実働システムと支援システムに分類されます。

実働システムとは、給食提供するために直接的に行う管理項目です。

栄養・食材管理や栄養管理、生産管理。品質管理、提供サービス管理などが該当します。

支援システムとは、給食提供のために間接的に行う管理項目です。

経営管理や事務管理、施設・設備管理、会計管理、人事管理などが該当します。

この内容をもとに選択肢を確認していきましょう。

選択肢1. 食材料に関する情報をコンピュータ端末から入力し、発注する仕組み

このシステムはサブシステムの実働システムに該当します。

食材に関する情報を入力し、発注することは、給食提供のために直接的に管理しているといえます。

選択肢2. 給食経営の管理業務ごとにマネジメントサイクルを回し、それらを連動させて機能させる仕組み

トータルシステムに関する内容です

トータルシステムは、それぞれのサブシステムを効率よく関連させて機能させる仕組みのことをいい、この選択肢はそれに当てはまります。

選択肢3. 複数の施設に食事を供給するために、1か所の調理施設で集中して調理できる機能をもたせる仕組み

1か所の調理施設で集中して調理をしたものを複数施設に食事を提供するシステムはセントラルキッチンといい、給食管理のうち生産管理の項目に当てはまります。

生産管理はサブシステムの実働システムに該当します。

選択肢4. 給食を、クックチルとクックサーブを統合させて運営する仕組み

クックチル、クックサーブはどちらも給食の生産管理の項目に当てはまります。

そのためこれらを統合させて運営する取り組みも生産管理に該当するため、サブシステムの実働システムに当てはまります。

選択肢5. 配膳方法に適した配膳設備を活用して、出来上がった食事を利用者に適切な状態で提供する仕組み

配膳設備を活用し、提供するシステムはサブシステムの提供・サービス管理に該当します。

まとめ

サブシステムの区別を整理することができると選択肢を絞りやすくなります。

参考になった数1

03

トータルシステムはサブシステムをひとまとめにした、食事を喫食者に提供するまでの一連の流れを指します。

一方、サブシステムはトータルシステムの中の細かな工程や管理にあたります。

サブシステムの分類としては(1)栄養・食事管理(2)食材料管理(3)衛生管理(4)生産管理(5)施設・設備管理(6)人事・労務管理などがあります。

選択肢1. 食材料に関する情報をコンピュータ端末から入力し、発注する仕組み

誤りです。サブシステムの食材料管理にあたります。

選択肢2. 給食経営の管理業務ごとにマネジメントサイクルを回し、それらを連動させて機能させる仕組み

正しいです。設問の「管理業務ごとにマネジメントサイクルを回し、それらを連動させて機能させる仕組み」はトータルシステムの記述です。

選択肢3. 複数の施設に食事を供給するために、1か所の調理施設で集中して調理できる機能をもたせる仕組み

誤りです。サブシステムの生産管理にあたります。

なお1つの調理施設で大量に調理し、調理後の料理が各施設に配送される仕組みをセントラルキッチンシステムと言います。

選択肢4. 給食を、クックチルとクックサーブを統合させて運営する仕組み

誤りです。

クックサーブシステム:生産と提供を同じ日にするシステムです。

クックチルシステム:調理したものを冷蔵し、別の日に再加熱して提供するシステムです。

選択肢5. 配膳方法に適した配膳設備を活用して、出来上がった食事を利用者に適切な状態で提供する仕組み

誤りです。サブシステムの提供管理にあたります。

適時、適温、適量の食事を提供するシステムです。

まとめ

トータルシステムはサブシステムをまとめたもの、サブシステムはそれぞれ給食を提供するための細い管理です。サブシステムは多くの種類がありますが過去の国家試験に出されたものを参考にして区別しやすくなります。

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