管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問65

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問65 (訂正依頼・報告はこちら)

保育所における3歳以上児の栄養・食事計画に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 給与栄養目標量は、身長・体重の測定結果を参照して定期的に見直す。
  • たんぱく質の給与目標量は、日本人の食事摂取基準におけるEARを用いて設定する。
  • カルシウムの給与目標量は、昼食とおやつの合計が1日の給与栄養目標量の1/3を超えないよう設定する。
  • 1回の昼食で使用する肉の重量は、食品構成表にある肉類の使用重量と一致させる。
  • 児の嗜好に配慮し、濃い味付けとする。

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この過去問の解説 (3件)

01

保育所は児童福祉法第39条において規定されており、その目的は保護者の労働や疾病等の事由から、保育に欠ける乳児・幼児を保育することです。

『保育所における食育に関する指針』には「乳児期から正しい食事のとり方や望ましい食習慣の定着および食を通じた人間性の形成・家族関係づくりによる心身の健全育成を図るため発達段階に応じた食に関する取り組みを進めることが必要である」と記されています。

選択肢1. 給与栄養目標量は、身長・体重の測定結果を参照して定期的に見直す。

正しいです。

1~2歳児食、3~5歳児食に分けて、給与栄養目標量を設定します。

選択肢2. たんぱく質の給与目標量は、日本人の食事摂取基準におけるEARを用いて設定する。

誤りです。

たんぱく質エネルギー比率10以上20未満としています。

選択肢3. カルシウムの給与目標量は、昼食とおやつの合計が1日の給与栄養目標量の1/3を超えないよう設定する。

誤りです。

カルシウムの給与目標量は、EARを下回る子どもがほとんどいなくなるように、摂取量のアセスメント結果を踏まえ、実現可能性を考慮しながら設定します。

摂取量が推奨量あるいはそれに近い量になるように計画します。

選択肢4. 1回の昼食で使用する肉の重量は、食品構成表にある肉類の使用重量と一致させる。

誤りです。

食品構成表は目安量であり、必ずしも使用重量を一致させなければならないというわけではありません。

選択肢5. 児の嗜好に配慮し、濃い味付けとする。

誤りです。

なるべく薄味にする方が良いです。

薄味に慣れるという方向性で食塩量を設定します。

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02

児童福祉施設における“食事摂取基準を活用した食事計画の考え方”をきちんと理解しておきましょう。

選択肢1. 給与栄養目標量は、身長・体重の測定結果を参照して定期的に見直す。

正しいです。

子どもの発育・発達状況・栄養状態を踏まえて定期的に見直すのが望ましいです。

選択肢2. たんぱく質の給与目標量は、日本人の食事摂取基準におけるEARを用いて設定する。

不適です。

たんぱく質の給与栄養目標量は摂取エネルギーの13〜20%を占めるように設定します。

選択肢3. カルシウムの給与目標量は、昼食とおやつの合計が1日の給与栄養目標量の1/3を超えないよう設定する。

不適です。

カルシウムは不足しやすい栄養素であることから、推定平均必要量・推奨量を参照して給与栄養目標量を設定します。

選択肢4. 1回の昼食で使用する肉の重量は、食品構成表にある肉類の使用重量と一致させる。

不適です。

食品構成表は目安の値であり、完全に一致させる必要はありません。

選択肢5. 児の嗜好に配慮し、濃い味付けとする。

不適です。

幼児期は味覚を形成する段階です。

味覚を養うためにも、素材の味をもとにした薄めの味付けが好ましいです。

まとめ

幼児期の栄養は、大まかなバランスをもとに把握しておきましょう。

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03

参照資料として、『保育所における食育に関する指針』や『幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド』があります。

この設問では幼児期が必要とするエネルギーや栄養・食事について考える必要があります。

選択肢1. 給与栄養目標量は、身長・体重の測定結果を参照して定期的に見直す。

正しいです。発育や運動習慣により身長、体重は変動するため、給与栄養目標量は定期的な見直しが必要です。

選択肢2. たんぱく質の給与目標量は、日本人の食事摂取基準におけるEARを用いて設定する。

誤りです、3歳児以上のたんぱく質の給与目標量は13〜20E%です。

選択肢3. カルシウムの給与目標量は、昼食とおやつの合計が1日の給与栄養目標量の1/3を超えないよう設定する。

誤りです。カルシウムは不足しがちな栄養素であり、発育のため積極的な摂取が求められます。

選択肢4. 1回の昼食で使用する肉の重量は、食品構成表にある肉類の使用重量と一致させる。

誤りです。食品構成表は目安であり、完全に一致させる必要はありません。

選択肢5. 児の嗜好に配慮し、濃い味付けとする。

誤りです。味覚形成のため、幼児期は薄い味から食事に慣れさせるように味付けを調整します。

まとめ

幼児期の栄養・食事について栄養バランスや各種ガイドラインから理解していきましょう。

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