管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問64
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問題
第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問64 (訂正依頼・報告はこちら)
K病院栄養部門(図)の組織・人事管理に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 栄養課長が、全ての調理従事者に調理作業を指示する。
- 栄養課主任が、トレイメイクの最終確認を行う。
- 給食課長が、調理師のための衛生研修会を企画する。
- 給食課長が、栄養課の業務配置を決定する。
- 調理師長が、食事形態について看護部門長と調整を行う。
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この過去問の解説 (3件)
01
組織には、仕事を円滑に行うための仕組みづくりが必要です。
組織の形態は基本的にライン組織、ファンクショナル組織、ラインアンドスタッフ組織に分類されます。
ライン組織とは、小規模な組織に適していて、命令系統が直線的な、単純な組織です。
ファンクショナル組織とは、中規模な組織に適していて、活動領域別の職能に区分した組織です。共通あるいは類似の活動をまとめているため、統制がしやすいです。
ラインアンドスタッフ組織とは、大規模な組織に適していて、規模拡大し業務内容が複雑化して、ライン部門への助言や支援を行うスタッフ部門が必要となって形成された組織のことです。
この問題の図はファンクショナル組織に当てはまります。
組織が「栄養部門」と「給食部門」に分かれているため、それぞれの役割を考える必要があります。
給食課長が、全ての調理従事者に調理作業を指示します。
調理に関わることは給食部門で行うことが適しています。
給食課長が、トレイメイクの最終確認を行います。
正しいです。
給食提供、調理関連のことは給食課長が行うことが適しています。
栄養部門長が、栄養課の業務配置を決定します。
栄養課全体のことなので、上層部で行うことが適しています。
栄養課長あるいは栄養課主任が、食事形態について看護部門長と調整を行います。
対象者の給食の内容を決めることは栄養部門で行うことが適しています。
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02
組織の形態とその特色について理解が求められる問題です。
(1)ライン組織:直系組織とも呼ばれ、上から下まで単一の命令で結ばれています。上が発した命令を下が受けるというシンプルな構造です。
(2)ラインアンドスタッフ組織:ライン組織にライン組織のサポートの専門家、スタッフが加わる組織形態です。ラインとスタッフの連携が鍵となり、ラインがメイン業務に集中しやすい一方、ライン・スタッフ間に軋轢が生まれると業務がスムーズに行われなくなる可能性があります。
(3)ファンクショナル組織:それぞれの事業部門に責任者を設け、専門分野ごとにチームを運営する組織形態です。管理者が複数いるためそれぞれの専門知識やアドバイスを受けることにより効率的な業務が期待できます。その一方、複数の責任者から異なる命令をうけた場合、現場が混乱するリスクも存在します。
設問はファンクショナル組織に該当するため、それぞれの責任者の役割について考えていきましょう。
誤りです。調理従事者は給食部門に属するため、栄養課長が指示することはありません。
誤りです。トレイメイクの最終確認は給食部門の責任者が行うことが望ましいです。
正しいです。調理師への講習会は直属である給食課長のもと行われるべきです。
誤りです。栄養課に関わることであるため、栄養課長が行う業務です。
誤りです。食事形態の調整は栄養課が行うべき業務であり、栄養課長・栄養課主任が看護部門長と調整を行います。
組織形態について、図解して視覚的に考えると理解しやすいです。
各部門の業務内容については、その部門が何を専門的に行なっているのか、考える必要があります。
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03
この設問は、組織の種類と特性に関する問題です。
各組織、その特徴を抑えた上で、それぞれの選択肢を確認していきましょう。
ライン組織:
部門の長の下に従事する者が並列に配属される組織です。
権限が明瞭で規律などを保ちやすい一方、専門家を活用しにくいです。
ラインアンドスタッフ組織:
組織が部門の長、事務専任スタッフ層、製造ラインに分かれる組織です。
命令統一がしやすく、専門家も活用しやすい一方で、スタッフとライン層の意思疎通が困難になり得ます。
ファンクショナル組織:
部門の長のもとで、専門性毎に複数部門に分かれ、部門ごとに長と従事者で構成される組織です。
専門技術を活用しやすい一方で、命令系統や責任所在が複雑化します。
この設問の組織はファンクショナル組織に分類されます。
事業部制組織:
組織をいくつかの自立した経営機能を持つ部門に分割する形態の組織です。
迅速で柔軟な対応が可能になる一方、命令系統は複雑になります。
マトリックス組織:
一人が組織内の2つの内部組織に所属している状態の組織です。
複数の目的を達成できる一方で、組織内で部門や機能が重複します。
不適です。
調理従事者は給食課長のもと調理作業を行う部門に所属しています。
そのため、栄養課長から調理作業指示は受けません。
不適です。
トレイメイクの最終確認は、給食専門の責任者が行うことが望ましく、栄養課主任の業務ではありません。
正しいです。
調理師の講習は直属の給食課長が行うべき業務です。
不適です。
栄養価の業務配置は栄養課の主任・課長が行うべき業務です。
不適です。
食事形態の調整は栄養課の業務であり、調理師長の業務ではありません。
組織の種類は複雑な概念ですが、組織を図解すると理解しやすくなります。
図解して確認しておきましょう。
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