管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問78

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

Kクリニックに勤務する管理栄養士である。
患者は、42歳、女性。2型糖尿病と診断された。
身長155cm、体重62kg、BMI 25.8kg/m2。標準体重53kg。血圧136/82mmHg。空腹時の血液検査値は、HbA1c 7.0%、血糖130mg/dL、AST 30U/L、ALT 40U/L、LDLコレステロール144mg/dL、トリグリセリド280mg/dL。
医師から、1日の指示エネルギー量を1,800kcal、炭水化物エネルギー比率を50%Eとして栄養食事指導を行うよう指示があった。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

<前問>を踏まえ、栄養食事指導を行い、その1か月後に2回目の栄養食事指導を行った。2回目の指導時に、患者が持参した1日分の食事記録から、糖尿病食事療法のための食品交換表に基づき単位の計算を行った(表2)。1日の合計単位数は20.2単位であった。
優先的に改善を指導する項目である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • 「表1」
  • 「表3」
  • 「表6」
  • 「調味料」

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この過去問の解説 (3件)

01

糖尿病食品交換表の仕組みとその利用の仕方が問われる問題です。

食品交換表の使い方をしっかり理解し、医師からの食事指導の指示と照らし合わせて栄養指導の内容を検討しましょう。

糖尿病食品交換表では80kcalを1単位として、食品群ごとに単位数を配分して献立を作成します。

このようにすることで指示されたエネルギー量の範囲内で適正な食品群のバランスがとれた献立を考案できるような仕組みになています。

設問の女性は

1日の指示エネルギー量1800kcal(22.25単位)、炭水化物エネルギー量が50%E

を基準に献立を考えていくものと指示されています。

これらを理解して選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 「表1」

改善すべき項目です。

表1は穀物、いも類、豆類など炭水化物を多く含む項目です。

指示エネルギー1800kcal、炭水化物50%Eの指示では表1は10単位程(約800kcal)摂取する必要があります。

設問の女性は6単位しか摂取しておらず、摂取量が不足していることが分かります。

この献立だと食品のバランスが崩れてしまいます。

選択肢2. 「表3」

改善の必要はありません。

表3は魚介や大豆、卵、肉などたんぱく質を多く含む項目です。

栄養指導指示からは、表3は約7単位程の摂取が望ましいです。

女性は8単位摂取していますが、1日の食事記録であり許容範囲内であると考えられます。

選択肢3. 「表6」

改善の必要はありません。

表6は野菜や海藻、きのこ、こんにゃくなど食物繊維を多く含む項目です。

表6は1日約1.2単位程が望ましいとされています。

女性は0.9単位であり、改善の必要はありません。

選択肢4. 「調味料」

改善の必要はありません。

調味料は1日およそ0.8単位と定められています。

女性は1.0単位ですぐに改善の必要はありません。

まとめ

この問題では最も適切なものを選択する必要があります。

1日分の食事記録ではメニューによって少し数値が変動する可能性もあります。

これらの点を加味して、優先的に改善すべき項目を検討しましょう。

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02

この問題の患者は1日の指示エネルギー量を1,800kcal、炭水化物エネルギー比率を50%Eとする必要があります。

糖尿病食品交換表では1単位80kcalです。

これをふまえて問題を解いていく必要があります。

選択肢1. 「表1」

優先的に改善を指導する必要があります

表1が6単位となっていますが、この患者は10単位ほど摂取しなくてはなりません。

少なすぎるため必要エネルギーを摂取しようとすると他の栄養素に偏ってしまう可能性があります。

選択肢2. 「表3」

適正です。

7単位が目安になるので少し多いですが、優先されるものは他にあります。

選択肢3. 「表6」

適正です。

選択肢4. 「調味料」

適正です。

参考になった数4

03

医師から、1日の指示エネルギー量を1,800kcal、炭水化物エネルギー比率を50%Eとして栄養食事指導を行うよう指示があったことを踏まえて適切な選択肢を選びましょう。
糖尿病の食品交換表では80kcal1単位としています。

選択肢1. 「表1」

優先的に改善を指導する項目といえます。

 

医師の指示内容から、表1の炭水化物は10単位必要ですが6単位しか摂取していません。

選択肢2. 「表3」

優先的な改善指導は必要とはいえません。

 

表3は、魚介・肉糖たんぱく質です。

適切な摂取量といえます。

選択肢3. 「表6」

優先的な改善指導は必要とはいえません。

 

表6は、野菜等食物繊維です。

適切な摂取量といえます。

選択肢4. 「調味料」

優先的な改善指導は必要とはいえません。

 

 

まとめ

食品交換表

1日のエネルギー量を適正にして、バランスよく栄養素を配分するために『糖尿病食事療法のための食品交換表』が用いられます。

食品交換表では、食品を主に含まれている栄養素により6つの表に分類しています。

80kcalを1単位として、それぞれの食品の1単位分の重さを示しています。

医師の指示のもと患者自身が食品を選択することで理想的な栄養バランスの食事をとることができます。

 

表1:穀物、芋等

表2:果物

表3:魚介、肉、大豆、卵、チーズ

表4:チーズを除く乳製品

表5:油脂、多脂性食品

表6:野菜、海藻、きのこ、こんにゃく

調味料

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