管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問80

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問80 (訂正依頼・報告はこちら)

K病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、58歳、男性。COPDで、3年前より吸入薬を使用していた。風邪がきっかけで呼吸困難となり救急搬送された。入院後、気管支拡張薬、ステロイド薬が投与され、酸素療法を行っている。
入院時、身長170cm、体重50kg、BMI 17.3kg/m2。血圧132/90mmHg、心拍数135回/分、血清アルブミン値3.8g/dL、安静時エネルギー消費量1,440kcal/日。

この患者の1日当たりの必要エネルギー量(kcal)を算出した。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 1200
  • 1440
  • 1800
  • 2200
  • 2600

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この過去問の解説 (3件)

01

COPDとは、有毒粒子やカスの吸引などを原因として、進行性の気流制限を起こす疾患です。

肺胞が縮まず換気障害を起こす肺気腫の状態と、慢性気管支炎の状態をまとめてCOPDと呼びます。

COPDでは呼吸に要するエネルギー量が増大し、肺が膨張することで食欲不振を引き起こすなどの理由から、栄養障害や体重の減少が見られます。

COPDにおけるエネルギー摂取量は安静時エネルギー消費量の1.5~1.7倍にするのが望ましいと考えられています。

選択肢4. 2200

正しいです。

設問患者の安静時エネルギー消費量は1440kcalで、エネルギー摂取量はその1.5〜1.7倍が望ましいことから、

 1440 × 1.5 = 2160(kcal)

 1440 × 1.7 = 2448(kcal)

となり、エネルギー摂取量として2160〜2448(kcal)が適しています。

まとめ

疾患の病態と、栄養管理を合わせて理解しておきましょう。

参考になった数12

02

COPDとは有害な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく、進行性の気流制限を呈する疾患です。

労作性呼吸困難を生じます。

安静時のエネルギー消費量が増え、代謝亢進が認められます。

エネルギー量は安静時の1.5〜1.7倍を目安とし、体温1℃上昇に対し15%程度のエネルギーを増加します。

選択肢4. 2200

こちらが正解です。

冒頭解説より、

 安静時エネルギー消費量(1,440kcal/日)× 1.5~1.7 = 2160~2448 kcal/日

となります。

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03

COPDとは、慢性閉塞性肺疾患のことです。

慢性閉塞性疾患は生活習慣病の1つで、タバコの煙などの有害物質を習慣的に吸い込むことにより、肺に持続的な炎症が生じる病気です。

慢性閉塞性疾患の炎症によって破壊されてしまった肺は、元には戻らず、治療によって病気の進行を抑えることが大切です。

 

選択肢1. 1200

不適です。

 

安静時エネルギー消費量の1.5〜1.7倍にします。

選択肢2. 1440

不適です。

 

安静時エネルギー消費量と同じではなく、1.5倍〜1.7倍にします。

選択肢3. 1800

不適です。

 

安静時エネルギー消費量の1.5〜1.7倍とするので1800では少ないです。

選択肢4. 2200

適切です。

 

安静時消費エネルギー消費量1440(kcal/日)×1.5〜1.7

      =必要エネルギー量2160〜2448(kcal/日)

 

選択肢5. 2600

不適です。

 

安静時エネルギー消費量の1.5〜1.7倍とするので2600では多いです。

まとめ

COPDの食事療法では、高エネルギー食が基本となります。

実測安静時エネルギー消費量の1.5倍

予測安静時エネルギー消費量の1.7倍

を必要エネルギー量としています。

参考になった数0