管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問88

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問88 (訂正依頼・報告はこちら)

K保育園に勤務する管理栄養士である。園内で食事を作り提供している。3~5歳児の昼食で、野菜の残菜が目立った。そこで、園として食育を実施することにした。

野菜を残さず食べることを目的とした、3~5歳児向けの食育の内容である。最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 3色食品群の紙芝居を用いて、栄養を学ぶ。
  • 実物の野菜を使って、1日に必要な野菜量を学ぶ。
  • 食品カードを用いて、旬の野菜を知る。
  • 園内の敷地で野菜を育てて、感謝の気持ちを育む。

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この過去問の解説 (3件)

01

保育所保育指針において、保育所における食育は、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標としています。

本問では野菜を残さず食べることを目的とした3〜5歳児向けの食育を考えていきましょう。

選択肢1. 3色食品群の紙芝居を用いて、栄養を学ぶ。

不適です。

栄養を学ぶことは幼児期には困難です。

また、野菜を残さず食べるという目標に繋がっていません。

選択肢2. 実物の野菜を使って、1日に必要な野菜量を学ぶ。

不適です。

実物の野菜を使用することは関心を持ってもらうきっかけになりますが、野菜量を学ぶことは難しいと言えます。

さらに、野菜を残さず食べるという目標に繋がっていません。

選択肢3. 食品カードを用いて、旬の野菜を知る。

不適です。

本問での目的は野菜を残さず食べることであり、旬の野菜を食べることは目標に繋がっていません。

選択肢4. 園内の敷地で野菜を育てて、感謝の気持ちを育む。

適切です。

保育所保育指針には、子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものと記載されています。

野菜を育てることで野菜に関わる体験を積み、楽しさを感じてもらうことで野菜を残さず食べるという目標の達成につなげることができます。

まとめ

管理栄養士資格の分野外ではありますが、保育所保育指針の内容も押さえておきましょう。

参考になった数8

02

保育所における食育は、健康な生活を基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標としています。 

この問題では野菜を残さず食べることを目的としています。

選択肢1. 3色食品群の紙芝居を用いて、栄養を学ぶ。

栄養を学ぶことは、学童期に適しています。

野菜を残さず食べることにはつながりません。

選択肢2. 実物の野菜を使って、1日に必要な野菜量を学ぶ。

1日に必要な野菜量を学ぶことは、学童期に適しています。

野菜を残さず食べることにつながりません。

選択肢3. 食品カードを用いて、旬の野菜を知る。

旬の野菜を知ることは、野菜を残さず食べることにつながりません。

選択肢4. 園内の敷地で野菜を育てて、感謝の気持ちを育む。

適切です。

幼児期は栽培、収穫、調理を通して食べ物に触れ始める時期です。

保育所保育指針では、「子ども自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員とのかかわりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること」としています。

参考になった数1

03

保育園での食育の計画は「保育所保育指針」に示された保育所における全体的な計画である「保育計画」と、「保育計画」に基づいて保育を展開するために具体的な計画として立案される「指導計画」の中にしっかり位置付く形で作成される必要があります。

選択肢1. 3色食品群の紙芝居を用いて、栄養を学ぶ。

不適です。

 

3〜5歳児にとって3食食品群の紙芝居では野菜を残さず食べることにはつながりません。

選択肢2. 実物の野菜を使って、1日に必要な野菜量を学ぶ。

不適です。

 

3〜5歳児にとって実物の野菜から必要な野菜量を学ぶことは難しく、野菜を残さず食べることにはつながりません。

選択肢3. 食品カードを用いて、旬の野菜を知る。

不適です。

 

旬の野菜を知ることは、野菜を残さず食べることにはつながりません。

選択肢4. 園内の敷地で野菜を育てて、感謝の気持ちを育む。

適切です。

 

実際に野菜を育てることは、

・自然の恵みと働くことの大切さを知り、感謝の気持ちを持って食事を味わうこと。

・身近な自然に関わり、世話をする中で親しみを持ち、すべての命を大切にする心を持つこと。

が養われ、野菜を残さず食べることにつながります。

まとめ

保育所は1日の生活時間の大半を過ごすところであり、保育所における食事の意味は大きくなります。

子供が身近な大人からの援助を受けながら、他の子どもとの関わりを通して、豊かな食の体験を積み重ね、楽しく食べる体験を通して、食への関心を育み、食を営む力の基礎を培う「食育」を実践していくことが重要となります。

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