管理栄養士の過去問
第37回
午後の部 問92

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問題

第37回 管理栄養士国家試験 午後の部 問92 (訂正依頼・報告はこちら)

K社健康保険組合の管理栄養士である。社内の健康診断後、メタボリックシンドロームの予防を目的としたグループカウンセリングを呼びかけたところ、5人の男性社員が集まった。5人とも、通院、服薬なし。

自己紹介の後、グループカウンセリングの参加のきっかけを聞いた。表は5人の発言の一部である。この発言から行動変容の準備性を把握した。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
問題文の画像
  • 行動変容ステージは、5人とも同じである。
  • 無関心期(前熟考期)は、4人である。
  • 準備期は、3人である。
  • 実行期は、2人である。
  • 維持期は、1人である。

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この過去問の解説 (3件)

01

人間の行動が変化するにはその過程に段階があるとされています。

その段階分けを示したのが「行動変容段階モデル」です。

これをもとにすることで対象者へのアプローチが検討しやすくなるため、幅広く健康指導で用いられています。

行動変容段階モデル

①無関心期:6か月以内に行動を起こす意思がない時期

②関心期:6か月以内に行動変容を考えているが、まだ実行していない時期

③準備期:1か月以内に行動を起こす意思がある、もしくは対象者なりに行っている時期

④実行期:望ましい行動を起こして6か月未満の時期

⑤維持期:6か月以上行動を維持している時期

選択肢1. 行動変容ステージは、5人とも同じである。

不適です。

コメントを確認しただけでも、やせるつもりのない人、頑張りたい人、やせた経験がある人とステージはさまざまであることが分かります。

選択肢2. 無関心期(前熟考期)は、4人である。

不適です。

無関心期に当てはまるのはAさんとBさんであると考えられます。

無関心期行動を起こす意思がない状態を指します。

AさんBさんは行動変容の必要性を感じておらず、6か月以内に行動変容を起こす意思がないため無関心期に当てはまります。

選択肢3. 準備期は、3人である。

不適です。

準備期に当てはまるのはDさんとEさんであると考えられます。

準備期1か月以内に行動を起こす意思がある、または対象者なりに行っている時期を指します。

Dさんは行動を起こしていないものの、行動の必要性は認識したうえでカウンセリングに参加しています。そのため行動変容のきっかけは作り出しています。

Eさんは行動を起こすつもりがあり、自信がないのみです。きっかけがあれば行動を起こすことができると考えられます。

選択肢4. 実行期は、2人である。

不適です。

実行期に当てはまる対象者はいません。

実行期は、望ましい行動を起こして6か月未満の時期を指します。

実行期では、行動を起こし始め、その行動を維持することが課題となります。

選択肢5. 維持期は、1人である。

正しいです。

Cさんが維持期に該当します。

維持期6か月以上行動が維持している時期です。

Cさんは昨年もカウンセリングに参加し、3kgの体重減少を成功させており、これからも維持する気持ちがあります。

まとめ

行動変容段階モデルのそれぞれの段階を理解しておきましょう。

参考になった数3

02

行動変容のステージは「無関心期(前熟考期)」「関心期(熟考期)」「準備期」「実行期」「維持期」の5つに分かれています。

ぞれぞれのステージの特徴を理解することが重要です。

選択肢1. 行動変容ステージは、5人とも同じである。

誤りです。

参加のきっかけを見ると、行動を起こす意思がある人、ない人さまざまであることが分かります。

選択肢2. 無関心期(前熟考期)は、4人である。

無関心期(前熟考期)とは、6か月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がない時期のことを言います。

無関心期に当てはまるのはAさん、Bさんです。

選択肢3. 準備期は、3人である。

準備期とは、1か月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がある時期のことです。

具体的な実施可能な目標設定をして、行動変容する決断をし、グループの学習や個別相談を活用して実行できるように働きかけます。

準備期には、Dさん、Eさんが当てはまります。

選択肢4. 実行期は、2人である。

実行期とは、明確な行動変容が観察されるが、その持続がまだ6か月未満である時期のことです。

現在の習慣を続け、元の生活に戻ってしまう危険に備える必要があります。

実行期に当てはまる人はいません。

選択肢5. 維持期は、1人である。

正しいです。

維持期とは、明確な行動変容が観察され、その期間が6か月以上続いている時期のことです。

維持期には、Cさんが当てはまります。

去年も参加し3㎏痩せています。

参考になった数1

03

栄養教育を行う際には、まず対象者がどのステージにあるのかを見極め、次のステージにすすむための適切な介入を行います。

健康への考え方や関心度を質問することにより、行動変容の準備性を確認することができます。

選択肢1. 行動変容ステージは、5人とも同じである。

不適です。

 

参加のきっかけが、言われたから来た人、自分の意思で来た人がいるので同じではありません。

選択肢2. 無関心期(前熟考期)は、4人である。

不適です。

 

無関心期はAさん、Bさんの2人です。

 

無関心期とは6ヶ月以内に行動変容する意思がない時期です。

選択肢3. 準備期は、3人である。

不適です。

 

準備期はDさん、Eさんの2人です。

 

準備期とは、1ヶ月以内に始める意思がある・または対象者なりにおこなっている時期です。

選択肢4. 実行期は、2人である。

不適です。

 

実行期は0人です。

 

実行期とは、望ましい行動を起こして6ヶ月未満の時期です。

選択肢5. 維持期は、1人である。

適切です。

 

維持期は、Cさん1人です。

 

維持期とは、6ヶ月以上行動を維持している時期です。

Cさんは昨年も参加していて、3kg痩せ、維持しています。

まとめ

行動変容のステージ

 

step1 無関心期(前熟考期)

  6ヶ月以内に行動変容する意思がない時期

 

step2 関心期(熟考期)

  6ヶ月以内の行動変容を考えているが、まだ実行していない時期

 

step3 準備期

  1ヶ月以内に始める意思がある、または対象者なりに行なっている時期

 

step4 実行期

  望ましい行動を起こして6ヶ月未満の時期

 

step5 維持期

  6ヶ月以上行動を維持している時期

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