問題
この設問は、<前問>の続きの設問となります。
参加者全員の行動変容と、その継続を促すグループカウンセリングの進め方である。優先される進め方として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
行動変容段階モデルの段階には、次の段階に進むためのそれぞれに合わせた必要なアプローチがあります。
①無関心期:
健康の知識や情報を増やす(=意識の高揚)
行動しないことの脅威・危険性を感じる(=感情的経験)
行動変容が周りに与える環境を考える(=環境の再評価)
②関心期:
行動変容が自身にどのような影響があるのかを評価する(=自己の再評価)
③準備期:
行動することを宣言・決意し、自分の能力を信じる(=自己の解放)
④実行期:
問題となる行動の代わりになる健康的な考え方や行動を取り入れる(=行動置換)
健康行動への社会的支援を利用する(=援助関係)
行動に対して褒美をもらう(=強化マネジメント)
問題行動のきっかけを排除し、健康行動のきっかけを増やす(=刺激統制)
本問では、無関心期が2名(Aさん、Bさん)、準備期が2名(Dさん、Eさん)、維持期が1名(Cさん)です。
これらのことを考慮して選択肢を検討しましょう。
不適です。
無関心期であるAさんとBさんが行動変容するためには、
①健康の情報を増やす
②今の状態の脅威を感じてもらう
③行動変容が周りに与える影響を考える
この3点を実施する必要があります。
今の体型でいい理由を話しても、AさんとBさんが現状の脅威を感じることができず行動変容のきっかけになりません。
また準備期、維持期にあるC、D、Eさんの行動変容のきっかけや維持のきっかけにもなりません。
適切です。
Cさんの工夫や成功経験を聞くことで、無関心期にあるAさん、Bさんには情報を増やし、現状の脅威を感じ、周りの影響を考えることができます。
準備期にあるDさん、Eさんには行動変容ができる能力を信じることに繋がります。
成功経験を聞くことは全員の自己効力感を高めることに繋がるので適切だと考えられます。
不適です。
準備期であるDさんに禁煙の意思を話してもらうことは、Dさんの行動変容段階には適しています。
しかし、対象者の中で喫煙歴があるのはDさんのみなので、全員の行動変容のアプローチにはつながりません。
不適です。
結婚で行動が変化したのはEさんのみです。
また、他の対象者の結婚状態などは資料はからは把握できません。
そのため参加者全員の行動変容にはつながらないと考えられます。
それぞれの段階に必要なアプローチを検討しましょう。
それぞれに必要なアプローチや全体に影響を及ぼすアプローチを考えていきましょう。
グループカウンセリングでは、集団のもつ相互作用などの特性や機能を活用して、個人の問題を解決します。
他のクライアントと互いに観察し合いながら、悩みを分かち合い、情報交換し自己理解を深め、行動変容に対する自己効力感を高めます。
ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上、さらに血圧・血糖・血清脂質のうち2つ以上が基準値を超えているとメタボリックシンドロームと診断されます。
メタボリックシンドロームを予防するには、正しい食事と適度な運動を習慣づけることが必要です。
不適切です。
前問より、行動変容ステージは、Cさんは維持期、DさんとEさんは準備期にあたります。
無関心期のAさん、Bさんの今の体型で良いと考えている理由を聞くことは、Cさん、Dさん、Eさんの行動変容と継続を促すために優先される進め方ではありません。
適切です。
成功体験聞くことで、自己効力感を高めるきっかけとなります。
不適切です。
前問より、喫煙歴があるのはDさんだけです。
参加者全員の行動変容と、継続を促すために優先される進め方ではありません。
不適切です。
全員が結婚で生活習慣が変わったというわけではないため、全員で共感しにくく、参加者全員の行動変容と、継続を促すために優先される進め方ではありません。