2級管工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)後期
1 問1

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問題

2級 管工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年)後期 1 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

空気環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 一酸化炭素は、炭素を含む物質の燃焼中に酸素が不足すると発生する気体である。
  • 二酸化炭素は、直接人体に有害とはならない気体で、空気より軽い。
  • 浮遊粉じん量は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。
  • ホルムアルデヒドは、内装仕上げ材や家具等から放散され刺激臭を有する。

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この過去問の解説 (1件)

01

空気中には様々な物質(酸素や窒素などの気体、粉塵、水蒸気など)が存在しています。気体の多くは非常に小さな物質で目には見えませんが、それゆえに業務中での確認忘れや誤った作業内容で発生した物質が、知らないうちに環境破壊や人体への悪影響を及ぼしてしまうことがありますので注意が必要です

選択肢1. 一酸化炭素は、炭素を含む物質の燃焼中に酸素が不足すると発生する気体である。

一酸化炭素は、化学式をCOと表記された無色無臭の気体です。換気をしない部屋などで燃焼すると、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生します。(二酸化炭素CO2は完全燃焼の際に発生します。)

一酸化炭素は炭素に対して酸素が一つだけ結合していて、物質的に不安定な状態です。もしごく少量でも一酸化炭素を吸い込んでしまうと、血中の酸素を運ぶヘモグロビンと強く結合し、細胞や肺のなかで酸素と二酸化炭素の受け渡しができず、酸欠状態になり、最悪は死に至る危険な物質です。発生させないように燃焼時には必ず換気をしっかり行い、十分な酸素濃度を維持させましょう

選択肢2. 二酸化炭素は、直接人体に有害とはならない気体で、空気より軽い。

適当ではありません。

二酸化炭素CO2は人体の呼吸時に、血中のヘモグロビンにより酸素と交換される気体です。無色無臭で、空気よりも重い気体です。

参考までに記載いたしますが、大気中の約8割は窒素N2です。窒素の分子量は28に対し、二酸化炭素は44あります。また、大気の約2割を占めている酸素の分子量は32です。

選択肢3. 浮遊粉じん量は、室内空気の汚染度を示す指標の一つである。

空中を浮遊する粉塵(ふんじん)は、人為的に発生させるものとして、石油などの化石燃料が気化したもの、黒煙、たばこの燃焼時に出る煙、自然由来として微細な土砂の粉末、ハウスダストなどが挙げられます。非常に小さな物質ですので、車や人間が歩くだけで舞い上がり、地上に落下することなくしばらくの間は空気中を漂います。

これらを大量に吸い込むことで、呼吸困難を引き起こしたり、人体に重大な影響を及ぼしますので、事前にマスクなどの保護具を着用するなど対策をしておきましょう。

選択肢4. ホルムアルデヒドは、内装仕上げ材や家具等から放散され刺激臭を有する。

ホルムアルデヒドは家具や合板などの塗料、接着剤、腐食(ふしょく)剤に含まれる揮発性のある物質です。(消毒用や保存用にはホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンがありますが、聞いたことのある方はイメージできるかと思います。)

非常に引火性の高い気体でもあり、ごくわずかでも吸い込んだり触れたりすると、呼吸困難や喘息、神経系にも悪影響を及ぼす危険な物質です。また、ホルムアルデヒドは施工後5年から10年たっても揮発(きはつ)し続ける性質がある為、建築基準法では規制対象となっています

まとめ

人間の活動に化石燃料は欠かせないものではありますが、燃焼による温室効果ガスや発生する粉塵、化学物質の揮発により環境破壊や人体への影響を及ぼします。また、建築材に使用される塗料にも有害な化学物質が使用されていることが分かったと思います。

未来のためにも、建設業では省エネルギーや再生可能エネルギーの積極的な利用、環境や健康被害の無い施工方法の追及や施工を行い、よりよい環境保全に尽力し続けることが重要課題となるでしょう。

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