貸金業務取扱主任者の過去問
令和3年度(2021年)
法及び関係法令に関すること 問9

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和3年度(2021年) 法及び関係法令に関すること 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

株式会社である貸金業者Aが個人顧客Bとの間で極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)を締結している場合において、Aが貸金業法第13条の3に基づいて行う本件基本契約が基準額超過極度方式基本契約に該当するかどうかの調査(以下、本問において「本件調査」という。)に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。なお、Aは、Bとの間で本件基本契約以外の極度方式基本契約を締結していないものとする。
  • Aは、本件基本契約の契約期間を本件基本契約の締結日から同日以後1か月以内の一定の期日までの期間及び当該一定の期日の翌日以後1か月ごとの期間に区分したそれぞれの期間(以下、本問において「所定の期間」という。)において、直近の所定の期間内にAが行った本件基本契約に基づく極度方式貸付けの金額の合計額が5万円であっても、当該所定の期間の末日における本件基本契約に基づく極度方式貸付けの残高の合計額が10万円を超える場合、本件調査を行わなければならない。
  • Aは、本件調査を行わなければならない場合において、Bに係る極度方式個人顧客合算額が70万円であるときは、当該調査を行うに際し、既にBから源泉徴収票その他のBの収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けているときを除き、その提出又は提供を受けなければならない。
  • Aは、3か月以内の一定の期間の末日において、貸金業法第13条の4に基づき、本件基本契約が基準額超過極度方式基本契約に該当しないようにするため必要な本件基本契約の極度額の減額に係る措置を講じていた場合、本件調査を行う必要はない。
  • Aは、本件基本契約に基づく新たな極度方式貸付けの停止に係る措置を講じている場合において、当該措置を解除しようとするときは、本件調査を行わなければならない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

関連する条文と照らし合わせ、正誤判定を行います。

選択肢1. Aは、本件基本契約の契約期間を本件基本契約の締結日から同日以後1か月以内の一定の期日までの期間及び当該一定の期日の翌日以後1か月ごとの期間に区分したそれぞれの期間(以下、本問において「所定の期間」という。)において、直近の所定の期間内にAが行った本件基本契約に基づく極度方式貸付けの金額の合計額が5万円であっても、当該所定の期間の末日における本件基本契約に基づく極度方式貸付けの残高の合計額が10万円を超える場合、本件調査を行わなければならない。

(×)

貸金業法施行規則10条の24第1項では、以下のように規定されています。

第十条の二十四 法第十三条の三第一項に規定する内閣府令で定める要件は、次に掲げる基準のいずれかを満たすこととする。

一 極度方式基本契約(第一条の二の三第三号若しくは第四号に掲げる金銭の貸付けに係る契約若しくは同条第五号に掲げる金銭の貸借の媒介に係る契約又は第十条の二十一第一項第五号から第七号までに掲げる貸付けに係る契約を除く。)の契約期間を当該極度方式基本契約を締結した日から同日以後一月以内の一定の期日までの期間及び当該一定の期日の翌日以後一月ごとの期間に区分したそれぞれの期間において、当該期間内に行つた当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの金額(当該極度方式基本契約の相手方である個人顧客と締結している当該極度方式基本契約以外の極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの金額を含む。)の合計額が五万円(当該極度方式基本契約が特定緊急貸付契約である場合にあつては、零とする。)を超え、かつ、当該期間の末日における当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの残高(当該極度方式基本契約の相手方である個人顧客と締結している当該極度方式基本契約以外の極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの残高を含む。)の合計額が十万円(当該極度方式基本契約が特定緊急貸付契約である場合にあつては、零とする。)を超えること。

つまり、以下の2つの条件を満たした場合、はじめて基準額超過極度方式基本契約に該当するかどうかの調査が必要になります。

・期間内の極度方式貸付け金額の合計額が5万円を超えている

・期間の末日における極度方式貸付けの残高が10万円を超えている

選択肢の場合、5万円は超えていないためあてはまりません。

選択肢2. Aは、本件調査を行わなければならない場合において、Bに係る極度方式個人顧客合算額が70万円であるときは、当該調査を行うに際し、既にBから源泉徴収票その他のBの収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けているときを除き、その提出又は提供を受けなければならない。

(×)

貸金業法第13条3項には、以下のように規定されています。

第十三条 貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない。

3 貸金業者は、前項の場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第一項の規定による調査を行うに際し、資金需要者である個人の顧客(以下この節において「個人顧客」という。)から源泉徴収票(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百二十六条第一項に規定する源泉徴収票をいう。以下この項及び第十三条の三第三項において同じ。)その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならない。ただし、貸金業者が既に当該個人顧客の源泉徴収票その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けている場合は、この限りでない。

一 次に掲げる金額を合算した額(次号イにおいて「当該貸金業者合算額」という。)が五十万円を超える場合

イ 当該貸付けの契約(貸付けに係る契約に限る。ロにおいて同じ。)に係る貸付けの金額(極度方式基本契約にあつては、極度額(当該貸金業者が当該個人顧客に対し当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示する場合にあつては、当該下回る額))

ロ 当該個人顧客と当該貸付けの契約以外の貸付けに係る契約を締結しているときは、その貸付けの残高(極度方式基本契約にあつては、極度額(当該貸金業者が当該個人顧客に対し当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合にあつては、当該下回る額))の合計額

二 次に掲げる金額を合算した額(次条第二項において「個人顧客合算額」という。)が百万円を超える場合(前号に掲げる場合を除く。)

イ 当該貸金業者合算額

ロ 指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明した当該個人顧客に対する当該貸金業者以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額

この条文に照らし合わせれると、極度方式個人顧客合算額が100万円をこえる場合、当該調査を行うに際し、当該個人顧客から源泉徴収票その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければならないことになります。

選択肢では70万円となっているため、あてはまりません。

選択肢3. Aは、3か月以内の一定の期間の末日において、貸金業法第13条の4に基づき、本件基本契約が基準額超過極度方式基本契約に該当しないようにするため必要な本件基本契約の極度額の減額に係る措置を講じていた場合、本件調査を行う必要はない。

(×)

減額に係る措置を講じた場合でも本件調査は必要になりますが、極度方式貸付けを停止した場合の調査は必要ありません(貸金業法施行規則10条の25第3項2号)。

選択肢4. Aは、本件基本契約に基づく新たな極度方式貸付けの停止に係る措置を講じている場合において、当該措置を解除しようとするときは、本件調査を行わなければならない。

(〇)

新たな極度方式貸付けの停止に係る措置を講じている場合において、当該措置を解除しようとするときは、本件調査を行わなければいけません(貸金業法施行規則10条の24第2項)。

本問においては、この選択肢が正解になります。

まとめ

極度方式貸付けとは、あらかじめ定められた条件に則った返済行った場合のみ、限度額の範囲内で借入できる契約を指します。

一般的にいうリボルビング方式のことです。

参考になった数27