貸金業務取扱主任者の過去問
令和3年度(2021年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問36
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問題
貸金業務取扱主任者資格試験 令和3年度(2021年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
行為能力に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
- 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
- 成年被後見人は、その成年後見人の同意を得た場合、借財又は保証をすることができる。
- 家庭裁判所の審判により、被補助人が特定の法律行為をするためにその補助人の同意を得なければならないものとすることができる行為は、民法第13条(保佐人の同意を要する行為等)第1項に規定する行為の一部に限られる。
- 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について、1か月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなされる。
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この過去問の解説 (1件)
01
行為能力とは、自分が行なった法律行為の効果を確定的に自分に帰属させる能力のことです。契約などの法律行為を行うには、意思能力を持たなくてはいけません。つまり、自分の意思にもとづいて意思決定ができることが条件になります。子どもや認知症のお年寄りなど、自分の意思に基づく意思決定が難しい人を制限行為能力者(制限能力者)という点も覚えておきましょう。
また、このような自分の意思に基づく意思決定が難しい人を保護するための制度として、成年後見制度があります。成年後見制度には、判断能力の程度に応じて「後見(こうけん)」「保佐(ほさ)」「補助(ほじょ)」の3類型が定められています。
どこに該当するかは、主治医の医学的な判断も参考にし、最終的には家庭裁判所が決める流れです。具体的な内容については、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
<①自分の行為の結果を理解できるだけ能力>
後見:常に理解できない状態
保佐:著しく不十分
補助:不十分
<②自己の財産を管理す・処分する行為>
後見:自分ではできない
保佐:常に援助が必要
補助:援助が必要な場合がある
<③重要な財産行為>
後見:自分ではできない
保佐:日常的な買い物はできるが、不動産の売買など重要な契約はできない
補助:できるかもしれないが、不安がある
これらの前提知識をもとに、それぞれの選択肢について確認します。
(〇)
一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する(民法6条1項)。
→選択肢と矛盾しないため、正しい。
(×)
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない(民法9条)。
→借財または保証は法律行為にあたる。選択肢と矛盾するため、誤り。
(〇)
家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る(民法17条1項)。
→選択肢と矛盾しないため、正しい。
(〇)
制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について、1 か月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす(民法20条2項)。
→選択肢と矛盾しないため、正しい。
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