貸金業務取扱主任者の過去問
令和3年度(2021年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問35

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和3年度(2021年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

強制執行手続に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 債権者が自己の貸金返還請求権につき執行証書を有する場合における強制執行は、執行証書の正本に基づいて実施され、執行証書に執行文が付されていることを要しない。
  • 不動産(登記することができない土地の定着物を除く。)に対する強制執行は、強制競売又は強制管理の方法により行われ、これらの方法は、併用することができない。
  • 動産に対する強制執行は、執行裁判所の差押命令により開始する。
  • 債務者が会社から受ける給料(毎月25日払い、月額28万円であるものとする。)に係る債権は、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえることができない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

強制執行手続は、相手方がお金を支払ってくれなかったりした場合、判決などの債務名義を得た人(債権者)の申立てに基づき、相手方(債務者)に対する請求権を、裁判所が強制的に実現する手続です。

消費者金融などの貸金業者の利用者が、延滞・滞納を繰り返し、督促を繰り返しても支払わない場合の最終手段と考えましょう。

いわば、国の命令で支払わせるための手続きと言えるので、手続きを進めるにあたっては、法令を遵守する必要があります。

この点を踏まえたうえで、それぞれの選択肢について検討しましょう。

選択肢1. 債権者が自己の貸金返還請求権につき執行証書を有する場合における強制執行は、執行証書の正本に基づいて実施され、執行証書に執行文が付されていることを要しない。

(×)

強制執行は、執行文の付された債務名義の正本に基づいて実施する(民事執行法25条1項)。

→選択肢には「執行文書に執行文が付されていることを要しない」とあるため矛盾する。よって誤り。

選択肢2. 不動産(登記することができない土地の定着物を除く。)に対する強制執行は、強制競売又は強制管理の方法により行われ、これらの方法は、併用することができない。

(×)

不動産(登記することができない土地の定着物を除く。)に対する強制執行は、強制競売又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる(民事執行法43条1項)。

→選択肢には「併用することができない」とあるため、誤り。

選択肢3. 動産に対する強制執行は、執行裁判所の差押命令により開始する。

(×)

動産(登記することができない土地の定着物、土地から分離する前の天然果実で一月以内に収穫することが確実であるもの及び裏書の禁止されている有価証券以外の有価証券を含む。)に対する強制執行は、執行官の目的物に対する差押えにより開始する(民事執行法122条)。

「執行裁判所の差し押さえ命令により開始する」わけではないので、誤り。

選択肢4. 債務者が会社から受ける給料(毎月25日払い、月額28万円であるものとする。)に係る債権は、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえることができない。

(〇)

次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない(民事執行法152条1項)。

 一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権

 二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権

 →選択肢と特段矛盾する点はないので、正しい。

参考になった数23