ケアマネの過去問
平成27年度(第18回)
福祉サービス分野 問47

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問題

ケアマネジャー試験 平成27年度(第18回) 福祉サービス分野 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

面接場面におけるコミュニケーションの技術について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
  • 相談援助者側に、共感的相互理解を求めようとする姿勢が必要である。
  • 話す内容とともに、音声、抑揚、話すときの表情や速さなども重要である。
  • イラストや手話、ビデオ、写真、文字盤など多様な表現方法を利用することは、クライエントを混乱させるので、避けるべきである。
  • クライエントの発信する力及び受信する力を見定めつつ適切な手段を選ぶことが必要である。
  • 部屋の雰囲気やいすの位置相談援助者の服装などの外的条件は、円滑なコミュニケーションのためには重要ではない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1、2、4 です。

3 グループワークでは様々な人、様々な状況が考えられます。一つの表現方法ではなく、それに合わせた多様な表現方法を利用することが重要です。

5 外的条件は、円滑なコミュニケーションを行ううえで重要になります。

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02

1:設問の通りです。

2:設問の通りです。

3:言葉だけでがコミュニケーションの方法ではありません。利用者にわかりやすい方法を選択することが重要です。

4:設問の通りです。

5:外的条件も重要です。

参考になった数8

03

正解は1・2・4です。

1 正解→下記参照。
2 正解→下記参照

コミュニケーションとは人が、意思・感情・思考を相互に伝達し合うことをいいます。つまり、利用者と介護支援専門員が双方向性の情報交換を行うことです。こうしたコミュニケーションの方法は、言語的なコミュニケーションと非言語的なコミュニケーションとに分かれます。言語的コミュニケーションは文字通り言葉を用いたコミュニケーションです。これに対して非言語的なコミュニケーションは、表情や態度、声の感じ、雰囲気など言語以外で行われるコミュニケーションです。言語的なコミュニケーションは論理的なものを伝えるのに適しており、非言語的なコミュニケーションは情緒的なものを伝えるのに適しているといわれています。
介護支援専門員は利用者との面接にあたり、こうした非言語的コミュニケーションに対して丁寧に観察し、そこにある意味を読み取るように心がけることが大切です。


3 不正解→利用者やその家族には耳が聞こえないもしくは聞こえにくい方がいるかもしれません。その時は手話やイラストがコミュニケーションを円滑にできるかもしれません。また難病のある方で日常のコミュニケーションが文字盤の方がいるかもしれません。その人それぞれのコミュニケーション方法に合わせることが介護支援専門員には必要です。


4 正解→下記参照

<利用者理解を深めるための留意事項>

相談面接技術は、介護支援専門員が考えたケアプランを利用者に納得させるための話術ではありません。利用者の直面している問題状況を、利用者の内面を含めて理解していくために不可欠な技術です。

① 利用者の気持ちを知ることが大切→バイスティックは「全ての問題には、たとえクライエントの要求が、明らかに物質的扶助やあるいは有形のサービスに対してである場合であっても、情緒的な要素がある」と述べています。利用者の感情にかかわっていくことは不可欠になります。

② 利用者の気持ちの揺れに留意する→介護支援サービスの利用者はさまざまな生活困難に直面し、その感情面に大きな揺れをかかえている人たちです。心の準備ができないまま要介護状態になってしまった人も多数います。心の準備ができないままに困難な状況に直面せざるを得なくなったとき、人はさまざまな反応の仕方で自分の心の均衡を保とうとします。これは人によって「怒り」であり、「悲しみ」であり、「あきらめ」「遠慮」「現実逃避」という反応かもしれません。こうした反応の仕方はその人の人となりや対処能力によって変わってきます。こうした気持ちの揺れを感じ取り、そこに寄り添っていくことも介護支援専門員の専門性の一つです。

③ 利用者が困難な現状をどれくらい受け入れているかを把握する→自分の力だけでは対処が困難な状況に対応していく人間の心理については、キューブラー・ロスの死の受容に至るプロセスが参考になります。ロスは死の受容に至るまでに、①否認、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容という5つのプロセスを経ると述べています。認知症高齢者の介護家族は要介護状況を受け止めていくプロセスを①ショック、②否認、③怒りと抑うつ、④適応、⑤再起という段階を経ると述べたのは、松本一生医師です。こうした利用者の心の動きを理解し、その状況に応じた対応を試みることが必要です。


5 不正解→面接技術がどういった空間の中で行われるかは、非常に大切です。例えば、相談機関の相談室で行われる面接は、どうしても硬い雰囲気になり、利用者にとっては緊張する面接になりやすいです。これに対して、利用者宅を訪問して行われる面接は、利用者が最もリラックスしやすい面接になる場合もあります。
また、面接場面で利用者とどのように向き合うかも工夫が必要です。例えば、利用者と正対する位置関係での面接は緊張感を高めやすいです。机の隣り合う面を使って、利用者と90度の角度で座ると、視線は必要な時に利用者に向けることができ、過剰な緊張感を感じさせないことが多いです。

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