ケアマネの過去問
平成29年度(第20回)
保健医療サービスの知識等 問30

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問題

ケアマネジャー試験 平成29年度(第20回) 保健医療サービスの知識等 問30 (訂正依頼・報告はこちら)

神経難病について適切なものはどれか。3つ選べ。
  • 筋萎縮性側索硬化症( ALS )では、眼球運動や肛門括約筋、知覚神経は末期まで保たれる。
  • 筋萎縮性側索硬化症( ALS )でみられる筋力低下や筋萎縮には、筋カトレーニングが効果的である。
  • パーキンソン病では、精神症状、自律神経症状は出現しない。
  • パーキンソン病の治療は、薬物療法が基本である。
  • 進行性核上性麻痺では、思考の遅延や無感情などの認知機能低下を早期から認めやすい。

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この過去問の解説 (5件)

01

正解は、1・4・5 です。

1:ALSは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される疾患です。手足の運動や会話、嚥下、呼吸に必要な筋肉が次第に痩せて、動かしにくくなります。末期まで眼球運動障害、膀胱直腸障害、感覚障害は起こりにくいとされています。

2:筋力トレーニングでは、ALSによる筋力低下や筋委縮は改善しません。残っている運動ニューロンに過度の負担になる危険性があり、避けた方がよいとされています。関節拘縮や筋肉・関節の痛みに対しては、適度の運動や関節を動かしてもらうリハビリは効果的です。

3:パーキンソン病の特徴的な症状は、振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛(筋固縮)、姿勢反射障害(転びやすい)といった運動症状です。加えて、便秘や頻尿、起立性低血圧などの自律神経の症状、抑うつや無関心、意欲低下などの精神症状などが現れることがあります。

4:パーキンソン病の原因は、脳内のドパミン神経細胞が減少することです。その少なくなったドパミンを補ったり、ドパミンの作用を強めたりする薬で治療を行うのが基本です。一般に複数の治療薬を組み合わせて使用します。

5:進行性核上性麻痺は、初期から転びやすいのが特徴です(易転倒性)。その他の初期症状には、動作緩慢、言葉が出にくい、思考の遅延や無感情などの認知機能障害があります。アルツハイマー型認知症とは異なり、見当識障害や物忘れは比較的軽度であるとされています。

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02

正解:1、4、5です。

1:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンが障害され、体が動かしにくくなっていく進行性の疾患です。比較的、眼球運動や肛門括約筋、知覚神経は末期まで保たれます。

2:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、筋力トレーニングにより筋力が回復するということはありません。反対に、筋力トレーニングをすることで、筋肉などに負担をかけてしまうことから、行わない方が良いとされています。しかし、関節拘縮を起こさないように関節可動域訓練等は行う必要があります。

3:パーキンソン病の4主徴は、安静時振戦・筋固縮・無動・姿勢歩行障害です。この他にも、起立性低血圧等の自律神経症状やうつ症状や意欲低下などの精神症状が出現することがあります。

4:設問の通りで、現在のパーキンソン病への治療は、薬物療法が基本です。

5:進行性核上性麻痺は、脳幹や小脳といったところに変性をきたします。そのため、パーキンソン病に似た症状が現れやすく、転びやすいという特徴があります。また、抑うつや認知機能低下などの症状も出現します。

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03

1、適切です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は脳の運動神経部分が障害され、筋力の低下が顕著にみられる病気です。しかし、眼球運動や肛門括約筋、知覚神経は末期まで保たれる事が多いと言われています。

2、不適切です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)では筋萎縮や筋力低下が見られますが、負荷をかけた筋力トレーニングを実施しても筋力をつける事はできません。関節拘縮を防ぐための関節可動域訓練は有効とされています。

3、不適切です。パーキンソン病は筋固縮や振戦等の運動障害が目立ちますが、精神障害や自立神経症状も見られる病気です。

4、適切です。パーキンソン病は、脳内の神経細胞であるドパミンの減少が原因で発症します。減少したドパミンを補うための薬剤を複数組み合わせ、症状の改善を図る薬物療法が用いられています。

5、適切です。進行性核上性麻痺は初期から軽度の認知症状を認める事が多いとされる病気です。最も顕著に見られる症状は転倒であり、注意力も散漫になるため大怪我に繋がりやすい症状です。

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04

正解は1、4、5です。
1 筋萎縮性側索硬化症( ALS )では、眼球運動や肛門括約筋、知覚神経は末期まで保たれます。
2 筋萎縮性側索硬化症で見られる筋力低下や筋萎縮は筋力トレーニングでは回復しません。
3 パーキンソン病が進行すると排尿障害などの自律神経症状や、うつや認知症の精神症状が見られます。
4 パーキンソン病の治療は、薬物療法が基本です。
5 進行性核上性麻痺では、思考の遅延や無感情などの認知機能低下を早期から認めやすいです。

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05

正解は1、4、5です。

1.筋萎縮性側索硬化症( ALS )は、筋肉を動かす運動神経が障害される病気で、手足や呼吸をするための筋肉が次第に痩せていき力がなくなっていく病気です。
眼球運動や肛門括約筋、知覚神経は末期まで保たれます。

2.筋肉や関節の痛みに対して筋力トレーニングやリハビリテーションは大切ですが、進行性の病気であるため筋力低下や筋萎縮の症状改善は難しいです。

3.パーキンソン病では、運動症状以外にも、うつ症状などの精神症状、便秘や頻尿などの自律神経の症状、不眠などの睡眠障害、認知機能障害などがみられます。

4.パーキンソン病では、脳のドパミン神経細胞が減少することにより運動がスムーズにできないなどの症状が現れます。治療は、ドパミンを補充するための薬物療法が基本となります。

5.進行性核上性麻痺では認知機能の低下が認められるとともに、転びやすい、眼の動きが悪い、しゃべりにくい、飲み込みが悪い、といった症状がみられます。

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