ケアマネの過去問
平成29年度(第20回)
保健医療サービスの知識等 問31
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問題
ケアマネジャー試験 平成29年度(第20回) 保健医療サービスの知識等 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。
- BPSD( 認知症の行動・心理症状 )は、一般に認知症が進行するほど重症化する。
- 血管性認知症では、適切な治療やリハビリテーションにより、認知機能が改善した例もある。
- レビー小体型認知症は、幻視が特徴的で、払いのけたり、逃げるような動作を伴う。
- アルツハイマー型認知症の治療薬は、易怒性などの興奮性のBPSD( 認知症の行動・心理症状 )を悪化させる可能性がある。
- 慢性硬膜下血腫による認知機能障害は、慢性化しているため、血腫を除去しても回復が期待できない。
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この過去問の解説 (5件)
01
1:× BPSDとは、たとえば不安・抑うつ、徘徊、暴言・暴力、妄想、幻覚、介護拒否、暴言・暴力、異食などです。認知症が重症化すると自発的な言動が少なくなっていきます。やがてADLは全介助、意思疎通も困難となり、BPSDもみられなくなります。
2:〇 血管性認知症は、脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患により脳細胞の一部分がダメージを受けることで発症します。脳血管疾患をくり返すと症状が悪化していきます。適切な治療やリハビリテーションにより、症状の悪化を防ぎ、改善することもできます。
3:〇 レビー小体型認知症では、実際にはいない虫や人などがはっきりと見える幻視が早期から現れます。その他の特徴的な症状として、パーキンソン症状、認知機能の変動(頭がしっかりしている時とそうでない時の差がある)、レム睡眠行動障害(睡眠中に暴れたり大声を出す)などがあります。
4:〇 抗認知症薬のドネペジル塩酸塩(商品名アリセプト)は、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンが分解されるのを阻害し、症状の進行を遅らせる薬です。アセチルコリンが増加して神経が刺激されることにより、興奮・イライラ感・落ち着きのなさのような易怒性が目立つことがあります。自然に軽快することもありますが、介護者の負担を大きくする可能性があります。
5:× 「治る認知症」の代表とも言えるのが慢性硬膜下血腫による認知機能障害です。脳と脳を覆っている膜の間にできた血腫により、脳が圧迫されることで起こります。血腫を取り除けば、認知機能は回復します。
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02
1:BPSDとは、行動・心理症状のことです。認知機能が障害されていることにより、その場にそぐわない行動をとってしまったり、なぜそのようなことになっているかわからないから、混乱して暴言を吐いてしまったりという行動につながっていると考えられています。認知症が重度になると、会話もできなくなり、運動機能も低下していき、BPSDもみられなくなってきます。
2:血管性認知症では、脳血管疾患により、認知症の症状が出現します。しかし、脳血管疾患に対する治療をすることにより、症状が改善したり、症状の悪化を抑えることが可能であるとされています。
3:レビー小体型の認知症の特徴は、リアルな幻視です。本人にとっては、本当に見えているため、その物を払いのけたり、その場から逃げるといった行動へつながります。
4:アルツハイマー型認知症の治療薬の多くは、覚醒レベルを上げ、認知機能を高めるものが多いです。そのため、かえって活動が活発になり、徘徊や暴力行為などのBPSDの症状が強まることがあります。
5:慢性硬膜下血腫による認知機能障害の場合は、血腫が脳を圧迫して起こっているため、原因である血腫を取り除いてやれば、症状が回復します。
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03
正解は2、3、4です。
1 BSPDは認知症が進行しても対応次第で軽減したり、消失したりします。
2 血管性認知症では、適切な治療やリハビリテーションにより、認知機能が改善した例もあります。
3 レビー小体型認知症は、幻視が特徴的で、払いのけたり、逃げるような動作を伴います。
4 アルツハイマー型認知症の治療薬は、易怒性などの興奮性のBPSD( 認知症の行動・心理症状 )を悪化させる可能性があります。
5 慢性硬膜下血腫による認知機能障害は血腫を除去すれば回復します。
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04
2、適切です。血管性認知症の主な原因は、脳梗塞等の脳血管疾患です。再発防止のための内服や、心身の機能低下を防ぐためのリハビリテーションを実施する事で、認知機能の改善に繋がる事があります。
3、適切です。レビー小体型認知症の症状には他にも、パーキンソン症状や睡眠障害等があります。
4、適切です。認知症症状の進行抑制のために処方される薬の中には、副作用として興奮が強くなったり易怒声が見られるものがあります。
5、不適切です。慢性硬膜下血腫によって出現した認知機能障害は、脳を圧迫している血腫を取り除く事で改善すると言われています。
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05
1.BPSDとは、認知症の記憶障害、失認、失語などの中核症状の結果現れる周辺症状のことを言います。
不安や抑うつ感、暴言・暴力など、認知症の軽度から中度の時期に見られることが多く、進行するほどその症状は見られなくなります。
2.血管性認知症は、脳血管疾患が原因により発症する認知症です。
適切な治療やリハビリテーションにより認知機能の改善がみられることもあります。
3.レビー小体型認知症の特徴として、「部屋に虫がいる」などと払いのけたり、「知らない人がいる」などと逃げるような動作を伴う幻視や、パーキンソン症状などがあります。
4.アルツハイマー型認知症の治療薬の服用によって、認知機能が改善し周囲環境への反応をするようになったものの、適切な反応ができずに易怒性や興奮というようなBPSDが見られる可能性があります。
5.慢性硬膜下血腫による認知機能障害は、手術による血腫の除去で改善する可能性が高く、「治る認知症」とも言われています。
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