ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和6年度(第27回)
問1 (介護支援分野 問1)

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問題

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験 令和6年度(第27回) 問1(介護支援分野 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

わが国の近年の介護を取り巻く状況の説明として適切なものはどれか。3つ選べ。
  • 介護を要する高齢者を同居している高齢者が介護する「老老介護」は、減少傾向にある。
  • 育児と介護を同時に担う「ダブルケア」が課題となっている。
  • 「ヤングケアラー」への支援が課題となっている。
  • 介護者が仕事と介護を両立できるよう、法律により介護休暇及び介護休業が制度化されている。
  • 特別養護老人ホームなどの老人ホームでの死亡者数は、減少傾向にある。

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この過去問の解説 (3件)

01

近年の介護を取り巻く状況から正誤を問う問題です。

選択肢1. 介護を要する高齢者を同居している高齢者が介護する「老老介護」は、減少傾向にある。

誤り

厚生労働省の「2022(令和4)年国民生活基礎調査」(2023年7月に調査結果公表)によると、介護を要する高齢者を同居の高齢者が介護している「老々介護」の割合は65.3%となっていることが明らかになっています。調査が始まって以来、初の6割超えとなっており、増加しています。

選択肢2. 育児と介護を同時に担う「ダブルケア」が課題となっている。

正しい

ダブルケアとは、子育てと親や親族の介護を同時に担う状態のことを言います。団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降、さらに深刻化すると予測されています。

選択肢3. 「ヤングケアラー」への支援が課題となっている。

正しい

ヤングケアラーとは、本来大人が担う家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子どもや若者を指します。

厚生労働省子ども家庭局(令和4年8月2日)「児童福祉法改正及びヤングケアラー支援について」によると

小学6年生: 6.5%(約15人に1人)

中学2年生: 5.7%(約17人に1人)

高校2年生: 4.1%(約24人に1人)

大学3年生: 6.2%(約16人に1人)

上記の割合で「世話をしている家族がいる」と回答しています。

 

選択肢4. 介護者が仕事と介護を両立できるよう、法律により介護休暇及び介護休業が制度化されている。

正しい

介護休暇は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」で規定されている、仕事と介護の両立をサポートするための制度です。介護休暇の取得対象の労働者は、雇用期間が半年以上で要介護状態の対象家族を介護する、日々雇用以外の全労働者です。正社員だけでなく、パートやアルバイト、派遣社員や契約社員も取得できます。

選択肢5. 特別養護老人ホームなどの老人ホームでの死亡者数は、減少傾向にある。

誤り

特別養護老人ホームなどの施設での死亡者数は増加傾向にあります。施設からの死亡退所の割合も7割を超えており、このことから施設での「看取り」が議論されています。

まとめ

介護をいうと高齢者のケアを想定しがちですが、「ヤングケアラー」問題も大きくは介護問題として理解します。介護者数など数字や割合は調査によって変わることもありますが、大体の傾向は把握しておくと説きやすいです。

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02

近年日本の人口は、

2004年をピークに減少傾向にありますが、

高齢者は増加する傾向にあります。

 

 

選択肢1. 介護を要する高齢者を同居している高齢者が介護する「老老介護」は、減少傾向にある。

「老老介護」は、

介護が必要な高齢者を同居している高齢者が

介護をすることです。

 

高齢者白書によると、

要介護者等と同居している者のうち、

60歳以上の主介護者の割合は、

次のとおりでした。

  

令和4(2022)年:

男性72.4%    女性73.8%

 

令和5(2023)年:

男性75.0%  女性76.5%

 

以上より、老老介護にあるものは、

減少傾向ではなく、

増加傾向にあると考えられます。

選択肢2. 育児と介護を同時に担う「ダブルケア」が課題となっている。

「ダブルケア」は、

晩婚化と出産年齢の高齢化により、

育児と介護を同時に抱えるもので、

2010年代に提唱されました。

 

わが国の近年の介護を

取り巻く状況の説明として

適切であるといえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢3. 「ヤングケアラー」への支援が課題となっている。

「ヤングケアラー」は、

本来大人が担うと考えられる

家事や家族の世話などを

日常的に行う子どもや若者のことです。

 

家族の世話などが子どもたちの

学校生活等に支障をきたしていることが

調査研究等で明らかになっています。

 

「ヤングケアラー」への支援が

課題となっているものといえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢4. 介護者が仕事と介護を両立できるよう、法律により介護休暇及び介護休業が制度化されている。

介護休暇及び介護休業は、

「育児休業、介護休業等育児又は

家族介護を行う労働者の

福祉に関する法律」に基づいて

定められています。

 

介護者が仕事と介護を両立できるよう、

法律により介護休暇及び

介護休業が制度化されており、

これは適切であると考えられます。

選択肢5. 特別養護老人ホームなどの老人ホームでの死亡者数は、減少傾向にある。

人口動態調査によると、

特別養護老人ホームなどの

老人ホームでの死亡者数は

下記のとおりでした。

 

1995年:14,256人

2023年:181,783人

 

老人ホームでの死亡者数は、

減少傾向ではなく、

増加傾向にあると考えられます。

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03

近年、日本では高齢化が進み、介護をめぐるさまざまな課題が浮上しています。

ダブルケア(育児と介護の両立)やヤングケアラーの支援が重要な課題となっている。

介護と仕事を両立できるよう、法律で介護休暇・介護休業が制度化されている。

老老介護や施設での死亡者数は増加しており、介護者の負担軽減が求められている。

介護を取り巻く状況は年々変化しており、社会全体で支える仕組みが求められています。

 

選択肢1. 介護を要する高齢者を同居している高齢者が介護する「老老介護」は、減少傾向にある。

【誤り】

「介護を要する高齢者を同居している高齢者が介護する『老老介護』は、

減少傾向にある。」

 

老老介護とは、

高齢者が高齢の家族を介護する状況を指します。
近年、核家族化の進行や高齢者のみの世帯の増加により、

老老介護は増加傾向にあります。
要介護者の配偶者や兄弟姉妹が介護を担うケースが多く、

介護負担の重さが社会的な問題となっています。

選択肢2. 育児と介護を同時に担う「ダブルケア」が課題となっている。

【正しい】

「育児と介護を同時に担う『ダブルケア』が課題となっている。」

ダブルケアとは、

子育てと親の介護を同時に行う状況を指します。
特に、40代・50代の人が、

仕事をしながら育児と介護の両方を担うケースが増えています。
ダブルケアによる精神的・身体的負担が問題視されており、

仕事と家庭を両立するための支援が求められています。

選択肢3. 「ヤングケアラー」への支援が課題となっている。

【正しい】

「『ヤングケアラー』への支援が課題となっている。」

ヤングケアラーとは、

本来なら大人が担うべき家族の介護や世話を日常的に行っている子どもを指します。
例えば、小学生や中学生が親の介護や兄弟の世話をするケースがあり、

学業や生活に大きな影響を与えることがあります。
ヤングケアラーへの支援を強化し、

適切なサポートを受けられる環境を整えることが社会的な課題となっています。

選択肢4. 介護者が仕事と介護を両立できるよう、法律により介護休暇及び介護休業が制度化されている。

【正しい】

「介護者が仕事と介護を両立できるよう、

法律により介護休暇及び介護休業が制度化されている。」

仕事と介護を両立できるように、

労働基準法や育児・介護休業法に基づき、

介護休暇や介護休業が制度化されています。


介護休暇は、要介護状態の家族を介護するために

短期間(1日単位または時間単位)で取得できる制度です。
 

介護休業は、長期間(最大93日間)仕事を休んで介護に専念できる制度です。
この制度を利用することで、仕事と介護を両立しやすくなります。

 

 

 

 

選択肢5. 特別養護老人ホームなどの老人ホームでの死亡者数は、減少傾向にある。

【誤り】

「特別養護老人ホームなどの老人ホームでの死亡者数は、

減少傾向にある。」

高齢化の進行に伴い、

特別養護老人ホームや介護施設での死亡者数は増加傾向にあります。
自宅で最期を迎える人が減少し、

施設で介護を受けながら最期を迎える人が増えています。
これは、介護の必要な高齢者が増え、

施設入所を希望する人が多くなっていることが影響しています。

 

 

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