2級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)後期
3 問20

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問題

2級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年)後期 3 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 内柱の型枠の加工長さは、階高からスラブ厚さとスラブ用合板せき板の厚さを減じた寸法とした。
  • 柱型枠の足元は、型枠の変形防止やセメントペーストの漏出防止等のため、桟木で根巻きを行った。
  • 壁の窓開口部下部の型枠に、コンクリートの盛り上がりを防ぐため、端部にふたを設けた。
  • 床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)を受ける梁の側型枠は、縦桟木で補強した。

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この過去問の解説 (3件)

01

型枠は、せき板と支保工から構成されます。

せき板には木製と金属製があります。

選択肢1. 内柱の型枠の加工長さは、階高からスラブ厚さとスラブ用合板せき板の厚さを減じた寸法とした。

誤りです。

内柱の型枠の加工長さは、階高からスラブ厚さを減じた寸法とします。

選択肢2. 柱型枠の足元は、型枠の変形防止やセメントペーストの漏出防止等のため、桟木で根巻きを行った。

設問の通りです。

柱型枠の足元は、型枠の変形防止やセメントペーストの漏出防止等のため、

桟木プラスチックアングルなどを使用します。

選択肢3. 壁の窓開口部下部の型枠に、コンクリートの盛り上がりを防ぐため、端部にふたを設けた。

設問の通りです。

端部にフタをして吹出しを防止します。

選択肢4. 床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)を受ける梁の側型枠は、縦桟木で補強した。

設問の通りです。

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02

型枠工事は用語に加えて、せき板を留める金物や桟木など細かな治具があるので、型枠の構成を覚えましょう。

選択肢1. 内柱の型枠の加工長さは、階高からスラブ厚さとスラブ用合板せき板の厚さを減じた寸法とした。

間違った記述です。

階高からスラブの厚みを減じた寸法が加工長さになります。

また、スラブ用合板せき板の厚さを減じないのは、下階のスラブが不陸だった場合の調整用に余裕を持たせている意味もあります。

柱・壁の型枠を建てる前に、スラブの不陸に影響されないように、敷桟と呼ばれる木材を柱・壁の位置のスラブに釘で打ち付けます。

桟木の場合25~30mmの厚み、せき板の端材の場合12mmの厚みがあります。

下階のスラブに敷桟ー内柱型枠ースラブ型枠 という順でせき板等が組み立てられます。

(記載を省略しましたが、内柱型枠・スラブ型枠の外側にはパイプサポートや型枠支保工等の固定・支持金物が取り付けられます)

選択肢2. 柱型枠の足元は、型枠の変形防止やセメントペーストの漏出防止等のため、桟木で根巻きを行った。

正しい記述です。

コンクリートに限らず、液体には側圧という圧力があります。

コップに普通の高さから水を入れても何も起きませんが、コップに高所からものすごい勢いでコンクリートを流し込むとコップは側圧に耐えれずに割れてしまいます。

つまり側圧は、液体の流し込む高さ、液体の流し込む速さ、液体の単位体積重量が関係してます。

柱もコンクリートを打設する際、下方にかなりの側圧がかかるため、型枠の締め付け・固定が甘いと型枠が壊れてしまいます。(型枠がばれるとも言います)

型枠変形・破損防止・コンクリートやセメントペースト漏出防止の為に、桟木等で根巻き・補強を行うのは大切です。

選択肢3. 壁の窓開口部下部の型枠に、コンクリートの盛り上がりを防ぐため、端部にふたを設けた。

正しい記述です。

窓開口部下部の両端や、階段と壁の取合い入隅部の型枠にふたを設けます。

いずれも、窓開口下部側・スラブ側にふたを設けます。

窓開口両端や壁など、コンクリート立上り部分は側圧の影響で、型枠内にコンクリートを充填しても外側へコンクリートを流し出そうとします。

立上り部分の型枠をしっかり固定していても、窓開口下部や階段と壁の取合い入隅部など、側圧でコンクリートが流れ込む場所が出来ていると、多少は流れてしまいます。

そして窓開口下部の両端や、入隅部スラブにコンクリートが流れ出て、盛り上がり、設計以上のコンクリートの厚みになってしまいます。

それを防ぐ為にふたを設け、コンクリートの充填具合を確認します。

選択肢4. 床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)を受ける梁の側型枠は、縦桟木で補強した。

正しい記述です。

床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)は、RC造の一般的な型枠と比べ、コンクリート硬化までの固定・支持金物(パイプサポート・型枠支保工など)が不要で、安全で工期短縮に繋がる工法です。

フラットデッキの端部(梁の型枠に乗せる部分)は、スラブの厚みもなく、引っ掛けるだけの厚みしかありません。

フラットデッキを梁に乗せる為、梁の型枠の外側にかかりしろとなる桟木を、梁と平行に取り付けます。

梁と平行に取り付けた桟木を垂直方向に補強するのが、設問の縦桟木です。

縦桟木がないと、並行に取付けた桟木だけではコンクリートの圧力に耐えれず、スラブと梁の取合い入隅部が弱くなり、型枠が破損してしまいます。

まとめ

型枠工事は、コンクリートを成形するためにせき板やフラットデッキなどがあり、それらがコンクリートの圧力・側圧に耐えれるように補強する部材で構成されています。

用語も多いですが、桟木などは木材の呼び方でしかないので、難しくとらえず、絵に描いて構成を覚えていきましょう。

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03

型枠は鉄筋コンクリート構造体を形作るための鋳型となるものであります。

正しい形状を作り、コンクリートが十分な強度を持つまでの養生を行う仮説構造物であります。

選択肢1. 内柱の型枠の加工長さは、階高からスラブ厚さとスラブ用合板せき板の厚さを減じた寸法とした。

間違いです。

設問文章にもう一文足りません。

階高からスラブ厚さとスラブ用合板せき板の厚さを減じた寸法より、

下階のスラブコンクリート面の不陸を考慮して20~30㎜位短めにしておく。

選択肢2. 柱型枠の足元は、型枠の変形防止やセメントペーストの漏出防止等のため、桟木で根巻きを行った。

その通りです。

垂直精度の保持の目的もあります。

選択肢3. 壁の窓開口部下部の型枠に、コンクリートの盛り上がりを防ぐため、端部にふたを設けた。

その通りです。

窓開口部の下部は、コンクリートが打ち込みにくく空洞ができやすいため点検用の開口を設けます。開口部下部の型枠には端的にふたを設けます。

選択肢4. 床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキ)を受ける梁の側型枠は、縦桟木で補強した。

その通りです。

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