2級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)後期
3 問28

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問題

2級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年)後期 3 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

外部仕上げ改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 既存防水層撤去後の下地コンクリート面の軽微なひび割れは、新規防水がアスファルト防水のため、アスファルト防水用シール材により補修した。
  • コンクリート下地面の複層仕上塗材の既存塗膜の劣化部は、高圧水洗工法にて除去した。
  • 既存露出アスファルト防水層の上に、アスファルト防水熱工法にて改修するため、下地調整材としてポリマーセメントモルタルを用いた。
  • 外壁石張り目地のシーリング材の劣化した部分を再充填工法にて改修するため、既存シーリング材を除去し、同種のシーリング材を充填した。

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この過去問の解説 (3件)

01

アスファルト防水についての出題は多いです。

選択肢1. 既存防水層撤去後の下地コンクリート面の軽微なひび割れは、新規防水がアスファルト防水のため、アスファルト防水用シール材により補修した。

設問の通りです。

軽微なひび割れは、シール材補修で足ります。

選択肢2. コンクリート下地面の複層仕上塗材の既存塗膜の劣化部は、高圧水洗工法にて除去した。

設問の通りです。

選択肢3. 既存露出アスファルト防水層の上に、アスファルト防水熱工法にて改修するため、下地調整材としてポリマーセメントモルタルを用いた。

誤りです。

設問の下地調整材はストレッチルーフィングです。

ポリマーセメントモルタルは外壁仕上げに使用します。

選択肢4. 外壁石張り目地のシーリング材の劣化した部分を再充填工法にて改修するため、既存シーリング材を除去し、同種のシーリング材を充填した。

設問の通りです。

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02

改修工事は建替え工事と違い、躯体・構造体はそのままで防水・塗装工事を中心に行います。

防水は一般的に5~10年で品質保証が切れ、劣化によって防水機能が低下しています。

また、塗装も防水を兼ねた役割をしていますし、塗装が劣化しているところから漏水の原因になるので併せて改修します。

既存の塗装や防水の撤去・下地の補修・下地処理をしっかりしておかないとクラックから漏水する恐れがあるので、品質管理の為にもポイントを押さえて覚えましょう。

選択肢1. 既存防水層撤去後の下地コンクリート面の軽微なひび割れは、新規防水がアスファルト防水のため、アスファルト防水用シール材により補修した。

正しい記述です。

下地の軽度なひび割れ(ヘアクラック)の処理はシーリング材をすり込んで補修します。

塗装の下地の場合、微弾性フィラー等の伸縮性のある下塗材が使われます。

設問のシーリング材の種類ですが、なるべく施工する防水の合わせたシーリング材を使用しましょう。

アスファルト防水用でないシーリング材を使用すると相性が悪く、アスファルト防水層と接着しない恐れもあります。

選択肢2. コンクリート下地面の複層仕上塗材の既存塗膜の劣化部は、高圧水洗工法にて除去した。

正しい記述です。

複層仕上塗材とは、塗装工事における下塗り・主材・上塗の3層で仕上げる材料を指します。

外壁塗装改修 高圧水洗工法の手順として、まず最初に高圧水洗をします。

その時に外壁を綺麗にするだけでなく、劣化している塗装を除去します。

高圧というだけあってかなり威力があるので、本来はがれにくく施工されている塗装をしっかり取って、新しい塗装がしっかり施工できて且つ長持ちするように下地を整えます。

選択肢3. 既存露出アスファルト防水層の上に、アスファルト防水熱工法にて改修するため、下地調整材としてポリマーセメントモルタルを用いた。

間違った記述です。

公共建築改修工事標準仕様書によると、露出アスファルト防水-保護層撤去および防水層非撤去-屋根保護防水密着工法・屋根保護防水密着断熱工法 における既存防水層は溶融アスファルトを充填するとなっています。

露出アスファルト防水とは、主に人の出入りの少ない屋上に施工される防水で、表層はアスファルトルーフィングシートのざらざらで仕上がっているものです。

上から施工するアスファルト防水熱工法とは、加熱して溶融したアスファルトを接着剤にして、アスファルトルーフィングシートを貼っていく工法なので、下地調整材として溶融アスファルトを使用します。

保護層撤去および防水層非撤去について説明しますと、露出アスファルト防水の場合、コンクリート躯体の上に防水層を作って完了する「露出アスファルト防水」と呼ばれる工法で、防水層の上から保護コンクリートを打設し、防水層を保護する「保護アスファルト防水」と呼ばれる工法もあります。

仕様書の一文を簡潔に言うと、

保護アスファルト防水の場合は、保護層を撤去して新しい防水をする

露出アスファルト防水の場合は、露出アスファルト防水を撤去せず上から新しい防水をする

という意味です。

選択肢4. 外壁石張り目地のシーリング材の劣化した部分を再充填工法にて改修するため、既存シーリング材を除去し、同種のシーリング材を充填した。

正しい記述です。

シーリング材を再充填する際は、既存シーリング材を撤去してから施工しましょう。

シーリング材にはたくさんの種類がありますが、一液性・二液性の違いや、充填場所(コンクリート目地なのか、タイル目地なのか、サッシなのか)で使い分けされています。

既存シーリングと同種のシーリング材を充填し、充填場所に適した施工をします。

まとめ

防水の改修工事の最重要項目は下地処理です。

既存防水層を撤去してから防水する「撤去工法」と、既存防水層を残したまま上に新しい防水層を作る「かぶせ工法」がありますが、どちらも下の防水層をしっかり形成しておかないと漏水を防げないので重要な点を中心に覚えましょう。

塗装・シーリングにおいても、既存の撤去・下地処理は重要なので確実に覚えましょう。

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03

外部仕上改修工事には主に塗装、防水、補修工事が行われます。

選択肢1. 既存防水層撤去後の下地コンクリート面の軽微なひび割れは、新規防水がアスファルト防水のため、アスファルト防水用シール材により補修した。

その通りです。

選択肢2. コンクリート下地面の複層仕上塗材の既存塗膜の劣化部は、高圧水洗工法にて除去した。

その通りです。

選択肢3. 既存露出アスファルト防水層の上に、アスファルト防水熱工法にて改修するため、下地調整材としてポリマーセメントモルタルを用いた。

間違いです。

熱工法では、溶融アスファルトを下地調整材として使用します。

選択肢4. 外壁石張り目地のシーリング材の劣化した部分を再充填工法にて改修するため、既存シーリング材を除去し、同種のシーリング材を充填した。

その通りです。

参考になった数19