2級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)後期
4 問29

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問題

2級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年)後期 4 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 既製杭の打込みが予定されているため、近接する工作物や舗装の現況の調査を行うこととした。
  • 掘削中に地下水を揚水するため、周辺の井戸の使用状況の調査を行うこととした。
  • 工事予定の建物による電波障害に関する調査は済んでいたため、タワークレーン設置による影響の調査を省くこととした。
  • 地中障害物を確認するため、過去の土地利用の履歴について調査を行うこととした。

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この過去問の解説 (2件)

01

事前調査は、工事を円滑に進め、工期を守る為に重要です。

事前調査を怠ると、近隣住民の方に工事の影響が出てしまったり、予定されていなかった作業が発生したりすることで、工期の遅れ・コストの増加に繋がる恐れがあります。

何を調査することで、何の対策がとれるのか、関係性をしっかり覚えましょう。

選択肢1. 既製杭の打込みが予定されているため、近接する工作物や舗装の現況の調査を行うこととした。

正しい記述です。

土を掘る作業があると、周辺工作物や舗装の地盤沈下・ボイリング・ヒービングなどの影響を及ぼす可能性があります。

工事場所周辺が軟弱地盤だと特に危険です。

また、工事前の周辺工作物・舗装はしっかり写真に残し、現況・既存の劣化部分を記録しておきましょう。

選択肢2. 掘削中に地下水を揚水するため、周辺の井戸の使用状況の調査を行うこととした。

正しい記述です。

地下水は循環型で且つ有限な資源で、地盤の下に浸透し、流水しています。

その為、穴を掘って井戸を作ったり揚水したりすると、地下水が無くなり、その周辺の地下水の水位が下がります。

地下水を取りすぎてしまうと周辺の井戸の揚水量が減ってしまう為、取水可能量も決められています。

その為、周辺の井戸の使用状況の調査は必須になります。

選択肢3. 工事予定の建物による電波障害に関する調査は済んでいたため、タワークレーン設置による影響の調査を省くこととした。

間違った記述です。

「工事予定の建物による電波障害」は主にテレビなどの電波障害です。

隣に建物が建ったことでテレビの映りが悪くなった等の問題が発生しないように、建物同士の距離や高さなどを事前に検討します。

「タワークレーン設置による影響の調査」は上記の電波障害だけでなく、タワークレーン自身が受ける電波障害の対策が必要です。

タワークレーンは電気で動いていて、金属のワイヤーが巻き付いていて、過負荷防止装置の計器など電気で動く装置があります。

例えば、現場近くにテレビの放送タワー(電波塔)があると、タワークレーンが受信アンテナと同じように電波を受け取ってしまい、フックやワイヤーが帯電し、火花・感電・装置の故障トラブルの恐れがあります。

選択肢4. 地中障害物を確認するため、過去の土地利用の履歴について調査を行うこととした。

正しい記述です。

過去の建物の基礎以外にも遺跡や工場跡の産業廃棄物・汚染された土など、過去の土地利用履歴を確認することで、撤去工事・杭工事への影響、工事でどこまで撤去・改善するかを検討できます。

まとめ

地中の調査など、既にあるものの調査だけでなく、工事で新しく建てる建物・それに付随して工事中に仮設するものが周囲に影響を及ぼさないか、想定されることを事前に確認するのも工事の段取りの一つです。

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02

事前調査や準備作業を整理しておきましょう。

選択肢1. 既製杭の打込みが予定されているため、近接する工作物や舗装の現況の調査を行うこととした。

設問の通りです。

選択肢2. 掘削中に地下水を揚水するため、周辺の井戸の使用状況の調査を行うこととした。

設問の通りです。

選択肢3. 工事予定の建物による電波障害に関する調査は済んでいたため、タワークレーン設置による影響の調査を省くこととした。

誤りです。

電波障害の調査とともにタワークレーン設置による影響も調査する必要があります。

選択肢4. 地中障害物を確認するため、過去の土地利用の履歴について調査を行うこととした。

設問の通りです。

参考になった数20