2級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)後期
5 問41

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問題

2級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年)後期 5 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

セメントモルタルによるタイル後張り工法に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
  • 密着張りにおいて、タイルの張付けは、下部から上部にタイルを張った。
  • 改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、1日の張付け高さを1.5mとした。
  • モザイクタイル張りのたたき押えは、紙張りの目地部分がモルタルの水分で濡れてくるまで行った。
  • 改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり3m2とした。

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この過去問の解説 (2件)

01

タイル工事は工法により張付けが異なります。

選択肢1. 密着張りにおいて、タイルの張付けは、下部から上部にタイルを張った。

誤りです。

密着張りにおいてタイルの張付けは、上部から下部に水糸を合わせてタイルを張ります。

選択肢2. 改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、1日の張付け高さを1.5mとした。

設問の通りです。

改良積み上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは剥離を防止するため、

1.5m程度/日とします。

選択肢3. モザイクタイル張りのたたき押えは、紙張りの目地部分がモルタルの水分で濡れてくるまで行った。

設問の通りです。

選択肢4. 改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり3m2とした。

誤りです。

改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、

2㎡程度で、60分以内にタイルを張り終える面積とします。

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02

タイル張りの工法は同じような名前が多く、混乱すると思いますが、元の工法から何か工夫されて「改良」と名前が付いているのか、考えながら解いていくと覚えやすいかもしれません。

選択肢1. 密着張りにおいて、タイルの張付けは、下部から上部にタイルを張った。

間違った記述です。

密着張りは上から下に張り付けます。

手順としては、①下地にモルタルを塗る、②タイル張り用振動工具でタイルに振動を与えながら埋め込むように張り付ける、③先に張ったタイルの位置ずれを起こさないように、1段飛ばして次のタイルを張り、④上下のタイルが硬化したら間にタイルを張ります。

選択肢2. 改良積上げ張りにおいて、小口タイルの張付けは、1日の張付け高さを1.5mとした。

正しい記述です。

改良積上げ張りの一日に張付け可能な高さは1.5m以下とされています。

改良積上げ張りは、タイルの裏面に隙間なく張付けモルタルを塗り、すばやく張り付ける必要があります。

こういった、乾燥するまでに完了しないと品質に関わる作業では1日の施工範囲が高さや面積で定められています。

タイルは特に、接着がはく離して落下する危険性もあるので、高さ方向で作業範囲が定められています。

選択肢3. モザイクタイル張りのたたき押えは、紙張りの目地部分がモルタルの水分で濡れてくるまで行った。

正しい記述です。

モザイクタイルは一般的に、小さなタイルが並んだ状態でシート等に仮止めされて、1枚ものになっています。

外壁など大きな面積にモザイクタイルを張るのに、1枚1枚貼っていると効率が悪い上、目地がズレて見栄えが悪くなるので工夫されています。

タイルの裏地側にシートがついている「ネット張り」もありますが、建築現場で使われることが多いタイルは表面に水で溶けるノリを使ってシートが貼られている「紙張り」です。

設問文の「紙張り」の紙がそのシートになります。

「たたき押えで紙張りの目地部分がモルタルの水分で濡れてくるまで行った」というのは、タイルの裏面・目地に、十分にモルタルが行き通ったことを指します。

モルタル硬化後、紙を濡れ雑巾などで湿らせてから、紙をめくり取ります。

選択肢4. 改良圧着張りにおいて、張付けモルタルの1回に塗り付ける面積は、タイル工1人当たり3m2とした。

間違った記述です。

1回の塗り付け面積は2㎡以内とされています。

また、下地に塗る張付けモルタルは、混練りから施工修了まで60分以内に使用し、下地の塗り置きも夏期30分以内、冬期40分以内と決まっています。

改良圧着張りは張り付ける下地面とタイルの裏面の両方にモルタルを塗って張り付ける工法で、タイルの裏面にモルタルを塗ったらすぐに張り付ける必要があります。

全ての条件を守る形として、1回の塗り付け範囲は2㎡以内とされています。

まとめ

タイル工事は簡単な作業に見えて、実はとても繊細な工事です。

DIYなどで水回りにタイルを張る人も増えていますが、建築現場でのタイル、特に外壁に使われるものは1枚でもはく離して落下すれば事故に繋がります。

長年、タイルが落ちないように研究が重ねられ、廃止された工法、改良された工法があり、歴史を感じさせられます。

タイル自体はデザインも美しく、高級感があって需要も無くならないと思うので、これからも工法や品質管理が優先的に見直されていくかもしれませんね。

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