2級建築施工管理技士の過去問
令和5年(2023年)前期
1 問6

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問題

2級 建築施工管理技術検定試験 令和5年(2023年)前期 1 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造の接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 高力ボルト接合の摩擦面には、ショットブラスト処理等による一定の値以上のすべり係数を確保する必要がある。
  • 完全溶込み溶接継目の有効長さは、接合される材の全幅とする。
  • 溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。
  • 隅肉溶接継目の許容応力度は、母材の許容せん断応力度と同じ値とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

鉄筋構造の接合に関する問題は主にボルト接合と溶接接合の問題が出題されます。それぞれの特徴を確認しましょう。

選択肢1. 高力ボルト接合の摩擦面には、ショットブラスト処理等による一定の値以上のすべり係数を確保する必要がある。

ブラスト処理とは鋼の粒を吹き付け、接合面の粗くする処理です。高力ボルトは摩擦接合を多く用いるためショットブラスト処理により一定のすべり係数を確保します。

選択肢2. 完全溶込み溶接継目の有効長さは、接合される材の全幅とする。

溶接種類の1つである完全溶込み溶接継目の有効長さは接合される材の全幅とします。付き合わせる部材の全断面を完全に溶接しているため耐力上最も理想的な方法です。

選択肢3. 溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。

溶接と高力ボルトを併用する継手は原則として高圧ボルトを先に締め、その後溶接を行います。高力ボルトを先に行う場合は加算しますが、溶接を先に行った場合は加算してはいけません。

選択肢4. 隅肉溶接継目の許容応力度は、母材の許容せん断応力度と同じ値とする。

隅肉溶接継目とは母材の端面と表面の入隅部分を溶接する方法です。主にせん断力を負担し、許容せん断応力度を同じ値にします。

まとめ

鉄筋構造は接合に関する問題が多いですが各部構造や鉄骨構造一般もあるためチェックしましょう。

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02

部材同士をつなげる「接合」に関する問題です。溶接や接合の方法はいくつかありますので、各方法も理解しておきましょう。

選択肢1. 高力ボルト接合の摩擦面には、ショットブラスト処理等による一定の値以上のすべり係数を確保する必要がある。

問題文のとおりです。

ショットブラスト処理とは、摩擦力を高めるために接合箇所の表面に細かい砂や金属の小さい球を投射し、粗目を出すことをいいます。

選択肢2. 完全溶込み溶接継目の有効長さは、接合される材の全幅とする。

問題文のとおりです。

有効長さは一般的に、「部材の内寸」を指します。完全溶け込み溶接は信頼性を担保できる溶接方法ですが、高い溶接品質・管理が求められます。

選択肢3. 溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。

併用継手の問題です。

溶接を先に行うと熱で接合箇所の板が変形してしまい、ボルトの摩擦接合耐力を担保できないため、必ず高力ボルト接合を先に行います。

選択肢4. 隅肉溶接継目の許容応力度は、母材の許容せん断応力度と同じ値とする。

問題文のとおりです。

隅肉溶接はアーク溶接の一つで、開先を設けずに入隅部分を溶接することをいいます。

接合強度がそこまで高くないため、一般に引張力が作用する箇所には採用されません。

まとめ

問われる項目としては、アーク溶接や高力ボルトに関するものが過去にも出題されています。

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