公立学校教員の過去問
平成30年度(H31年度採用)
高等学校に関する問題 問31

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成30年度(H31年度採用) 高等学校に関する問題 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

高等学校におけるキャリア教育の在り方に関する記述として、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(中央教育審議会平成28年12月)及び「高等学校キャリア教育の手引き」(文部科学省平成23年11月)に照らして最も適切なものは、次の1~5のうちではどれか。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 文部科学省によると、キャリア・パスポートとは「小学校から高校までのキャリア教育に関わる活動について、学びのプロセスを児童・生徒自身で記述し、蓄積した記録を振り返ることができるポートフォリオのような教材」のことを指します。

キャリア・パスポートは、教員が記載するのではなく、子ども一人ひとりが自らの記載することが重要とされ、教員は対話的に関わることが求められます。選択肢の「教員が、生徒一人一人の「キャリア・パスポート(仮称)」を記述する」が不適切なため、1は誤りとなります。

2. 答申「第8章子供一人一人の発達をどのように支援するか」には、「日常の教科・科目等の学習指導においても、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら見通しを持ったり、振り返ったりしながら学ぶ「主体的・対話的で深い学び」を実現するなど、教育課程全体を通じてキャリア教育を推進する必要がある」という記述があるため、選択肢は正答となります。

3. 手引き「第2章高等学校におけるキャリア教育の推進のために」の「第5節連携の推進」において、「アルバイト経験は,キャリア発達を促す可能性もあるが,学業に充てるべき時間が圧迫されたり,生活リズムの乱れにつながったりする例もある。」とあります。よって、選択肢の「キャリア発達を促さないため」という部分が誤りとなります。

4. 手引き「第2章高等学校におけるキャリア教育の推進のために」の「第5節連携の推進」において、高等学校では、普通科や総合学科、専門学科など「異なる学習環境における学習が、職業による自己実現につながる」としており、異校種間での繋がりの必要性に言及しています。したがって、選択肢の「同じような進路を希望する生徒が在籍する高等学校間の横のつながりに重きをおき」は誤りとなります。

5. 手引きには、効果的なインターンシップのあり方として、異校種における目的の違いを明確にした上で実施することの重要性が記載されています。特に、普通科においては、研究者や大学等の卒業が前提となる資格を要する職業も含めた就業体験(いわゆる「アカデミック・インターンシップ」)を充実するなど、生徒の特性を踏まえたインターンシップ体験が求められています。

よって、正答は2となります。

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02

正答は2です。

1:キャリア・パスポートとは、児童や生徒が学びの過程を記述し振り返ることができるポートフォリオとしての機能を持つ教材です。
キャリア・パスポートは教員が記入するのではなく、児童・生徒が記入する教材ですので、1は誤りです。

2:答申の内容に合致するため、2は正答です。

3:手引きの該当箇所に、「…アルバイト経験は、キャリア発達を促す可能性もあるが、学業に充てるべき時間が圧迫されたり、生活リズムの乱れにつながったりする例もある。…」と記載されています。
前半部分は正しいですが、アルバイト経験はキャリア発達を促す可能性があると書かれていますので、3は誤りです。

4:手引きの該当箇所に、「…これまで、学校間連携の取組が不十分にとどまってきたことにより、生徒個々のもつ不確かな情報や、教師の教え方や生徒への接し方のギャップなどから起こるとされる進学時の不適応など、見過ごすことのできない問題が生じている。…」と記載されています。
つまり、学校種間の取組は不十分にとどまってきたと書かれています。
また、後半部分は手引きの内容に無い文言であるため、4は誤りです。

5:答申に、「高等学校の就業体験(インターンシップ)については、これまで主に高等学校卒業後に就職を希望する生徒が多い普通科や専門学科での実習を中心に行われてきたが、今後は、大学進学希望者が多い普通科の高等学校においても、例えば研究者や大学等の卒業が前提となる資格を要する職業も含めた就業体験(いわゆる「アカデミック・インターンシップ」)を充実するなど、それぞれの高等学校や生徒の特性を踏まえた多様な展開が期待される」と記載されています。
前半部分は正しいですが、インターンシップを職業訓練としての職業体験として捉えていないため、5は誤りです。

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03

正答は2です。

1:答申には、キャリア・パスポートは教員が記入するものではなく、「児童生徒が様々な学習や課外活動の状況を記録したり、ワークシートとして用いたりするなど、子ども自らが履歴を作り上げていく活動」と示されているため、1は誤りです。

2:答申にそのように示されているため、2は正解です。

3:手引きには、「地域や学校によって状況は異なるが、アルバイトが学校によって認められている場合には、生徒のバランスのとれたキャリア発達に向けて、アルバイトについての情報共有、共通理解が必要である。アルバイト経験は、キャリア発達を促す可能性もあるが、学業に充てるべき時間が圧迫されたり、生活リズムの乱れにつながったりする例もある。アルバイトに従事する場合には、家庭でよく話し合い、アルバイトを通した職業観・勤労観の育成や、キャリアにつながる諸能力の育成を心掛け、学業を圧迫することがないように、保護者が十分配慮する必要がある」と示されています。
アルバイト経験はキャリア発達を促す可能性があると述べられているため、3は誤りです。

4:手引きには、「一人の人間の成長を考えた場合、小学校から中学校、中学校から高等学校などの学校間の移行には連続性があり、このような発達の段階に応じた系統的・体系的なキャリア教育の充実を図るためには、学校種間の円滑な連携・接続を図ることが重要である。これまで、学校間連携の取組が不十分にとどまってきたことにより、生徒個々のもつ不確かな情報や、教師の教え方や生徒への接し方のギャップなどから起こるとされる進学時の不適応など、見過ごすことのできない問題が生じている。学校間の連携は、このような課題を解決する上でも重要なものである」と示されています。
これまで学校種間の取組は不十分であったと述べられているため、4は誤りです。

5:答申には、「高等学校の就業体験(インターンシップ)については、これまで主に高等学校卒業後に就職を希望する生徒が多い普通科や専門学科での実習を中心に行われてきたが、今後は、大学進学希望者が多い普通科の高等学校においても、例えば研究者や大学等の卒業が前提となる資格を要する職業も含めた就業体験(いわゆる「アカデミック・インターンシップ」)を充実するなど、それぞれの高等学校や生徒の特性を踏まえた多様な展開が期待される」と示されています。
職業訓練としての職業体験とは説明されていないため、5は誤りです。

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