マンション管理士の過去問
平成28年度(2016年)
問29
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問題
マンション管理士試験 平成28年度(2016年) 問29 (訂正依頼・報告はこちら)
修繕積立金の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、総会の普通決議で行うことができるものはいくつあるか。
ア 長期修繕計画を作成するための建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること
イ 修繕積立金について、共用部分の共有持分にかかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること
ウ 給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出すること
エ 修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還すること
ア 長期修繕計画を作成するための建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること
イ 修繕積立金について、共用部分の共有持分にかかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること
ウ 給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出すること
エ 修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還すること
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この過去問の解説 (3件)
01
選択肢の中から適切なものがいくつあるかを問う問題です。それぞれの選択肢について検討します。
ア できる。
長期修繕計画を作成するための劣化診断のための費用は、管理費だけでなく、修繕積立金からも支出できます。修繕積立金を取崩す場合は総会の普通決議を経なければなりません。
イ できない。
共用部分の共有持分に応じて算出するものとれる修繕積立金を全戸一律に値上げ額を同一とする場合は、規約の変更が必要ですが、規約の変更は総会の普通決議では行えません。総会の特別決議事項です。
ウ できない。
配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものとされているので、全額を修繕積立金から支出するには、規約の変更が必要ですが、規約の変更は総会の普通決議では行えません。総会の特別決議事項です。
エ できない。
修繕積立金の一部を取崩して区分所有者に返還するには、規約の変更が必要ですが、規約の変更は総会の普通決議では行えません。総会の特別決議事項です。
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02
ア 長期修繕計画を作成するための建物診断費用は、管理費からでも修繕積立金からでも支出することができます。
修繕積立金の取崩しには総会の普通決議が必要です。
よって、総会の普通会議で行うことができます。
イ 修繕積立金は、共用部分の共有持分に応じて算出するものとされています。
それを全戸一律に値上げ額を同一とするとなると、規約の変更が必要です。規約の変更は総会の特別決議事項です。
よって、総会の普通決議では行えません。
ウ 給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替の費用は、共用設備の保守維持費として管理費を充当することが可能です。ただし、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものとされています。
それらの費用の全額を修繕積立金から支出するには、規約の変更が必要です。規約の変更は総会の特別決議事項です。
よって、総会の普通決議では行えません。
エ 修繕積立金は特別の管理に要する経費に充当する場合等一定の場合に限って取崩すことができます。
修繕積立金の一部を取崩して区分所有者に返還するには、規約の変更が必要です。規約の変更は総会の特別決議事項です。
よって、総会の普通決議では行えません。
正しい設問はアのみで、一つです。
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03
マンション標準管理規約(単棟型)に関する出題です。
・特別の管理の実施並びにそれに充てるための 資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
マンション標準管理規約(単棟型)48条10号により、「特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しの事項については、総会の決議を経なければならない。」とされるので、総会の普通決議で行うことができます。
・修繕積立金について、共用部分の共有持分にかかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること
マンション標準管理規約(単棟型)25条1項により、「区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、①管理費、➁修繕積立金(管理費等という。)を管理組合に納入しなければならない。」とされ、同条2項により、「管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。」とされ、同規約47条2項により、「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。」とされ、同条3項1号により、「規約の制定、変更又は廃止の事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。」とされるので、総会の普通決議で行うことができません。
・給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出すること
令和3年6月22日改正のマンション標準管理規約(単棟型)により、削除となる選択肢になります。
・修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還すること
マンション標準管理規約(単棟型)60条6項により、「組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない。」とされるので、総会の普通決議で行うことができません。
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