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精神保健福祉士の過去問 第17回(平成26年度) 精神保健福祉相談援助の基盤 問26

問題

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Bさん(57歳、男性)は、コミュニケーションが非常に苦手で、人付き合いをする際にいつも困っている。軽度の知的障害が疑われるが診断は受けていない。
幼少期から家族との関係が悪く、家での居場所もなかった。中学卒業と同時に住み込みの仕事に就き、家族との交流も途絶えた。住み込みの仕事は長続きせず、職と同時に住む場所も失ってしまい、生活困窮に陥った。窃盗をして刑務所に入り、刑期を終えて出所するが、身元引受人もおらず支援もなく、窃盗を何度も繰り返し、人生の大半を刑務所で過ごしてきた。
出所間近なBさんが社会で生活できるようにするために、Bさんの特性や生活の状況等を考えた上で社会の一員として支援を行う必要がある。

次のうち、この事例で求められる支援の理念として、最も適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
ソーシャルイクオリティ
   2 .
ソーシャルロール・バロリゼーション
   3 .
ソーシャルジャスティス
   4 .
ソーシャルインクルージョン
   5 .
ソーシャル・コンストラクショニズム
( 第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問26 )
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この過去問の解説 (3件)

37
正解は4です。

1.ソーシャルイクオリティ(social equality)とは、社会的な平等性を実現しようとする考えです。この事例から社会的な不平等を明らかに想起させるものは読み取れず、求められる支援の理念として、より適切な選択肢があるため、正答とはいえません。

2.ソーシャルロール・バロリゼーション(social role valorization)とは、文化的に標準となっている手段によって、社会的な役割や価値を高めていこうとする考え方で、ノーマライゼーションの概念を再構築したものです。この事例から、社会的な不利益に関することを明らかに読み取ることはできないため、正答とはいえません。

3.ソーシャルジャスティス(social justice)とは、社会正義と訳され、社会における正しい道理や、公正さのことをいいます。この事例で求められる支援の理念として、より適切な選択肢があるため、正答とはいえません。

4.ソーシャルインクルージョン(social inclusion)とは、社会的包摂(しゃかいてきほうせつ)と訳され、どのような境遇であっても、孤立や排除されることがないように、社会的に包みこもうとする考え方です。この事例では、知的障害が疑われるが診断を受けていなかった点、生活困窮に陥っていた点で、福祉サービスを十分に利用できていないことや、人生の大半を刑務所で過ごしてきたことに対する社会的偏見が予想されることから、ソーシャルインクルージョンの理念が支援に求められるといえます。

5.ソーシャル・コンストラクショニズム(social constructionism)とは、社会構成主義や社会構築主義という概念です。すべては社会的に作り上げられ構築されたものという考え方に基づいています。本事例の支援の理念として、適切であるとはいえません。

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13
軽度知的障害疑いで、孤立して生活困窮して犯罪を繰り返す困難事例です。
1 . × [social equality] 社会における平等性に基づく支援の理念です。差別や社会性不利を解消して、平等の機会や結果を目指す活動です。
2 . × [social role valorization] 障害者に価値ある社会的役割(ロール)を付与しようという理念です。ヴォルフェンスベルガーがノーマライゼイションの誤解を解消することを目的として提唱している用語だそうです。覚えにくい言葉と人名ですが、ここは苦い薬を飲むように覚えてしまいましょう。
3 . × [social justice] 社会正義のことを指すそうです。社会のすべての人にとって、差別、貧困、排除、抑圧、暴力などない共生社会を目指す概念で、ソーシャルワーカーの基本綱領にもあげられているそうです。ジャスティスは、司法を示す単語でもあるので、犯罪者→ジャスティス?と思ったらはずれます。
4 . ○ [social inclusion] 社会的包摂: 社会から排除されている人々への対応策として、地域社会の仲間に入れていくこと。です。Bさんのように知的障害の疑いがあり、犯罪を繰り返している人は、社会的に排除されているので、社会に受け入れられ、生活できるようになるのは、このソーシャルインクルージョンが最適です。
5 .  × [social constructionizm] 社会的構成主義と訳されます。哲学・教育学・社会学などにおける現実を、今そこに生きる人の言葉を使って構成されたものとして理解する概念です。具体的には、ナラティブアプローチなど、本人の言葉で経験された人生を理解しようとする手法などがありますが、今困っているBさんをすぐに助けるには、不向きですね。

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4 . 「ソーシャルインクルージョン 」が正解です。
(説明)ソーシャルインクルージョンは、「全ての人々を孤立や排除から援護し、社会の構成員として包み支え合う」という理念です。これから社会復帰していくBさんには、一番適した概念だと思われます。

※Bさんの特性や生活の状況等を考えた上で、出所後の社会復帰支援を行う際の理念として適切なものを選ぶ問題です。以下に正解以外の説明をします。

1 . は不適切です。
(説明)「ソーシャルイクオリティ」は、すべての人々の人間的な尊厳を守りながら、あらゆる社会的な問題を排除していこうとする考え方です。この対象は地域社会など大きな単位になります。

2 . 適切ではありません。
(説明)「ソーシャルロール・バロリゼーション」は、すべての人々が普通の生活を営めるような社会を構築していく「ノーマライゼーション」の概念を発展させた考え方です。低いラベルを与えられている社会的マイノリティが、価値ある社会的役割を担い、且つ継続する能力を身に付けることで、世間の意識を改革する概念です。この事例で、世間の意識を改革することを目的とするのは適切ではありません。

3 . 適切ではありません。
(説明)「ソーシャルジャスティス」は、社会正義と訳されます。社会生活上で必要であり、正しい道理を表す概念です。病気や障害等の生きづらさを抱えている人たちの支援では、社会正義が守られていない場面に立ち会うことも多く、ソーシャルワークの行動規範とも言え、日本社会福祉士会では、倫理要項に「共生に基づく社会正義を実現する」とあります。
ですが、本事例では、Bさんが社会生活で不当な扱いを受けている記載はない為、適切ではありません。

5 . 適切ではありません。
(説明)「ソーシャル・コンストラクショニズム」は社会構築主義と訳され、社会学から派生し心理学で発展した概念です。客観的・絶対的な物事の存在はなく、社会の中で行われる人間関係、コミュニケーションが現実をつく流という考え方です。本事例の支援理念としては、不適切です。

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