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精神保健福祉士の過去問「第18091問」を出題

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(37歳、男性)は、精神的不調で苦しむことがありながらも、何とか大学を卒業し、旅行代理店に就職した。しかし顧客とのトラブルをきっかけに半年ほどで退職、その後精神科病院を受診し統合失調症と診断され、半年間の入院となった。退院後は、アルバイトとして働いたが長続きせず、病状悪化により入院、これまでに3回、同じパターンを繰り返してきた。1年半前に退院してからは症状も安定し、一人暮らしには慣れてきたが、人との交流は少なく、活動範囲は限定されていた。また過去の失敗経験から、仕事に対する自信がなく、今後の生活についての具体的な目標も持てずにいた。そこでCさんは、通院した際、担当であったD精神保健福祉士に現状を報告し、「先が見えません。私だけ特別でしょうか。他の人はどうやって生活しているのでしょうか」と今後についての助言を求めた。

その後、Cさんは生活に対して前向きに考えられるようになっていった。ある日、通院先の待合室で、入院時に同室であったEさんから声をかけられた。Eさんは現在、ピアサポーターとして活動しており、Cさんにその内容や役割について話した上で、「今度、ピアサポーター養成講座を受講してみない?Cさんは聞き上手だからきっとうまくいくと思うよ」と勧めた。後日Cさんは、「自分にできるだろうか」と悩んだ末に受講を決めた。その後経験を積んだCさんは、当事者の集まりや地域活動支援センター等で、相談に乗ったりアドバイスをしたりする活動を行っている。
Cさんは、久しぶりに会ったD精神保健福祉士に、「他の人の相談に乗ることで自信がついてきましたし、生活に張りを感じます。何よりも私自身が成長していると思います」と語った。

さらに、「以前は、どこかに就職しなければと考えることが多かったのですが、今は、ピアスタッフとして活動できるようになることが目標となりました。まだ具体的ではないですが、近い将来、通信課程で精神保健福祉士の資格取得に挑戦してみたいと思っています」と、力強く笑顔で話した。


次のうち、この事例においてCさんがたどった過程全体を表わす言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
フィードバック
   2 .
アカウンタビリティ
   3 .
コンピテンス
   4 .
メインストリーミング
   5 .
リカバリー
( 第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 )

この過去問の解説 (3件)

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正解は5です。

1.フィードバック(feedback)とは、行動に対する結果や反応、評価を、行動した本人に返すことをいいます。事例において、Cさんが評価等を受けている様子は読み取れないため、適切であるとはいえません。

2.アカウンタビリティ(accountability)とは、説明責任のことをいいます。事例において説明責任を要する内容は読み取れないため、適切であるとはいえません。

3.コンピテンス(competence)とは、潜在的な能力を意味します。ピアサポーターとして潜在的な能力を発揮しているともいえますが、Cさんがたどった過程全体を表す言葉としては、コンピテンスよりもリカバリーの方が適切であるといえます。

4.メインストリーミング(mainstream)とは、主流を表す言葉で、障害者を普通学級や職場に組み入れるという意味で使われます。この事例において、そのような内容を読み取ることはできないため、適切であるとはいえません。

5.リカバリー(recovery)とは、障害の困難を受け入れ、人生の新しい意味や目的を見出して、新たに人生を回復していくことです。この事例においてCさんがたどった過程全体を表す言葉として適切であるといえます。
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ソーシャルワークの基本用語を尋ねる設問になっています。用語の意味を再確認しましょう。
なお、ここでCさんがたどった過程全体を表す言葉としては、精神疾患を抱えながら少しずつ自分の生きる道を見出そうとするプロセスなので、5番のリカバリーがもっとも適切ということになります。
×1 . フィードバック feedback:社会・心理学の用語においては、結果に応じて原因を調整すること、あるいは単に反応、感想、意見の意味があります。 
×2 . アカウンタビリティ acountability:説明責任、すなわち、実践において、自分が行った言動について責任を持ち、それを利用者や社会に説明する責任のことを言います。
×3 . コンピテンス  compitence :人に備わっている潜在能力と、環境に能動的に働きかけて自ら対応していこうとする動機付けのことを言います。
×4 . メインストリーミング  mainstreaming :アメリカで提唱された障害児教育の領域で用いられてきた概念で、障害を抱えた子どもの教育を分離するのではなく、本来の教育(主流)に合流させようとする考え方です。
〇5 . リカバリー recovery::回復を意味する単語です。疾病や障害を抱えた上で、自分の人生の意味と目的を見つけるプロセスのことを指しています。
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5 .「 リカバリー」が適切です。

 Cさんの回復過程である”本事例の経過”を適切に表す言葉を選択する問題です。

1 . は適切ではありません。
「フィードバック」は、ソーシャルワークの援助過程で、クライエントの意志や希望を聞きつつ、支援の内容を振り返えることをいいます。
本事例のCさんの回復過程を表す用語としては、適切ではありません。

2 . 適切ではありません。
「アカウンタビリティ」は説明責任のことです。医療や福祉の分野では、支援による結果や方針なども含めて関係者に「説明を行う責務」として使われます。

3 . は適切ではありません。
「コンピテンス」は、(課題を解決するための)能力や技術、専門的な能力や力量と言う意味であり、本題の回答には当てはまりません。

4 .適切ではありません。
「メインストリーミング」とは、主流に入ると言う意味です。福祉政策に置いては、互いに区別することなく共存する試みをさしています。

5 .は適切です。
「 リカバリー」は、1970年頃から始まる当事者運動の中で発展した概念で、1990年頃からはアメリカの精神保健政策に影響を与え、現在は精神障害者支援の主流となっている考え方です。単なる病気の回復ではなく、「全人的回復」と言う言葉が表すように、障害や病気で失った物を新たに集め自分を構築していく過程をさしています。よって、本事例でCさんが語る自身の成長を適切に表している言葉になります。
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