精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問33
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
県のスクールソーシャルワーカーとして働くF精神保健福祉士は、小学校校長から、「G君(6歳、男児)をめぐって学級が混乱し授業が成り立たない」と相談を受けた。学級に入ったF精神保健福祉士は、落ち着きがなく授業中に立ち歩く児童が複数いる中で、特にG君は刺激に反応しやすく、こだわりが強そうで、教諭の指示に従おうとするもののうまくできずいらだっていることに気づいた。教諭からの情報ではG君家庭は母子世帯で、母Hさんが学童保育を利用しながら生計を立てており、困った時には市の母子自立支援員に相談しているとのことだった。母子自立支援員は、「Hさんが最近は体調を崩しがちなので子育てが心配だ」と話した。
次のうち、F精神保健福祉士が行っている情報収集の視点の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
県のスクールソーシャルワーカーとして働くF精神保健福祉士は、小学校校長から、「G君(6歳、男児)をめぐって学級が混乱し授業が成り立たない」と相談を受けた。学級に入ったF精神保健福祉士は、落ち着きがなく授業中に立ち歩く児童が複数いる中で、特にG君は刺激に反応しやすく、こだわりが強そうで、教諭の指示に従おうとするもののうまくできずいらだっていることに気づいた。教諭からの情報ではG君家庭は母子世帯で、母Hさんが学童保育を利用しながら生計を立てており、困った時には市の母子自立支援員に相談しているとのことだった。母子自立支援員は、「Hさんが最近は体調を崩しがちなので子育てが心配だ」と話した。
次のうち、F精神保健福祉士が行っている情報収集の視点の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 人と状況の全体関連性
- 医学的診断
- 多様性の尊重
- 利用者の自己決定
- 非審判的態度
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「人と状況の全体関連性」です。
〇 人と状況の全体関連性 ~ F精神保健福祉士は、いろいろな関係者から情報収集を行い、G君の特性のみならず、現在家庭・学校・学童などで、問題行動がどういう状況で生起しているか、改善に向かうかの全体的な関連性をつかんで対応しています。
✕ 医学的診断 ~ 医学的診断は、医師がします。また、ここには、診断名などの言及はないです。
✕ 多様性の尊重 ~ 自分たちが実践する社会での民族的・文化的な多様性を認識し、尊重するということです。ここでは、とくにまだ触れられてはいません。
✕ 利用者の自己決定 ~ バイスティックのケースワークの7原則にも示されている原則ですが、ここではG君の自己決定等についての言及はありません。
✕ 非審判的態度 ~ やはりバイスティックの7原則の一つです。F精神保健福祉士は非審判的態度で接しているようですが、それが情報収集の視点の中心というわけではないです。
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02
正解は「人と状況の全体関連性」です。
事例では、学級内におけるG君の様子、教諭からの情報、母子自立支援員の話など、人と状況についての全体的な関連性をおさえた情報収集が行われており、解答として最も適切といえます。
事例では、医学的な視点での情報収集は読み取ることはできません。そもそも精神保健福祉士が医学的判断の視点で情報収集を行うこと自体、適切ではありません。
事例において、学級に複数の児童がいる中でG君の情報収集を行っているものの、多様性の尊重を行っている様子は読み取れないため、解答として適切ではありません。
事例の段階は、全体の情報収集の段階であり、利用者の自己決定をする段階ではないため、解答として適切ではありません。
非審判的態度とは、非難したり裁いたりしない態度のことをいいます。通常はクライエントとのカウンセリングにおいて用いられる言葉ですが、情報収集の視点においても、非審判的態度は大事な視点です。ただ、事例では全体の状況把握が必要な段階であり、審判をするような状況や言動は読み取れないため、「人と状況の全体関連性」の方がより適切といえます。
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03
「人と状況の全体関連性」が、最も適切です。
精神保健福祉士が情報収集をする際の基本的な視点についての問題です。
最も適した回答です。
”G君をめぐり学級が混乱している”という校長先生の話しを、混乱の具体的状況やG君の行動とその背景などを授業観察や関係者から話を聞くことで検証しています。これは、精神保健福祉士が「人と状況の全体関連性」の情報収集をしていると捉えることができ、本事例で最も適切な回答になります。
適切ではありません。
精神保健福祉士は、医学的診断をしません。
適切ではありません。
本事例はG君の授業での不適応について校長先生から相談があったことが始まりです。関係者から話を聞き、授業を観察することで家庭状況の把握の必要性も感じられてきた場面と捉えると、様々な背景のある人を受け入れる「多様性の尊重」は情報収集場面の視点としては適切ではありません。
適切ではありません。
本事例は、関係者から話を聞いたりして、クライアントの置かれている状況を把握をする段階です。
利用者の自己決定は、本人の個別具体的ニーズを把握しアセスメントや方針を共に検討する段階で重要となる視点です。利用者の主体性を尊重する上で大切な視点ですが、本段階では適切ではありません。
適切ではありません。
利用者の行為や思考を自己の価値観で善悪の判断をしない姿勢を「非審判的態度」と言います。これは、精神保健福祉士が情報収集をする際に、基本的な態度として重要です。しかし、本事例では小学校校長等の関係者から話を聞き、授業の様子を観察している段階で、まだ本人と面接していない状況です。状況把握の段階だと考えると、「非審判的態度」より「人と状況の全体関連性」の方が適切となります。
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