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精神保健福祉士の過去問 第19回(平成28年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問58

問題

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次の事例を読んで、問いに答えなさい。

〔事 例〕
Cさん(35歳、女性)は18歳で統合失調症を発症、入院を経験しながらも農業大学校卒業後、父が代表の農業法人で果実加工部門を担当している。4年前に農業高校教員と結婚、両親と同居し、1歳6か月の娘がいる。妊娠中から再発や育児と仕事の両立の不安を語っていたが、家族や通院先のD精神保健福祉士の支援のほか、母親教室で再会した高校時代の友人Eさんとの交流にも支えられてきた。
昨年4月父が急死し、その後外来受診が増えた。「育児にも仕事にもほとんど手がつかない」「あまり眠れないし、もう何もかも放り出したい」などと訴えるので、D精神保健福祉士は面接と訪問の回数を増やした。
(※1)

昨年6月、「もう疲れた、休みたい」と任意入院したが、入院中に何度も面会に来てくれたEさんの支えもあり、9月には退院した。
農業法人は、今年4月から夫が代表を務めてくれることになり、Cさんは自分の将来について考えられるようになった。そんな時、病院を退職しソーシャルワーカー事務所を開業していたD精神保健福祉士からCさんとEさんにお茶会の誘いがあった。「子育ての悩みを話そう」というものだったので、二人は喜んで参加した。その場では、D精神保健福祉士も自身の子育てや仕事に関する悩みを打ち明けたので、CさんもEさんも日頃の思いを存分に話すことができた。D精神保健福祉士は、「自分たちと同じように、悩みがあっても相談できない親たちは多いだろう。父親も含めて、親たちが地域で気軽に交流できる緩やかなつながりを作りましょう」と二人に働きかけた。
(※2)

しかし、D精神保健福祉士は準備を続けるうちに、自分の立場が、専門職としての活動なのか当事者としての思いなのか戸惑い、相談したいと考えた。
(※3)


(※1)次のうち、D精神保健福祉士が用いたアプローチとして、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
問題解決アプローチ
   2 .
行動変容アプローチ
   3 .
心理社会的アプローチ
   4 .
課題中心アプローチ
   5 .
危機介入アプローチ
( 第19回(平成28年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問58 )
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この過去問の解説 (3件)

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正解は5です。

1.問題解決アプローチは、対象者と関係性を築き、問題に向き合えるように動機づけをし、一緒に解決策を考えていくアプローチです。この段階では、Cさんに動機づけを行っていることは読み取れず、新たに信頼関係を構築するために訪問を増やしているわけでもないことから、問題解決アプローチとみなすことは適切とはいえません。

2.行動変容アプローチは、行動に焦点をあてて問題行動を修正しようというものです。事例の段階では行動に焦点をあてたかかわりは読み取ることができないため、行動変容アプローチとはいえません。

3.心理社会的アプローチは、クライエントとの関係をもとに、パーソナリティの変容によって人と状況の相互作用を改善しようというものです。事例ではすでにCさんとの関係性ができており、事例で面接と訪問を増やしたことは、Cさんのパーソナリティに働きかけることを目的としているといえないため、心理社会的アプローチとみなすことは適切とはいえません。

4.課題中心アプローチとは、課題を決めて解決を図っていくアプローチです。事例の段階では課題を決めてはいないため、課題中心アプローチとはいえません。

5.「もう何もかも放り出したい」などと訴えている状況で、精神保健福祉士の方から積極的に面接と訪問の回数を増やしていることから、危機介入アプローチとみなすことが適切です。

付箋メモを残すことが出来ます。
23
× 1 .「問題解決アプローチ」(パールマンによる)は、クライエントが主体的に問題解決するよう支援するアプローチです。ここでは、Cさんが心身の不調の状態にあり、まだ積極的主体的な問題解決を促せる段階ではありません。

× 2 . 「行動変容アプローチ」は、学習理論を背景として行動療法的に望ましい行動を増加させ、望ましくない行動を減少させる支援の方法です。Cさんの現在の状況では、行動変容よりも心身の不調への対処が大切なので、不適切です。
× 3 . 「心理社会的アプローチ」(ホリスによる)は、精神分析を背景として、人と状況の相互作用の視点でクライエントの変容を計るアプローチで、時間が掛かります。現在のCさんは父の死を経験し、育児や仕事を抱えながら心身の不調を訴えている危急の状態であるので、不適切です。

× 4 . 「課題中心アプローチ」(リード、エプシュタインらによる)は、自ら可能と思われる程度に、具体的な生活上の課題に対処していきます。Cさんは危急の鬱状態にあり、まだその元気はなさそうで、不適切です。

○ 5 . 「危機介入アプローチ」(リンデマン、キャプランによる)は、生活上の様々な危機によって生じる身体的、心理的な苦痛や症状に対処していくための介入法です。父の死、育児や仕事に手がつかない状態にあるCさんへの早期介入の方法として適切です。

2

本設問は様々なアプローチ方法について問われている問題となります。それぞれの援助方法の内容を正確に覚える事で正答に結びつける事が出来ます

選択肢1. 問題解決アプローチ

不適切です。問題解決アプローチにおいては、クライエントが抱えている大きな問題を、クライエント自身の力で解決できるよう、一つひとつ部分化していきます。その上でそれらの問題に対して解決のための動機づけを行い、それに向き合える力をつけていけるよう支援するアプローチ方法です。事例の内容から動機づけを行っている場面は見られず、問題解決アプローチを行っているとは言えません。

選択肢2. 行動変容アプローチ

不適切です。行動変容アプローチは、クライエントの行動を変容し、特定の問題行動の修正を図るアプローチ方法の事を言います。現時点でクライエントであるCさんに対して行動変容を促しているような様子は見られていません。

選択肢3. 心理社会的アプローチ

不適切です。心理社会的アプローチとは、クライエントとのコミュニケーションを重ねる中で信頼関係を形成し、問題解決を図っていくアプローチ方法となります。本事例では、D精神保健福祉士のところにCさん自らが相談に来ている事から、信頼関係はある程度形成されていると考えられますので適切なアプローチ方法とは言えません。

選択肢4. 課題中心アプローチ

不適切です。課題中心アプローチとは、現在問題となっている事項を解決するための課題をクライエントと一緒に設定し、その課題を解決できるよう支援する方法の事を言います。現時点でCさんと一緒に課題設定を行っている様子は書かれていないため、課題中心アプローチを使用しているとは言えません。

選択肢5. 危機介入アプローチ

適切な内容です。危機介入アプローチとは、クライエントが置かれている危機状態に介入し、その心理的危機状態を回避したり、解決できるよう働きかける緊急的なアプローチ方法の事を言います。Cさんは育児や仕事、自身の体調不良や父親の死などが重なったことで、危機的状況に置かれている事が読み取れます。そこにワーカーが訪問・面接の回数を増やして介入しているため、危機介入アプローチを活用した支援を行っている事が分かります。

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