精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
精神保健の課題と支援 問17

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • ひきこもりの支援は、背景にある精神障害に対する特異的な支援、思春期の自立過程の挫折に対する支援の2つで構成される。
  • ひきこもりとは、様々な要因の結果として社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す。
  • 義務教育課程で不登校を経験した者の約7割が、青年期のひきこもりに移行する。
  • 地域若者サポートステーションは、・アウトリーチによるひきこもり支援を行う医療機関である。
  • ひきこもりの準備段階では、本人の激しい葛藤が顕在化し、家庭への暴力行動が頻回に認められる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

1.ひきこもりの支援について、ガイドラインでは「背景にある精神障害に特異的な支援」「家族を含むストレスの強い環境の修正や支援機関の掘り起こしなど環境的条件の改善」「ひきこもりが意味する思春期の自立過程の挫折に対する支援」の3つで構成されています。

2.ガイドラインでは、ひきこもりの定義を「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し,原則的には 6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念である。なお,ひきこもりは原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神病性の現象とするが,実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである。」としています。

3.ガイドラインでは「近年の調査で、義務教育年限の不登校から一定の比率、たとえば中学生年代での入院事例の10%ほどに青年期以降のひきこもりが出現していることが明らかとなっている」と書かれています。不登校を経験した者の約7割という記述はありません。

4.地域若者サポートステーションは、医療機関ではなく、就労支援機関です。アウトリーチによる支援を行うこともありますが、通所による支援が中心となります。

5.ガイドラインによると、本人の激しい葛藤が顕在化し、家庭への暴力行動が頻回に認められるのは「開始段階」です。「準備段階」で認められるのは、内面での葛藤と、身体症状、不安・緊張の高まり、抑うつ気分などの一般的な症状です。

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02

正解は2です。

1→ひきこもりの支援は、当事者とその周囲の状況の全体的な評価に基づいて組み立てられるべきとし、第一の次元から第三の次元まで定義づけられています。
第一の次元:背景にある精神障害に特異的な支援
第二の次元:家族を含むストレスの強い環境の修正や支援機関の掘り起こしなど環境条件の改善
第三の次元:ひきこもりが意味する思春期の自立過程の挫折に対する支援

3→ガイドラインの2-2の項で、義務教育年限で不登校を経験した者の中から一定比率(中学時代での入院事例10%ほど)に青年期以降のひきこもりが出現と触れられています。

4→地域若者サポートステーションは、働くことに悩みを抱えている15歳~49歳までの若者に対する就労支援のことです。

5→ガイドラインでは当事者の内面での葛藤、身体症状、不安、緊張の高まり、抑うつが認められると触れられています。

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