精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問72
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事 例〕
市役所の保健福祉課総合相談窓口のG精神保健福祉士のもとに、H民生委員から相談が入った。相談は、担当地域に暮らすJさん (66歳、男性) とその妻Kさん (65歳、女性) のことであった。ここ数か月Kさんの姿を見かけなくなり、そのことをJさんに尋ねても、「実家に帰っている」としか答えてもらえない。しかし、近所の人たちからは、Kさんの叫び声やJさんの激しく叱責する声が聞こえるとの話であった。虐待のおそれがあるものの、どう対処してよいのか分からず相談に来たというのである。
G精神保健福祉士は、H民生委員の話から虐待のおそれのある事案としてとらえ、JさんKさん夫婦への接触を試みることとした。
翌日、G精神保健福祉士とH民生委員がJさん宅を訪問したところ、Jさんは「どうして来たのか」といった感じで話したがらなかったが、少しずつ語りだした。Jさんの話によると、Kさんは家事と翻訳の仕事をしながら自宅で過ごしていたが、2年余り前から、Kさんが何度も同じことを言うなど様子がおかしくなってきた。そして、家事を満足にできなくなってきたため、総合病院を受診した。その結果、Kさんは若年性アルツハイマー型認知症と診断されたという。しかし、JさんもKさんもその診断結果を受け入れられず、以来、受診はやめたとのことであった。
JさんKさん夫婦は、一戸建て住宅に住み年金暮らしである。近くに親戚はおらず、一人息子(32歳)は結婚して現在県外で暮らしているため、ほとんど行き来がない。Kさんは、認知症の症状が進んでいるようだが、玄関先から見えた自宅の中は、かなり散らかっていた。Kさんに面会したところ、奥の部屋で横になった状態で髪の毛はボサボサで何日も入浴していなし、様子で、痩せこけており、H民生委員は以前の様子との違いに驚いていた。この後、G精神保健福祉士は必要な対応を行った。
次の記述のうち、G精神保健福祉士の行った対応として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
市役所の保健福祉課総合相談窓口のG精神保健福祉士のもとに、H民生委員から相談が入った。相談は、担当地域に暮らすJさん (66歳、男性) とその妻Kさん (65歳、女性) のことであった。ここ数か月Kさんの姿を見かけなくなり、そのことをJさんに尋ねても、「実家に帰っている」としか答えてもらえない。しかし、近所の人たちからは、Kさんの叫び声やJさんの激しく叱責する声が聞こえるとの話であった。虐待のおそれがあるものの、どう対処してよいのか分からず相談に来たというのである。
G精神保健福祉士は、H民生委員の話から虐待のおそれのある事案としてとらえ、JさんKさん夫婦への接触を試みることとした。
翌日、G精神保健福祉士とH民生委員がJさん宅を訪問したところ、Jさんは「どうして来たのか」といった感じで話したがらなかったが、少しずつ語りだした。Jさんの話によると、Kさんは家事と翻訳の仕事をしながら自宅で過ごしていたが、2年余り前から、Kさんが何度も同じことを言うなど様子がおかしくなってきた。そして、家事を満足にできなくなってきたため、総合病院を受診した。その結果、Kさんは若年性アルツハイマー型認知症と診断されたという。しかし、JさんもKさんもその診断結果を受け入れられず、以来、受診はやめたとのことであった。
JさんKさん夫婦は、一戸建て住宅に住み年金暮らしである。近くに親戚はおらず、一人息子(32歳)は結婚して現在県外で暮らしているため、ほとんど行き来がない。Kさんは、認知症の症状が進んでいるようだが、玄関先から見えた自宅の中は、かなり散らかっていた。Kさんに面会したところ、奥の部屋で横になった状態で髪の毛はボサボサで何日も入浴していなし、様子で、痩せこけており、H民生委員は以前の様子との違いに驚いていた。この後、G精神保健福祉士は必要な対応を行った。
次の記述のうち、G精神保健福祉士の行った対応として、適切なものを1つ選びなさい。
- 虐待事例に相当することをJさんに自覚させ、Jさんの同意を得た上で、Kさんを特別養護老人ホームへ入所措置することとした。
- Jさんの同意を得ることができないため、現状のままKさんを見守るほかないと判断した。
- Kさんが虐待を受けている可能性があると判断し、直ちに立入調査を行うため、警察に援助要請を行うこととした。
- KさんをJさんと分離し、虐待から保護する目的のため、認知症治療病棟のある精神科病院へ入院させることとした。
- Kさんが虐待を受けているおそれがあると考え、高齢者虐待対応協力者とも連携することとした。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1.誤答
現段階では、詳しい状況の把握がまだ出来ておらず虐待事例に相当するかどうかの判断はできません。そのため特別養護老人ホームへ入所措置は不適切です。
まずは、事実確認調査や緊急性の判断を行うことが優先されます。
2.誤答
Kさんの身体の安全確認をはじめ、今後の適切な医療や生活支援など何らかの支援が必要な現状なのでそのまま見守るのは適切ではありません。
3.誤答
今後、必要に応じて立入調査を行うため警察に援助要請を行う可能性もありますが、現時点では「直ちに」行うべき対応ではありません。
4.誤答
現段階ではKさんとJさんの分離の必要性は判断できません。
また、虐待から保護するための措置には認知症専門病棟のある精神病院ではなく、特別養護老人ホームなど老人福祉法による施設となります。
5.正答
高齢者虐待対応協力者は、高齢者虐待の防止から個別支援にいたる各段階において関係機関・団体等と連携協力し、虐待のおそれのある高齢者や養護者・家族に対する多面的な支援を行います。
高齢者虐待対応協力者とは、地域包括支援センター(市町村)が構築する「高齢者虐待防止ネットワーク」を構成している者が高齢者虐待防止法上の「高齢者虐待対応協力者」に位置づけられています。
高齢者虐待防止ネットワークの詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/boushi/060424/dl/03.pdf
参考になった数38
この解説の修正を提案する
02
高齢者の権利擁護に具体的にかかわっていくのは地域包括支援センターです。
そのため、民生委員や地域包括支援センターと連携し、KさんとJさんにとっていい解決策をさぐることが大切です
参考になった数18
この解説の修正を提案する
03
2.誤答。見守りよりも何なの支援を模索する必要があります。
3.誤答。すぐさま行う支援ではありません。
4.誤答。現在の状況では時期尚早です。
5.正答。その通り。
参考になった数16
この解説の修正を提案する
前の問題(問71)へ
第16回(平成25年度)問題一覧
次の問題(問73)へ