精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
心理学理論と心理的支援 問94

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問94 (訂正依頼・報告はこちら)

心理療法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 動作療法(臨床動作法)を高齢者に適用するとき、筋力をつけることが重要な課題となるので、リラクゼーションを促進する必要はない。
  • 内観療法は、身近な人を対象として「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」について内省し、不安や苦悩を「あるがまま」に受入れていく。
  • 行動療法では、恐怖症のような不適応行動を誤って学習された行動と考え、それを修正するための再学習を行うことが重要である。
  • 精神分析療法では、クライエントの自己洞察を深めるため、過去の外傷体験に関する暴露療法がよく用いられる。
  • 心理劇では、治療者の受容的・共感的態度に支えられ、防衛機制の理解のために夢の分析を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→動作療法とは「からだ」を通して「こころ」に働きかけ、「からだ」と「こころ」を同時に変化に導く心理療法です。リラクゼーションは時として有効な要素です。

2→内観療法のキーワードは自己発見です。「あるがまま」は森田療法のキーワードです。

4→暴露療法は、外的ストレス症候群の治療に用いられる方法です。

5→心理劇は集団に対して生活についての内観を行うものです。夢の分析は深層心理をしるために使います。



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02

正答【3】

1.誤答
臨床動作法は動作を通して心理的問題を改善する成瀬 悟策によって開発された心理療法です。
「からだ」の動作と「こころ」はとても深いかかわりるとして、自分の「からだ」の緊張や不調を改善することで「こころ」のあり方を変えていきます。
高齢者には身体的リハビリとともにリラクゼーションを促しながら行います。

2.誤答
「あるがまま」を受け入れるのは森田療法です。
内観療法は、吉本伊信による心理療法で身近な人を対象として「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」について内省することで、 過去の自分の行動や生活態度を振りかえり、真実の自己を発見しさまざまな気づきや洞察を行います。

3.正答
行動療法は適応できない行動は後天的に学習されたものと考えます。そのため学習理論や法則に基づいて不適応行動を消去・減少させる、または適切な行動を再学習させていきます。

4.誤答
暴露法はエクスポージャ法とも呼ばれ、恐怖や不安の原因になる状況や刺激を段階的に晒していくことで不安反応を消し去る方法です。不安障害などに用いられる行動療法です。

5.誤答
モレノが考案した心理劇(サイコドラマ)は、クライエントの抱える問題について、演技(行動)を通して理解を深め、解決を目指してゆく集団的心理療法です。

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03

1.誤答。リラクゼーションを行わないほうがよい根拠がないです。

2.誤答。内観療法はあるがままを受け入れるのですが、不安や苦悩のみではないです。

3.正答。その通りです。

4.誤答。暴露療法はエクスポージャーと言われ、ハルの消去理論に基づいた治療方法です。

5.誤答。心理劇ではモレノによって体系化された治療方法です。

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