精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
低所得者に対する支援と生活保護制度 問148

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 低所得者に対する支援と生活保護制度 問148 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、自立支援プログラムによる支援の進め方に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Cさんは重いうつ病を発症し療養に専念するために退職したが、経済的に困窮したため生活保護を申請した。保護開始後、 Cさんは療養を要するものの病状は安定してきた。しかしCさんには、なお就労に対する躊躇があるようである。
  • Cさんには、できるだけ早期に保護から脱却することを目指す就労支援プログラムへの参加が提案された。
  • Cさんの自立支援プログラムへの参加は、ケースワーカーの判断で決定された。
  • Cさんの自立支援の内容は、共通の統一した支援目標に基づき作成されることになった。
  • Cさんに対しては、自立支援プログラムに参加することが、生活保護を継続するための必要条件であるとの説明がなされた。
  • Cさんには、ボランティア活動や試行雇用の機会の提供を視野に入れた自立支援プログラムが提案された。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。
自立支援プログラムを理解するにあたっては下記を参考にしました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/seminar/dl/05-02.pdf#search='%E8%87%AA%E7%AB%8B%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0'

問題文でのポイントは「病状は安定してきた」「就労に対する躊躇がある」という部分です。
このCさんの状況と気持ちに寄り添った形で支援できるかどうかが鍵です。

1→「できるだけ早期に」という部分が適切ではありません。「病状は安定してきた」のであって、ある程度の期間「安定している」という状態ではないようです。相手のペースへの配慮に欠けます。

2→「ケースワーカーの判断で」という部分が誤りです。クライエントと相談しながら進めていかなければならないものです。

3→Dさんの就労という最終目標は共通であるべきですが、自立支援プログラムは福祉事務所とハローワークのそれぞれのスタッフがチームで支援していくものです。それぞれの専門職としての役割があるため、支援目標は各専門職で異なると思います。

4→プログラムの参加は、クライエントご本人の意志によるものです。強要するような態度は不適切です。

参考になった数15

02

正解は5です。
就労を躊躇しているCさんへ、段階を踏まえた社会参加を促しています。参加を強制していない点も適切といえます。

その他の選択肢については以下のとおりです。
1・・・Cさんは病状は安定してきたものの、就労についてはまだ躊躇しています。就労支援プログラムは、就労意欲のある人が対象となります。

2・・・自立支援プログラムへの参加には、本人の同意が必要です。

3・・・自立支援の支援目標は統一されておらず、個々により異なります。

4・・・自立支援プログラムへの参加可否は、本人の意思に委ねられます。生活保護の継続とも、関係ありません。

参考になった数4

03

1 .× 重いうつ病からの回復期にあるので、「できるだけ早期に保護から脱却」を迫るのは時期尚早でストレスフルです。

2 .× 利用者自身の主体性が大事です。ワーカーは支援を実施するが判断決定権を一方的に持っているわけではないです。

3 .× 「 統一した支援目標」ってカッコイイですが、実際はアセスメントに基づき、短期・中期・後期の支援目標を設定して、今利用者さんが少しずつできることを考え、進捗状況によって支援目標も変わっていくものではないでしょうか。

4 .× 自立支援プログラムに参加するか否かというのが生活保護の要件になることはないです。

5 .○ 少しずつ社会参加をしていくためには、「ボランティア活動や試行雇用の機会の提供を視野に入れた」というのは現実的でグッドです。

参考になった数4