精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
権利擁護と成年後見制度 問158

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問158 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、介護保険事業者・従事者の法的な義務と責任に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕
Fさんは、 S法人の居宅介護サービスを受け、 S法人のG訪問介護員がFさんを 担当している。 Fさんには、軽度の認知症があり、嚥下能力も落ちてきて、食事介助のときにむせ込むことも多くなっている。また、 Fさんの甥がFさんのお金を無断で使っているようである。
  • G訪問介護員はFさんの食事介助を担当しているだけなので、食事介助中にFさんが転倒してけがをしたとしても、 S法人に法的な責任が生じることはない。
  • G訪問介護員がとろみ食など食べやすい食事を提供していれば、 Fさんが誤嚥して窒息しても、 S法人に法的な責任が生じることはない。
  • Fさんが担当のG訪問介護員を変えてほしいと主張したため、 S法人が一方的に訪問介護契約を打ち切ったとしても、 S法人に法的な義務違反が生じることはない。
  • G訪問介護員が、事業所内で上司に対し、甥がFさんのお金を無断で使っているのではないかと報告しても、秘密保持に関してG訪問介護員に法的な義務違反が生じることはない。
  • G訪問介護員が、 Fさんの介護サービスの提供に関して、記録を作成することを怠ったとしても、 S法人に法令上の義務違反が生じることはない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . × 訪問介護サービス中の事故であるので、状況によっては法的責任が生じることがありえます。 
2 . × 食べやすい食事を提供することは必要であるが、食介の技術や見守りは必要であり、状況によっては、法的責任が生じないとも限らないです。 
3 . ×  事業者の一方的な契約解除はできないことになっています。
4 . 〇 家庭内の犯罪類似の行為について、上司に報告、相談するのは、秘密保持違反にはならないです。 
5 . × 記録作成はG訪問介護員の義務であり、職務怠慢について法人には監督責任があります。

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02

正解は4です。派遣元(S法人)と派遣されている人(訪問介護員G)が雇用関係にあることが問題を解く鍵になります。4に関しては、Fさんの利益を守るために業務上必要な報告と考えられます。

1、2→雇用関係にあるGの業務中のことなので、S法人に法的責任が及びます。

3→S法人とGは雇用関係にあるため、Fさんの担当を変えたとしてもそれにかわる派遣先の提示などが必要です。

5→記録は整備しておくべきものです。Gにより不備があれば、S法人に業務上の監督責任が問われます。

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03

正解は4です。
法人と訪問介護員は雇用関係にあり、秘密保持違反にはなりません。業務上必要な報告です。

その他の選択肢については以下のとおりです。

1…サービス中の事故のため、S法人に法的責任が問われる可能性があります。

2…1と同様。

3…一方的な契約打ち切りはできません。

5…記録作成が義務であり、怠った場合はS法人の監督責任が問われます。

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