精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神疾患とその治療 問2

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

うつ病に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
  • 妄想を生じることがある。
  • 興味や喜びの喪失がみられる。
  • 確定診断には、脳波検査が必要である。
  • 精神療法では、精神分析が最も有効である。
  • 治療薬として、ベンゾジアゼピン系薬剤が第一選択である。

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この過去問の解説 (5件)

01

正解は 1、2です。

1・2、うつ病には「精神症状」と「身体症状」に分けることができます。
「精神症状」とは、抑うつ気分や興味や喜びの喪失、意欲の低下、死にたくなるなどが
あげられます。
「妄想」は、統合失調症の方によく見られる症状でもあるが、うつ病でも現れることがあるため注意が必要になります。
例としてあげると、実際に医学的検査を行った結果何の異常も見られなかったが、自分が病気であると思いこんでしまう状態を「心気妄想」とよびます。
次に「身体症状」とは、睡眠障害、疲労感・倦怠感、食欲不振、耳鳴り、口の渇き等が挙げられます。これらの症状は個人差があり、いくつかが重なって同時に身体に現れてくることがあります。

3、うつ病は、精神科医との医療面接から「DSM- v」や「ICD-10]の基準をもとに診断されます。

4、うつ病に対する精神療法は、「認知行動療法」や「森田療法」など様々な方法があるもの効果があまりあらわれていないのも事実です。

5、うつ病への第一治療薬としては、「抗うつ剤」が使われます。
「抗うつ剤」は、服用してから時間がかかるものが多いため、補助的に使われる薬が「ベンゾジアゼピン系薬剤(抗不安薬)を処方されることもあります。
「ベンゾジアゼピン系薬剤」は、長期にわたり服用を続けることで、耐性が生じてしまい、依存が形成されてしまい、注意が必要になってきます。


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02

正解は1、2です。

1.うつ病では、貧困妄想、罪業妄想、心気妄想、微小妄想を生じることがあります。

2.うつ病では、興味や喜びの喪失がみられることがあります。

3.うつ病の確定診断には、脳波検査は必要ではありません。

4.精神分析は、神経症の治療等に用いられます。うつ病の治療に最も有効であるとはいえません。

5.うつ病の第一選択薬はSSRIやSNRIなどの抗うつ薬です。ベンゾジアゼピン系薬剤は、抗不安薬、睡眠薬として処方されますが、うつ病の治療薬として第一選択とされるものではありません。

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03

正解は1、2です。

うつ病は、精神症状や身体症状が生じます。
精神症状の主なものには、抑うつ気分、興味や喜びの喪失、意欲低下、希死念慮(死にたくなる)などが挙げられます。

妄想は統合失調症の代表的な症状でもありますが、うつ病でも妄想が現れることもあり、注意が必要です。
例えば、実際には医学的検査をしても問題がないにも関わらず、病気にかかったと確信するような状態を「心気妄想」と呼びます。

身体症状としては、睡眠障害(不眠もしくは睡眠過多)、疲労感、倦怠感、月経不順等が挙げられます。

これらの症状の出方には個人差があり、いくつかが組み合わさった形で現れます。


3:うつ病は、医師の問診からDSM-ⅴやICD-10といった診断基準を元に診断されます。

4:うつ病に対する精神療法は、認知行動療法や森田療法など、様々なものがあり、精神分析が最も有効と言えるものではありません。

5:うつ病への治療に対する第一選択薬剤は、抗うつ剤となります。
 抗うつ剤は服薬してから効果が現れるまで時間がかかるものも多いため、補助的にベンゾジアゼピン系薬剤(抗不安薬)を処方することもあります。
 ベンゾジアゼピン系薬剤は、長期に渡って服用すると耐性が生じ、依存が形成されるため、注意が必要です。

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04

正解は、1、2です。
1 . 〇 うつ病になると、悲観的になり、微小妄想が生じることがあります。
罪業妄想、貧困妄想、心気妄想などが三大妄想と呼ばれます。
2 .  〇 物事への興味や喜びの消失は、特徴的なうつ病の症状です。
3 . ×  脳波の異常は、うつ病単体では、特徴的に現れて診断に用いられるようなことはないです。
4 . ×  まず第一に抗うつ剤の投与、精神療法としては、指示的精神療法、認知行動療法、EMDRなどが有効と言われます。
5 . ×  第一選択は、抗うつ剤の投与です。ベンゾジアゼピン系薬剤は、抗不安薬(いわゆる精神安定剤)で、気分の安定のために併用されることも多いです。

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05

正解は1と2です。
うつ病は、主に抑うつ気分や喜びや興味の喪失、意欲の低下、不眠や早朝覚醒、死にたくなるといった症状があります。妄想は統合失調症によくみられる症状ですが、うつ病でも現れることがあります。

その他の選択肢については、以下のとおりです。

3…うつ病の診断はDMS-5やICD-10をもとに行われます。脳波検査は必要ありません。

4…うつ病に対する精神療法には、うつ病患者によくみられる否定的な思考パターンを、医師との話し合いなどによって客観的に整理し、より柔軟な思考パターンに変えていこうとする「認知行動療法」が使われることが多いです。ほかにもあらゆる療法があり、精神分析がもっとも有効とはいえません。

5…うつ病の第一選択薬は「抗うつ剤」です。ベンゾジアゼピン系薬剤は、抗不安薬としてうつ病患者に処方されることもありますが、第一選択薬ではありません。

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