精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神疾患とその治療 問5
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
統合失調症のAさん(19歳、男性)は、外来受診の際に、「今朝、通りがかった犬がこちらを向いて前足を上げた。1億円の宝くじが当たった」と訴えた。
次のうち、Aさんの発言から考えられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。
次のうち、Aさんの発言から考えられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- 被害妄想
- 誇大妄想
- 妄想気分
- 妄想着想
- 妄想知覚
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この過去問の解説 (4件)
01
「通りがかった犬がこちらを向いて前足を上げた」ことに対して「1億円の宝くじが当たった」と発言したことについて、考えられる症状を選択する問題です。
1.被害妄想とは、他人から何らかの被害を受けているという思い込みです。Aさんの発言から被害を受けている様子はくみとれないため被害妄想ではありません。
2.誇大妄想とは、自分自身を過剰に高く評価したり、高い地位や財産を持っていると考えたりする妄想です。Aさんの発言は、宝くじに当たって1億円を持っているという主旨のものではないため、誇大妄想とはいえません。
3.妄想気分とは、なんとなく悪いことが起きてしまうのではないかと予感するものです。一般的に宝くじに当たることは悪いことではありませんので、Aさんの発言内容は妄想気分とはいえません。
4.妄想着想とは、何の知覚もなく、ありえない確信が突然出現する妄想です。Aさんの発言は、犬の様子を知覚した上での発言ですので、妄想着想ではありません。
5.妄想知覚とは、何らかの知覚を妄想的に意味づける妄想です。犬の様子を見て、宝くじが当たったと意味づけていますので、妄想知覚と考えられます。
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02
1:「被害妄想」
→他人が自分を敵視していると確信したり、その人から危害を加えられる、陥れられると信じる妄想です。
2:「誇大妄想」
→自分自身を過剰に評価したり、地位やお金、能力があり、自分は特別な存在だと思い込む妄想です。
3:「妄想気分」
→何か大変なことが起きてしまいそうだという不安を表します。
4:「妄想着想」
→現実にそぐわない考えが、なんの前触れもなく思い浮かぶことです。
本文は、実際に見て起きた出来事に対し、何か特別な意味があると強い確信を持って知覚された状態なので、「妄想知覚」が正解です。
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03
2 . 誇大妄想 × 誇大妄想は、自分の価値などに対する誇大な妄想なので、違います。
3 . 妄想気分 × 世界が破滅するというような漠然とした不安な気持ちや危機感のようなもの、違いますね。
4 . 妄想着想 × 誤った考えがひらめいて、確信してしまう。高額の宝くじが当たった、という確信はそれに近いですが、前提となる知覚が前にあるので、5が選択されます。
5 . 妄想知覚 〇 実際に何か知覚されたものに対して、特別の意味付けをしてしまうのが、妄想知覚です。
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04
妄想知覚とは、正常に知覚されたものを、自らの妄想に合わせた文脈で認知することです。今回の場合、通りがかった犬を見て、宝くじが当たったと思い込んでいます。
その他の選択肢については以下のとおりです。
1…被害妄想は、周りに敵視されている、悪口を言われているなどと思い込むことです。
2…誇大妄想は、自分は人並みすぐれた才能をもっている、自分は特別な能力を持っているなどと思い込むことです。
3…妄想気分は、なんの根拠も無しに「恐ろしい出来事が起ころうとしている」と思い込むことです。
4…妄想着想は、突然間違った思い込み(「私は神だ」など)が頭に浮かぶことです。
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