精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健の課題と支援 問17
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問題
第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」に記載されている支援者の対応に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 支援機関からの情報提供は、被害者の気持ちが落ち着くまで待つ。
- 記憶が鮮明なうちに、詳細に被害体験を聴き取る。
- 性暴力被害の場合、産婦人科の受診の必要性について確認する。
- 支援者は、事情聴取に付き添う際、警察に対して積極的に情報を提供する。
- フラッシュバックや不眠症状があれば、精神科救急の受診を第一選択とする。
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この過去問の解説 (4件)
01
1.ガイドライン1.2.1では「被害後間もない時期では、支援の要望を待つのではなく、支援機関から被害者に連絡し、支援の準備があることや支援情報を伝えることが望ましい。」とされています。どこに支援を求めたらよいか分からないことが多くみられるため、被害者の気持ちが落ち着くまで待つのではなく、積極的に情報を提供することが必要な場合があります。
2.ガイドライン2.5では「急性期において、自ら話すことを希望していない被害者にそれぞれの体験を詳細に語ることを勧めるべきではない。」とされています被害者が話したくないにも関わらず、詳細に被害体験を聴き取ろうとすることは、精神状態を悪化させたり、支援者との関係を悪くしたりするため、適切ではありません。
3.ガイドライン4.1.3では「性暴力被害者の相談では、産婦人科医等医療機関の受診の必要性について確認することが必要である。」とされています。確認の仕方については最大限の配慮が必要になりますが、妊娠や性感染症などの予防のためにも、その必要性について確認をすることが必要です。
4.ガイドライン1.9では「支援者は、原則として、支援で知りえた情報を被害者の許可なく他者に伝えてはならない。」とされています。それは相手が警察であっても同じです。
5.ガイドライン4.1.2では「被害者本人がPTSDであるとして症状を訴える場合、医師からの診断を受けているのか、あるいは本からの知識を得たなど被害者本人の考えなのか確認する必要がある。」とされています。たとえ医師の診断を必要とする場合であっても、通常は精神科一般外来を紹介すべきであり、精神科救急を第一選択とすることは適切ではありません。
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02
ガイドライン4.1.3に記されています。被害直後には妊娠や性感染症などの防止の観点から、被害者に産婦人科の受診の有無を確認、その必要性について話し合うことが必要です。
その他の選択肢については以下のとおりです。
1…ガイドライン1.2.1より、「被害後間もない時期では、支援の要望を待つのではなく、支援機関から被害者に連絡し、支援の準備があることや支援情報を伝えることが望ましい」とされています。被害者は混乱し、どこに支援を求めたらよいか分からないことが多いためです。
2…ガイドライン2.5より、「急性期において、自ら話すことを希望していない被害者にそれぞれの体験を詳細に語ることを勧めるべきではない」とされています。話している途中で具合が悪くなったり、精神状態が悪化したりするためです。
4…ガイドライン1.9より、「支援者は、原則として、支援で知りえた情報を被害者の許可なく他者に伝えてはならない」とあります。職種に関わらず、守秘義務を守る必要があります。
5…ガイドライン7.1より、「被害者の様々な反応の多くは、被害後の急性期ではよく見られる反応であることを伝えることが有用である」とされています。健忘、フラッシュバック、不眠、情動不安定、不安、恐怖、苛立ち等です。精神科救急の受診を第一選択とするのは、行き過ぎた行為といえます。
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03
1、被害者の現状やニーズに即した具体的な支援を提供する事が大事です。
2、支援は警察の仕事の代替わりではありません。
3、正解です。
4、被害者が警察に対して持っている感情は様々なものであり、被害者と警察の関係が良好でない時には、一層の配慮が求められることになります。
5、被害者の多くの反応は様々で、被害のあと急性期ではよく見られる反応だと伝えることが有用であると考えられます。
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04
2 . × 急性期に、詳細に被害体験を語ることを強いることはときに有害なので、本人が話したいという時期が大切です。
3 . ○ 性暴力被害の場合、妊娠や怪我、性感染症など健康上の問題の他、診察記録が証拠として提出できるため、早急な産婦人科の受診は大切です。
4 . × 被害者自身の供述や説明が重要です。支援者は、適正な捜査のため、事情聴取に付き添う際、警察に対して積極的に情報を提供するのはすすめられません。
5 . × フラッシュバックや不眠症状は、受診を検討するものですが、精神科救急の受診を第一選択とする程度とも限らないし、また本人が精神科受診に抵抗を感じる場合もあるので、注意しながら進めた方がいいです。
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