精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問38

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、ICIDH(国際障害分類)からICF(国際生活機能分類)への改定に際して重視された内容として、正しいものを2つ選びなさい。
  • 構成要素間の相互作用
  • 各疾病の諸帰結
  • 障害を個人の次元でとらえる視点
  • 福祉的サービスの必要性
  • 環境因子の影響

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1、5です。

1.ICFでは、構成要素間の相互作用が重視されています。

2.「疾病の帰結の分類」はICIDHの分類であり、ICFでは「健康の構成要素の分類」となりました。

3.ICFでは障害を、個人と環境の次元でとらえています。

4.ICFでは、福祉的サービスの必要性は直接的に明示されていません。

5.ICFでは、環境因子の影響が重視されています。

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02

ICF(国際生活機能分類)への改定は、2001年にWHOに採択されました。
従来のICIDH(国際障害分類)が障害のマイナス面を分類するのが中心だったのに対して、
ICFは、生活機能というプラスの面からとらえたもので、疾病や障害だけではなく環境因子の観点が加えられ、活動や参加の状態をとらえています。

◯ 1 .ICFは、障害者の生活機能状態を
「健康状態/変調・病気」、
「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」、
「環境因子」、「個人因子」
のそれぞれの構成要素間の相互作用により、社会における活動や参加が促されるとしています。

✕2 . 各疾病の諸帰結:従来のICIDH(国際障害分類)で言及されていました。

✕3 . 障害を個人の次元でとらえる視点:ICFでは、個人の一次元だけではなく、環境などの因子に注目しています。

✕4 . 福祉的サービスの必要性:ICFはあくまでも個人の生活機能を表す分類で、福祉サービスの必要性について言及しているわけではありません。

◯5 . 環境因子の影響 選択肢1番の欄に説明した通りです。

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03

世界保健機関(WHO)が1980年に発表した国際障害分類(ICIDH)では、障害を「機能障害」「能力障害」「社会的不利」の3つのレベルがあるとし、マイナス面を分類するという考え方が中心でした。その後国際的な検討を経て、2001年に国際生活機能分類(ICF)へと改定されました。「心身機能と構造」「活動」「参加」というプラス面からみるように視点を変え、背景因子として「環境因子」「個人因子」という観点を加えたものです。

1. ○
ICFでは、「健康状態(変調または疾病)」「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」の構成要素間の相互作用があるとしています。それぞれの因子が当事者の社会生活等に双方向に関与しあっていることを概念(相互作用モデル)として明確化しました。

2. ×
ICIDHにより、障害とは疾病や健康状態の「諸帰結」を示すものとして解釈されていました。

3. ×
障害の発生は、個人の持つ心身の特徴だけでなく環境による影響が多いということで、「環境因子」という観点が加えられました。

4. ×
ICFはあくまでも障害分野の諸問題としてのサービスやニーズの把握、生活上の問題等に関する国際的比較を可能とするための標準的な枠組みを示したものであって、福祉サービスの必要性について重視されたものではありません。

5. ○
選択肢1番、3番にあるように、環境因子の影響があるとしています。

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