精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問47

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

地域活動支援センターに勤務するF精神保健福祉士は、近隣にある小学校の教諭から、「総合的な学習の時間」を使って精神保健福祉を学習の題材にした福祉教育の授業を実施してほしいとの依頼を受けた。対象学年は6年生である。さっそくF精神保健福祉士は、小学校の教諭、地域活動支援センターの利用者、同僚の精神保健福祉士たちと話合いの場をもち、授業の目的や内容について協議した。その結果、講義形式だけでなく、体験型の授業を取り入れることにした。

次の記述のうち、この福祉教育で実施する体験型の授業として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 児童が精神科病院へ出向いてコーラスを披露する。
  • 児童に統合失調症の症状の疑似体験をさせる。
  • 児童と精神障害者でソフトバレーボールの練習をする。
  • 児童が応援メッセージの手紙を送る。
  • 児童が昼食に手作り弁当を提供する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.F精神保健福祉士の勤務先は地域活動支援センターです。設問から精神科病院の関係者が参加していることが、読み取れないため、精神科病院での活動を企画することは、適切ではありません。

2.統合失調症の疑似体験は、統合失調症の症状は人それぞれであることや、対象学年が小学6年生ということから、偏見や誤解を助長する可能性があるため適切とはいえません。

3.児童と精神障害者でソフトバレーボールの練習をすることは、直接精神障害者とふれあうことができる体験型の授業として適切です。

4.児童が応援メッセージの手紙を送ることは、体験型の授業にはなりません。また応援の内容や必要性についても不明であり、適切ではありません。

5.児童が手作り弁当を提供することは、精神保健福祉の体験とはいえません。弁当作りの必要性も不明です。

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02

✕ 1 . 児童が精神科病院へ出向いてコーラスを披露する。→ ボランティアとして精神科病院の様子を知る意味はあるかも知れませんが、相互交流の機会を作るためには一方的なかかわりになりそうです。

✕ 2 . 児童に統合失調症の症状の疑似体験をさせる。→ 幻聴や幻覚の疑似体験は可能であるが、対象が児童なので、一部の精神障害者の症状の大変さや症状のつらさが強調されすぎてもいけないので、特に若いうちは一面的になりすぎないような体験が必要です。

◯ 3 . 児童と精神障害者でソフトバレーボールの練習をすることにより、相互交流が行われ、地域にはさまざまな人々がいて精神障害者も自分たちと同じであることを感じるために有益と思われます。

✕ 4 . 児童が応援メッセージの手紙を送るだけでは、相手の状況がわからず、どう応援していいのかわからず、受け取る精神障害者も負担に感じる場合もないとは言えないので、交流の機会を持ってからの方がより良い結果になるかも知れません。

✕ 5 . 児童が昼食に一方的に手作り弁当を提供するのは、よい交流とは思われず、むしろ一緒に弁当を作ったりするのはよいプログラムになるかも知れません。

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03

 地域活動支援センターは、利用者が地域で自立した日常生活、社会生活を営むことができるよう、創作的活動、生産活動の機会提供など、地域の実情に応じて支援を行う事業のことです。障がい者等の福祉の増進を図るとともに、障がいの有無に関わらず人格と個性を尊重し合い、安心して暮らすことのできる地域社会を実現するに寄与することを目的としています。

1.×
 児童が一方的に精神病院へ出向くことよりも、地域の中での相互的な関わりを大切にすることが求められます。

2.×
 児童に統合失調症の症状を疑似体験させることは、恐怖心や偏見を与えるきっかけになる恐れもあります。障がいへの理解を深めるための体験として、適切とはいえません。

3.○
 児童と精神障がい者のコミュニケーションを図るために好ましい支援であり、障害に対する理解促進にも寄与していることから、適切であるといえます。

4.×
 互いに交流する場も設けていない状態で応援メッセージの手紙を送ることは、一方的な関わりであるように思われます。相互理解を深めるためにも、まずは児童と精神障がい者との交流を図ることが大切です。

5.×
精神障がい者とともに弁当を作り一緒に食べるなど、児童だけでなく精神障がい者にも創作活動に参加する機会を提供することが大切であるといえます。

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