精神保健福祉士の過去問
第17回(平成26年度)
心理学理論と心理的支援 問88

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問題

第17回(平成26年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問88 (訂正依頼・報告はこちら)

感覚・知覚に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 目や耳などの感覚器には、光や音以外にも「眼球をおすと光が見える」などの感覚を生じさせる刺激があり、こうした刺激を適刺激という。
  • 網膜像から対象物の形を知覚するには、認識対象の形を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が必要である。
  • 錯視は感覚器の生理学的な構造の影響で生じており、脳の中枢での推論過程などの影響や、刺激の物理的要素による影響はない。
  • 網膜に映る大きさが同じであれば同じ大きさに見えることを、大きさの恒常性という。
  • パターン認知における特徴分析とは、認知対象を部分に分けることなく全体としての特徴をとらえて認識する過程のことである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

1.通常の光や音に反応する刺激を適刺激といいます。「眼球をおすと光が見える」のは不適刺激です。

2.目の網膜でとらえた像を知覚するために、対象を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が行われるとされています。

3.錯視は視覚に現れる錯覚です。生じる理由は解明されていないため、脳の中枢における影響や、刺激の物理的要素による影響がないとはいえません。

4.大きさの恒常性とは、網膜に映る大きさが異なっていても、同じ大きさに見えることをいいます。

5.特徴分析とは、認知対象の特徴をとらえて認識する過程をいいます。

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02

正答【2】

1.誤答
「目は光」「耳は音」「鼻はニオイ」など特定の刺激に対して働きます。この特定の刺激を「適刺激」といいます。例えば、目に対して光は適刺激ですが、音やニオイは不適刺激です。


2.正答
「図と地の分離(分化)」は刺激をまとまりとして知覚する基本的な現象です。
「図と地の分離(分化)」は、ルビン(Rubin,E.J)によて提唱され、形として浮き出して見える「図」と背景である「地」という2つの異なる領域があって初めて形が知覚されるとしています。


3.誤答
錯視は、目の錯覚で図形の大きさや長さ、方向など周囲の図形の影響を受け実際とは違って知覚されることです。
錯視は脳の中枢での推論過程などの影響や刺激の物理的な要素による影響によって生じます。感覚器の生理学的な構造上の影響で起こるわけではありません。


4.誤答
大きさの恒常性とは、網膜に映る大きさが変化しても、物体の大きさは変わらずに知覚されることです。


5.誤答
パターン認知とは、人が知覚できる音・匂い・画像などの情報(パターン)を認識する際の過程を表す情報の処理のことです。
視覚パターン認知の代表的なモデルとして「特徴分析モデル」「鋳型照合モデル」の2つがあります。

特徴分析モデルは、認知情報をいくつかの特徴に分けて分析して、特定パターンを認知する過程です。

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03

×1 . 目や耳などの感覚器において、「眼球をおすと光が見える」などの感覚を生じさせる刺激は、不適刺激といいます。 適刺激とは、目なら光、耳なら音(振動)のように、それぞれの感覚器に感覚を生じさせる適切な刺激のことを言います。

○2 . 対象物の形を知覚するには、認識対象の形を背景から浮き立たせる「図と地の分離」が必要です。図とは、意味あるものとして際立って知覚される部分、地はその背景です。例えば、文章を読むときに、文字は図、背景部分は地となります。

×3 . 錯視とは、視覚における錯覚のことを言います。錯視は、脳の中枢での推論過程などの影響や、刺激の物理的要素による影響を受けます。

×4 . 大きさの恒常性とは、網膜に映る大きさが異なっているにも関わらず、同じ大きさに見えることを言います。

×5 . パターン認知の鋳型モデルにおける特徴分析とは、外界からの情報がある程度異なっていても、それと分かる認知的な仕組みのことを言います。

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